Solaris WBEM SDK 開発ガイド

付録 A WBEM のエラーメッセージ

この付録では、Solaris WBEM Services と Solaris WBEM SDK のコンポーネントが生成するエラーメッセージについて説明します。内容は次のとおりです。

WBEM のエラーメッセージ

CIM Object Manager によって、MOF コンパイラと CIM Workshop で使用されるエラーメッセージが生成されます。MOF コンパイラにより、.mof ファイルのどこでエラーが発生したかを示す行番号が、エラーメッセージに追加されます。


注 -

MOF コンパイラの詳細については、mofcomp(1M) のマニュアルページを参照してください。


エラーメッセージの構成

エラーメッセージは、次の要素から構成されます。


例 A-1 エラーメッセージの構成

MOF コンパイラは、次のようなエラーメッセージを返します。

REF_REQUIRED = Association class CIM_Docked needs at least two refs. 
Error in line 12.


エラーメッセージの一覧

この節では、WBEM エラーメッセージを、一意の識別子順に説明します。


ABSTRACT_INSTANCE

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは abstract クラスの名前に置換されています。

原因:

指定されたクラスにインスタンスが作成されましたが、このクラスは abstract クラスです。abstract クラスは、インスタンスを持つことができません。

対処方法:

concrete クラスにインスタンスを作成します。


CANNOT_ASSUME_ROLE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、ユーザー名に置き換えられます。

  • {1} は、役割名に置き換えられます。

原因:

指定された主体は、指定された役割を担えません。

対処方法:

ユーザーが指定された役割に適切な権限を持っているかどうかを確認します。ユーザーが適切な権限を持っていない場合、担当のシステム管理者にお問い合わせください。


CHECKSUM_ERROR

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

メッセージは、壊れているため送信できませんでした。この損傷は、送信中に誤って生じたか、あるいは第三者によって故意に壊された可能性があります。


注 -

このエラーメッセージは、CIM Object Manager が無効なチェックサムを受ける場合に表示されます。チェックサムは、ネットワーク上で転送されるデータパケットのビット数です。この数は、伝送が安全であり、送信中にデータの破損や意図的な変更がなかったことを情報の送信側と受信側が確認するために使用されます。

送信前に、データに対してアルゴリズムが実行されます。この実行により生成されたチェックサムがデータに含められ、データパケットのサイズを示します。メッセージを受信すると、受信者はチェックサムを再計算し、送信者のチェックサムと比較できます。チェックサムが一致すれば、送信は安全に行われ、データの破損や変更が起きなかったと言えます。


対処方法:

Solaris WBEM Services のセキュリティ機能を使用してメッセージを再送信します。Solaris WBEM Services のセキュリティについての詳細は、『Solaris WBEM Services 管理ガイド』の「セキュリティの管理 (手順)」を参照してください。


CIM_ERR_ACCESS_DENIED

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、動作を完了するための適切な特権およびアクセス権がユーザーにない場合に表示されます。

対処方法:

担当のシステム管理者または CIM Object Manager の管理者に、処理を行うための特権を要求します。


CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

例 1: CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

この場合には、エラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複したクラス名に置換されています。

原因:

作成しようとしたクラスに、既存のクラスと同じ名前が使用されています。

対処方法:

CIM Workshop で既存のクラスを検索して使用されているクラス名を確認し、一意の名前でクラスを作成します。

例 2: CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

この場合はパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複したインスタンス名に置換されています。

原因:

作成しようとしたクラスのインスタンスに、既存のインスタンスと同じ名前が使用されています。

対処方法:

CIM Workshop で既存のインスタンスを検索して、使用中の名前を確認し、一意の名前でインスタンスを作成します。

例 3: CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

この場合は、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複した名前空間名に置換されています。

原因:

作成しようとした名前空間に、既存の名前空間と同じ名前を使用します。

対処方法:

CIM Workshop で既存の名前空間を検索して使用されている名前を確認します。次に一意の名前を使用して名前空間を作成します。

例 4: CIM_ERR_ALREADY_EXISTS

説明:

この場合はパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは重複した修飾子型の名前に置換されています。

