電源障害やシステム障害が原因で、ディスクが認識されなくなることがあります。このような場合に、かならずしもスライス情報やディスクのデータを作成し直したり、復元しなければならないとは限りません。
破損したディスクラベルを復元する作業の最初の手順は、正しいジオメトリとディスクタイプ情報を使用してディスクにラベルを付けることです。この作業は、通常のディスクラベル作成方法 (自動構成またはディスクタイプの手動指定) で実行できます。
format ユーティリティでディスクタイプが認識されたら、次の手順はバックアップラベルを検索 してディスクにラベルを付けることです。バックアップラベルを使用してディスクにラベルを付けると、ディスクタイプとジオメトリだけでなく、正しいパーティション情報を使用してディスクラベルが作成されます。
システムをシングルユーザーモードにします。
必要であれば、シングルユーザーモードでローカル CD-ROM またはネットワークからシステムをブートして、ディスクにアクセスします。
システムをブートする方法については、第 13 章「SPARC: システムのブート (手順)」または第 14 章「IA: システムのブート (手順)」を参照してください。
# format |
この時点で、format はラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。ラベルが付いておらず破損したディスクを自動構成できない場合は、次のメッセージが表示されます。
cwtxdy: configured with capacity of abcMB |
次に、システム上のディスクのリストが表示されます。
画面に表示されたリストから、復元したいディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number): 1 |
次のいずれかを選択して、ディスクラベルの作成方法を決定します。
バックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. Backup label contents: Volume name = <> ascii name = <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> pcyl = 2038 ncyl = 2036 acyl = 2 nhead = 14 nsect = 72 Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 300 148.15MB (301/0/0) 303408 1 swap wu 301 - 524 110.25MB (224/0/0) 225792 2 backup wm 0 - 2035 1002.09MB (2036/0/0) 2052288 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 525 - 2035 743.70MB (1511/0/0) 1523088 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 |
format ユーティリティがバックアップラベルを検出することができ、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行して、ディスクにバックアップラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label |
これで、ディスクラベルが復元されました。手順 12 へ進みます。
format でディスクを自動構成できなかった場合は、type コマンドを使用してディスクタイプを指定します。
format> type |
Available Drives Type メニューが表示されます。
0 を選択してディスクを自動構成するか、またはディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[12]: 12 |
ディスクが正常に自動構成された場合は、ディスクラベルを作成するかどうか尋ねるプロンプトが表示されたときに no と応答します。
Disk not labeled. Label it now? no |
verify コマンドを使用してバックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. . . . |
format ユーティリティがバックアップラベルを検出することができ、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行して、ディスクにバックアップラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label |
これで、ディスクラベルが復元されました。
format ユーティリティを終了します。
format> q |
fsck コマンドを使用して、復元されたディスク上のファイルシステムを確認します。
fsck コマンドの使用方法については、第 42 章「UFS ファイルシステムの整合性チェック (手順)」を参照してください。