プログラミングインタフェース

シグナルとプロセスグループ ID

SIGURGSIGIO の場合、各ソケットにはプロセス番号とプロセスグループ ID があります。前述の例のとおり、これらの値は 0 に初期化されますが、F_SETOWN fcntl(2) コマンドを使用すると、その後でも定義し直すことができます。fcntl(2) の 3 番目の引数が正の場合、ソケットのプロセス ID を設定します。fcntl(2) の 3 番目の引数が負の場合、ソケットのプロセスグループ ID を設定します。SIGURG シグナルと SIGIO シグナルの受信側として許可されるのは、呼び出し側のプロセスだけです。同様に、fcntl(2)、F_GETOWN は、ソケットのプロセス番号を返します。

また、ioctl(2) を使用してソケットをユーザーのプロセスグループに割り当てても、SIGURG SIGIO を受信できるように設定できます。

/* oobdata はルーチンを処理する帯域外データ */
sigset(SIGURG, oobdata);
int pid = -getpid();
if (ioctl(client, SIOCSPGRP, (char *) &pid) < 0) {
		perror("ioctl: SIOCSPGRP");
}

サーバープロセスで便利なシグナルとして、ほかに SIGCHLD が挙げられます。このシグナルは、任意の子プロセスがその状態を変更した場合にプロセスに配信されます。通常、サーバーはこのシグナルを使用して、明示的に終了を待機せずに、あるいは終了状態を周期的にポーリングせずに、終了した子プロセスの「リープ (取得)」を行います。たとえば、前述の例のリモートログインサーバーループは次のように拡張できます。


例 6–13 SIGCHLD シグナル

int reaper();
...
sigset(SIGCHLD, reaper);
listen(f, 5);
while (1) {
		int g, len = sizeof from;
		g = accept(f, (struct sockaddr *) &from, &len);
		if (g < 0) {
			if (errno != EINTR)
				syslog(LOG_ERR, "rlogind: accept: %m");
			continue;
		}
		...
}
 
#include <wait.h>
 
reaper()
{
		int options;
		int error;
		siginfo_t info;
 
		options = WNOHANG | WEXITED;
		bzero((char *) &info, sizeof(info));
		error = waitid(P_ALL, 0, &info, options);
}

親サーバープロセスがその子プロセスのリープに失敗する場合、ゾンビプロセスが生じます。