原因:

作成しようとした修飾子型に、変更されるプロパティの既存の修飾子型と同じ名前を使用します。

対処方法:

CIM Workshop でプロパティの既存の修飾子型を検索して使用されている名前を確認します。次に一意の名前を使用して修飾子型を作成します。


CIM_ERR_CLASS_HAS_CHILDREN

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはクラス名に置換されています。

原因:

この例外は、スーパークラスを削除することによってサブクラスが無効にならないように CIM Object Manager によってスローされます。クライアントは、まず明示的にサブクラスを削除する必要があります。クラスインスタンスの検査前にサブクラスが検査されます。

対処方法:

指定したクラスのサブクラスを削除します。


CIM_ERR_CLASS_HAS_INSTANCES

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはクラス名に置換されています。

原因:

インスタンスをもつクラスを削除しようとすると、この例外がスローされます。

対処方法:

指定したクラスのインスタンスを削除します。


CIM_ERR_FAILED

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはエラー状態と、考えられるその原因を説明したメッセージに置換されています。

原因:

このエラーメッセージは、さまざまなエラー状況に対して表示される一般的なメッセージです。

対処方法:

解決方法は、エラー状況によって異なります。


CIM_ERR_INVALID_PARAMETER

説明:

このエラーメッセージは、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは無効なパラメータ名に置換されています。

原因:

パラメータ名またはメソッド名が無効です。

対処方法:

パラメータを修正します。


CIM_ERR_INVALID_QUERY

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} が照会の無効部分に置換されています。

  • {1} は、照会の実際のエラーなどの追加情報に置換されています。

原因:

指定された照会には、構文エラーまたは意味上のエラーのいずれかが含まれます。

対処方法:

例外の詳細に基づいてエラーを修正します。また照会文字列と照会言語が一致することを確認してください。


CIM_ERR_INVALID_SUPERCLASS

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定されたスーパークラスの名前に置換されます。

  • {1} は、指定されたサブクラスが存在しないクラスの名前に置換されます。

原因:

あるスーパークラスのサブクラスに属するクラスが指定されましたが、そのスーパークラスは存在しません。指定されたスーパークラスにスペルミスがあるか、あるいは意図したスーパークラス名の代わりに存在しないスーパークラス名が指定されたことが考えられます。また、そのスーパークラスとサブクラスに変更があった可能性もあります。つまり、指定されたスーパークラスは、実際は指定されたクラスのサブクラスであるかもしれません。この例では、CIM_Container のスーパークラスとして CIM_Chassis が指定されていますが、CIM_ChassisCIM_Container のサブクラスです。

対処方法:

スーパークラスのスペルと名前が正しいか確認し、名前空間内にそのスーパークラスが存在することを確認します。


CIM_ERR_LOW_ON_MEMORY

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

CIM Object Manager のメモリー不足です。

対処方法:

クラス定義および静的インスタンスの一部を削除してメモリーを解放します。


CIM_ERR_NOT_FOUND

例 1: CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは存在しないクラス名に置換されています。

原因:

指定されたクラスが存在しません。指定されたクラスにスペルミスがあるか、あるいは意図したクラス名の代わりに誤って存在しないクラス名が指定されたことが考えられます。

対処方法:

クラスのスペルと名前が正しいか確認し、名前空間内にそのクラスが存在することを確認します。

例 2: CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

このインスタンスは、次の2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定されたインスタンス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたクラス名に置換されます。

原因:

インスタンスが存在しません。

対処方法:

インスタンスを作成します。

例 3: CIM_ERR_NOT_FOUND

説明:

このインスタンスはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは指定された名前空間名に置換されています。

原因:

指定された名前空間が見つかりません。このエラーは、入力ミスまたはスペルミスのために入力された名前空間名が正しくない場合に発生します。

対処方法:

名前空間名を入力し直し、入力とスペルが正しいことを確認します。


CIM_ERR_QUERY_LANGUAGE_NOT_SUPPORTED

説明:

このエラーメッセージは、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは無効な照会言語文字列に置換されています。

原因:

