この節では、Solaris 9 リースの新しい印刷機能について説明します。
これまでの Solaris リリースでは、システムにローカルプリンタが設定されているかどうかに関わらず、システムがブートすると、自動的に lpsched プロセスが起動しました。
今回の Solaris リリースでは、ローカルプリンタがシステムに追加されると、lpadmin コマンドが自動的に lpsched プロセスを起動し、ローカルプリンタが削除されると、プロセスを停止します。
この変更によって、印刷クライアントの側から、印刷サブシステムの使用方法や管理方法が変わることはありません。lpsched プロセスは、ローカルプリンタが設定されていないシステムでは実行しません。このことが、印刷や新しいプリンタの設定に影響することはありません。
Solaris プリンタマネージャを使用すると、SPARC システムまたは IA システムにUSB ポートで接続した USB プリンタをセットアップすることができます。
USB プリンタ用の新しい論理デバイス名は次のとおりです。
/dev/printers/[0...N]* |
プリンタサーバーに USB プリンタを追加する場合は、「新しいローカルプリンタを設定 (Add New Attached Printer)」の「プリンタポート (Printer Port)」画面から、これらの USB プリンタ用デバイスのいずれかを選択します。Solaris プリンタマネージャを使用してプリンタを設定する方法については、第 4 章「プリンタの設定手順 (手順)」を参照してください。
新しい Solaris USB プリンタドライバは USB プリンタクラス準拠のプリンタをすべてサポートします。推奨される PostScriptTM プリンタについては、usbprn(7D) のマニュアルページを参照してください。
usbprn ドライバは、GhostScript など Sun 社製以外の PostScript 変換パッケージを使用する PostScript 以外のプリンタでも使用できます。変換パッケージは Solaris Software Companion CD から入手できます。Solaris Software Companion CD の入手方法については、http://www.sun.com/software/solaris/binaries/package.html を参照してください。
USB プリンタのホットプラグインの詳細と注意事項については、usbprn(7D) のマニュアルページの「Notes」と「Diagnostics」の節を参照してください。
今回の Solaris リリースでは、次のネームサービスでプリンタ情報を管理することができます。
LDAP
NIS
NIS+
FNS を使用する NIS+
ファイル
LDAP ネームサービスでプリンタ情報を管理する場合は、次の事項に留意してください。
LDAP サーバが NetscapeTM ディレクトリサーバー (NSDS) の場合、デフォルトの識別名は cn=Directory Manager となります。LDAP サーバーが SunTM ディレクトリサーバーの場合、識別名は cn=admin, dc=xyz, dc=com のようになります。 Solaris プリンタマネージャは、 ldapclient コマンドを使用してデフォルトの LDAP サーバーを決めます。複数のサーバーが指定されている場合は、最初のサーバーが自動的に選択されます。詳細は、ldapclient(1M) のマニュアルページを参照してください。
Solaris プリンタマネージャは、常にプリンタエントリを現在の LDAP サーバーから表示します。ドメインの LDAP マスターサーバーでない場合は、表示されるプリンタのリストは、プリンタの現在のリストではないかもしれません。LDAP 複製サーバーはマスターサーバーによって更新されていないため、マスターと同期していないことがあるからです。複製サーバーは、さまざまな更新複製規約を持つことができます。たとえば、マスターに変更があった場合に、複製サーバーが直ちに更新されるようにしたり、一日に一回更新されるようにすることができます。
選択した LDAP サーバーが LDAP 複製サーバーである場合、あらゆる更新はマスターサーバーを参照し、そこで行われます。 これは、プリンタのリストがマスターと同期していないことを意味します。たとえば、複製がマスターから更新されるまで、削除したプリンタがプリンタリストに表示されたままになります。
ユーザーは、LDAP コマンド行ユーティリティ、ldapadd および ldapmodify を使用して、ディレクトリ内のプリンタエントリを更新できますが、これはお奨めしません。これらのユーティリティを使用する場合、ユーザーは printer-name 属性値が ou=printers コンテナ内で一意であることを確かめる必要があります。一意でない場合、Solaris プリンタマネージャや lpset コマンドによる修正の結果は、予測できないものとなります。