Solaris のシステム管理 (基本編)

ダンプレベルを使用して増分バックアップを作成する

ufsdump コマンドで指定するダンプレベル (0-9) によって、どのファイルのバックアップが作成されるかが決まります。ダンプレベル 0 を指定すると、完全バックアップが作成されます。増分バックアップのスケジュール設定にレベル 1 から 9 までの番号が使用されますが、特に意味が定義されているわけではありません。レベル 1 から 9 は、累積バックアップまたは個別バックアップのスケジュール設定に使用する番号の範囲にすぎません。レベル 1 から 9 までが意味するのは、大小による相互関係だけです。

次の例で、1 から 9 までのレベルを使用する増分ダンプの手順を示します。

日単位累積バックアップのダンプレベル

累積増分バックアップを毎日実行するのが、最も一般に使用される方法で、ほとんどの場合に推奨できます。次の例で、毎日レベル 9 のダンプを使用し、金曜日にはレベル 5 のダンプを使用してプロセスを再開するスケジュールを示します。

図 45-1 増分バックアップ: 日単位累積

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前の例では、1 から 9 までの範囲内で他の番号を使用しても同じ結果が得られます。ポイントは、毎日同じ番号を使用し、金曜日にはそれより「小さい」番号を使用することです。たとえば、レベル 4、4、4、4、2 や 7、7、7、7、5 を指定してもかまいません。

日単位個別バックアップのダンプレベル

次の例で、1 日分の作業内容のみを別々のテープ上で保存するスケジュールを示します。この場合、月曜日から木曜日までは連続するダンプレベル番号 (3、4、5、6) を使用し、金曜日にはそれより小さい番号 (2) を使用します。

図 45-2 増分バックアップ: 日単位個別

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前の例では、連番 6、7、8、9 の次に 2 を使用しても、5、6、7、8 の次に 3 を使用してもかまいません。番号自体の意味は定義されていません。番号の大小に意味があることに留意してください。