要求された照会言語は、CIM によって認識されません。

対処方法:

サポートされる照会言語を使用してください。


CLASS_REFERENCE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} パラメータは、参照関係を定義されたクラス名に置換されます。

  • {1} パラメータは、参照名に置換されます。

原因:

あるクラスに、そのクラスが参照を持つことを示すプロパティが定義されました。ただし、そのクラスは関連の一部ではありません。クラスが参照をプロパティとして持つことを定義できるのは、別のクラスとの関連がある場合だけです。

対処方法:

結合修飾子を追加するか、参照を削除します。


INVALID_DATA

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

セキュリティ認証データが無効か、使用中のセキュリティメカニズムと互換性がありません。

対処方法:

使用するセキュリティモジュールが正しく構成されているかどうか確認します。


INVALID_CREDENTIAL

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、無効なパスワードが入力された場合、またはクライアントアプリケーションの認証検査を含めるように CLASSPATH が設定されていない場合に表示されます。

対処方法:
  • 正しいパスワードを使用してください。

  • CLASSPATH に次のファイルが含まれていることを確認します。 /usr/sadm/lib/wbem/extension:/usr/sadm/lib/wbem/sunwbem.jar


INVALID_QUALIFIER_NAME

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは空の修飾子名を表す MOF 表記に置換されています。

原因:

プロパティの修飾子が作成されましたが、修飾子の名前が指定されませんでした。

対処方法:

修飾子を含めます。


KEY_OVERRIDE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} パラメータは、1 つまたは複数のキー修飾子を持つクラスを無効にする abstract クラス以外の名前に置換されます。

  • {1} パラメータは、キー修飾子を持つ concrete クラス名に置換されます。

原因:

非 abstract クラス、つまり concrete クラスによって、1 つまたは複数のキー修飾子を持つ concrete クラスをオーバーライドするようになっています。CIM では、すべての concrete クラスは 1 つ以上のキー修飾子を必要とし、キークラス以外のクラスはキーを持つクラスをオーバーライドできません。

対処方法:

非キークラスにキー修飾子を作成します。


KEY_REQUIRED

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはキーを必要とするクラス名に置換されています。

原因:

concrete クラスにキー修飾子が指定されませんでした。CIM では、concrete クラスと呼ばれる非 abstract クラスにはすべて、1 つ以上の修飾子が必要です。

対処方法:

クラスにキー修飾子を作成します。


METHOD_OVERRIDDEN

説明:

このエラーメッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、パラメータ {1} で示されるメソッドのオーバーライドを試みているメソッド名に置換されます。

  • {1} は、パラメータ {2} で示されるメソッドによってすでにオーバーライドされているメソッド名に置換されます。

  • {2} は、パラメータ {1} をオーバーライドしたメソッド名に置換されます。

原因:

3 つ目のメソッドによってすでにオーバーライドされている別のメソッドのオーバーライドを試みるメソッドが指定されました。いったんオーバーライドしたメソッドを再度オーバーライドすることはできません。

対処方法:

オーバーライドするには別のメソッドを指定します。


NEW_KEY

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、キーの名前に置換されます。

  • {1} は、新しいキーを定義しようとするクラス名に置換されます。

原因:

あるクラスが新しいキーを定義しようとしていますが、スーパークラス内にキーがすでに定義されています。スーパークラスにいったんキーが定義されると、サブクラスに新しいキーを設定することはできません。

対処方法:

新しいキーを定義しないでください。


NO_CIMOM

説明:

このエラーメッセージは、パラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは CIM Object Manager の実行ホストに指定されたホスト名に置換されています。

原因:

CIM Object Manager が指定されたホストで動作していません。

対処方法:

接続しようとするホストで CIM Object Manager が動作していることを確認します。そのホストで CIM Object Manager が動作していない場合は、CIM Object Manager が動作しているホストに接続します。


NO_EVENT_PROVIDER

説明:

イベントプロバイダが見つかりません。

原因:

プロパティプロバイダクラスが見つかりません。

対処方法:

