Solaris のシステム管理 (基本編)

ファイルシステム管理用のコマンド

ほとんどのファイルシステム管理コマンドには、汎用コマンドとファイルシステムに固有のコマンドの2 種類があります。可能な場合には、常に汎用コマンドを使用してください。汎用コマンドは、ファイルシステム固有のコマンドを呼び出します。次の表に、ファイルシステム管理用の汎用コマンドを示します。これらのコマンドは、/usr/sbin ディレクトリに入っています。

表 37-1 ファイルシステム管理用の汎用コマンド

コマンド 

マニュアルページ 

説明 

clri

clri(1M)

i ノードをクリアする。 

df

df(1M)

空きディスクブロック数とファイル数を出力する。 

ff

ff(1M)

ファイルシステムのファイル名と統計情報を表示する。 

fsck

fsck(1M)

ファイルシステムの完全性をチェックし、検出された損傷を修復する。 

fsdb

fsdb(1M)

ファイルシステムをデバッグする。 

fstyp

fstyp(1M)

ファイルシステムのタイプを調べる。 

labelit

labelit(1M)

テープにコピーするときに、ファイルシステムのラベルを表示または作成する (volcopy コマンド専用)。

mkfs

mkfs(1M)

新しいファイルシステムを作成する。 

mount

mount(1M)

ローカルおよびリモートのファイルシステムをマウントする。 

mountall

mountall(1M)

仮想ファイルシステムテーブル (/etc/vfstab) に指定されているすべてのファイルシステムをマウントする。

ncheck

ncheck(1M)

パス名とその i ノード番号のリストを生成する。 

umount

mount(1M)

ローカルおよびリモートのファイルシステムをマウント解除する。 

umountall

mountall(1M)

仮想ファイルシステムテーブル (/etc/vfstab) に指定されているすべてのファイルシステムをマウント解除する。

volcopy

volcopy(1M)

ファイルシステムのイメージコピーを作成する。 

ファイルシステムコマンドによるファイルシステムタイプの判断

汎用ファイルシステムコマンドは、次の順序でファイルシステムのタイプを判断します。

  1. 指定されている場合は、-F オプションで指定されているファイルシステムのタイプから判断します。

  2. 特殊デバイスを /etc/vfstab ファイルのエントリと突き合わせて判断します (special が指定されている場合)。たとえば fsck は、まず fsck device フィールドと突き合わせて一致するエントリを検索します。一致するエントリが見つからなければ、特殊デバイスフィールドと突き合わせてチェックします。

  3. ローカルファイルシステムの場合は /etc/default/fs ファイル内に指定されたデフォルトを使用し、リモートファイルシステムの場合は/etc/dfs/fstypes ファイル内に指定されたデフォルトを使用して判断します。

汎用コマンドと専用コマンドのマニュアルページ

汎用コマンドと専用コマンドについては、『man pages section 1M: System Administration Commands』を参照してください。ファイルシステムの汎用コマンドのマニュアルページには、汎用コマンドオプションに関する情報だけが記載されています 。専用コマンドのマニュアルページには、該当するファイルシステムに固有のオプション情報が記載されています。特定のマニュアルページを見つけるには、汎用コマンド名の末尾にアンダースコアとファイルシステムタイプの略称を追加してください。たとえば、UFS ファイルシステムのマウントについてのマニュアルページを参照するには、次のように入力します。


$ man mount_ufs