第 42 章 リモートシステムの利用 (概要)

ここでは、リモートファイルの利用について説明します。

FTP サーバーとは

FTP サーバーは wu-ftpd に基づいています。wu-ftpd は、元々は Saint Louis の Washington University で開発されましたものです。wu-ftpd は、インターネットでデータを一括配布するために広く使用されており、大規模な FTP サイトにおいて推奨標準として使用されています。ライセンス条項については、/var/sadm/pkg/SUNWftpu/install/copyright を参照してください。

リモートシステムとは

リモートシステムとは、物理ネットワークによってローカルシステムに接続され、TCP/IP 通信用に構成されたワークステーションまたはサーバーであることを前提としています。

Solaris 9 リリースのシステム上では、TCP/IP は起動時に自動的に構成されます。詳細については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』を参照してください。

Solaris 9 の FTP サーバーの新規機能

Solaris 9 の FTP サーバーには新規機能が追加され、パフォーマンスが向上しています。また、Solaris 8 の FTP ソフトウェアと互換性があります。

表 42-1 Solaris 9 の FTP サーバーの新規機能

機能	説明	参照先
ユーザーのタイプと場所によるユーザーの分類	ユーザーのタイプとユーザーのアドレスによって、ユーザーのクラスを定義できる	「FTP サーバークラスの定義方法」
クラスごとの制限	ftpaccess ファイルに設定されている制限にもとづいて、 同時ログインを許可されている、特定クラスのユーザー数を制御する	「ユーザーログインの制限を設定する方法」
システムおよびディレクトリ関連のメッセージ	特定のイベントを指示したことを示すメッセージを表示する	「ユーザーに送信するメッセージの作成方法」
ディレクトリごとのアップロードアクセス権	ファイルおよびディレクトリの作成やアクセス権など、FTP サーバーへのアップロードを制御できる	「FTP サーバーへのアップロードの制御方法」
ファイル名フィルター	アップロードするファイルの名前に使用できる英数字、文字列の順序を指定できる	「FTP サーバーへのアップロードの制御方法」
仮想ホストのサポート	単一の FTP サーバー上に複数のドメインをサポートするようにシステムを構成できる	「完全仮想ホスティングを有効にする方法」
コマンドのログ	実ユーザー、ゲストユーザー、匿名ユーザーの各 FTP ユーザーが実行したコマンドのログを記録できる	「FTP ユーザーにより実行されたコマンドの検査」
転送処理のログ	実ユーザー、ゲストユーザー、匿名ユーザーの各 FTP ユーザーが実行した転送処理のログを記録できる	ftpaccess(4)、xferlog(4)、in.ftpd(1M) のマニュアルページ
必要時の圧縮とアーカイブ	必要な時に ftpconversions ファイルに指定されている変換方法を使用して圧縮およびアーカイブができる	ftpconversions(4)、ftpaccess(4) のマニュアルページ

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注 -

Solaris 8 の /etc/default/ftpd は、Solaris 9 ではサポートされていません。Solaris 8 から Solaris 9 へのアップグレード中に、BANNER エントリおよび UMASK エントリは、 wu-ftpd 用の対応するエントリに変換されます。ただし、いくつかの BANNER 行は、ftpaccess の greeting 機能用に手作業で変換する必要があります。詳細は、ftpaccess(4) のマニュアルページを参照してください。

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注 -

Solaris 8 の FTP サーバーで提供されていたサブログイン機能は、 Solaris 9 の FTP サーバーではサポートされません。

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