プログラミングインタフェース

appcert の確認項目

アプリケーションを調査するとき、appcert ユーティリティは次のことを確認します。

非公開シンボルの使用

非公開シンボルとは、Solaris ライブラリがお互いを呼び出すときに使用する関数またはデータのことです。非公開シンボルの意味論的な動作は変更されることがあり、ときには、削除されることもあります。このようなシンボルのことを「降格シンボル」と呼びます。非公開シンボルは変更されやすいので、非公開シンボルに依存しているアプリケーションには潜在的に安定性に問題があります。

静的なリンク

Solaris ライブラリ間で非公開シンボルを呼び出すとき、その意味論はリリースごとに変わる可能性があります。したがって、アーカイブに静的にリンクすると、アプリケーションのバイナリ安定性が低下します。この問題を回避するためには、このようなアーカイブに対応する共有オブジェクトファイルに動的にリンクすることが必要です。

非結合シンボル

アプリケーションを調査するとき、appcert ユーティリティは動的リンカーを使用してアプリケーションが使用するライブラリシンボルを解決します。このとき、動的リンカーが解決できないシンボルのことを「非結合シンボル」と呼びます。非結合シンボルの原因には、LD_LIBRARY_PATH 環境変数が正しく設定されていないなどの環境の問題があります。非結合シンボルの原因にはまた、コンパイル時に -l lib または -z のスイッチの定義を省略したなどの構築時の問題もあります。ただしこのような例はまれで、多くの場合 appcert ユーティリティが非結合シンボルを報告するときは、より深刻な問題が発生していることになります。