CIM Object Manager のクラスパスにプロバイダクラスのパラメータ、プロバイダが定義された指示クラス、および Java プロバイダクラス名が含まれることを確認します。CIM Object Manager の Solaris プロバイダが設定されており、プロバイダ修飾子が正しいことを確認します。


NOT_EVENT_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

クラスパスに存在するプロバイダクラスが EventProvider インタフェースを実装していません。

対処方法:

プロバイダが正しいことを確認し、プロバイダ実装を登録します。


NO_INSTANCE_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、インスタンスプロバイダが見つからないクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたインスタンスプロバイダ名に置換されます。

原因:

指定されたインスタンスプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIM Object Manager のクラスパスに以下の 1 つまたは複数の項目が含まれていないことを示します。

  • プロバイダクラス名

  • プロバイダクラスのパラメータ

  • プロバイダが定義される CIM クラス

対処方法:

CIM Object Manager のクラスパスを設定します。CIM Object Manager の Solaris プロバイダが設定されており、プロバイダ修飾子が正しいことを確認します。


NO_METHOD_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、メソッドプロバイダが見つからないクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたメソッドプロバイダクラスの名前に置換されます。

原因:

指定されたメソッドプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIM Object Manager のクラスパスに以下の 1 つまたは複数の項目が含まれていないことを示します。

  • プロバイダクラス名

  • プロバイダクラスのパラメータ

  • プロバイダが定義される CIM クラス

対処方法:

CIM Object Manager のクラスパスを設定します。CIM Object Manager の Solaris プロバイダが設定されており、プロバイダ修飾子が正しいことを確認します。


NO_OVERRIDDEN_METHOD

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、{1} で示されるメソッドをオーバーライドしたメソッド名に置換されます。

  • {1} は、オーバーライドされたメソッド名に置換されます。

原因:

サブクラスのメソッドがスーパークラスのメソッドのオーバーライドを試みていますが、そのスーパークラスのメソッドはクラス階層に定義されていないため存在しません。

メソッドをオーバーライドすると、その実装と署名もオーバーライドされます。

対処方法:

スーパークラス内にそのメソッドが存在することを確認します。


NO_OVERRIDDEN_PROPERTY

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、{1} をオーバーライドしたプロパティ名に置換されます。

  • {1} は、プロパティをオーバーライドする名前に置換されます。

原因:

サブクラスのプロパティがスーパークラスのプロパティのオーバーライドを試みていますが、スーパークラスのプロパティはクラス階層に定義されていないため、存在しません。

対処方法:

スーパークラスにそのプロパティが存在することを確認します。


NO_PROPERTY_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、プロパティプロバイダが見つからないクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定されたプロパティプロバイダの名前に置換されます。

原因:

指定されたプロパティプロバイダの Java クラスが見つかりません。このエラーメッセージは、CIM Object Manager のクラスパスに以下の 1 つまたは複数の項目が含まれていないことを示します。

  • プロバイダクラス名

  • プロバイダクラスのパラメータ

  • プロバイダが定義される CIM クラス

対処方法:

CIM Object Manager クラスパスを設定します。接続しようとするホストで CIM Object Manager が動作していることを確認します。そのホストで CIM Object Manager が動作していない場合、CIM Object Manager が動作しているホストに接続します。


NO_QUALIFIER_VALUE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、要素 {1} を変更する修飾子の名前に置換されます。

  • {1} は、修飾子の参照先である要素です。{1} は、修飾子に応じて、クラス、プロパティ、メソッド、または参照のいずれかになります。

原因:

プロパティまたはメソッドに修飾子が指定されましたが、修飾子に値が含まれていません。たとえば、修飾子 VALUES には文字列配列を指定する必要があります。必要な文字列配列なしで VALUES 修飾子が指定されると、NO_QUALIFIER_VALUE のエラーメッセージが表示されます。

対処方法:

修飾子に必要なパラメータを指定します。各修飾子に必要な属性については、http://www.dmtf.org の DMTF CIM Specification を参照してください。


NO_SUCH_METHOD

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定されたメソッド名に置換されます。

  • {1} は、指定されたクラス名に置換されます。

原因:

指定されたクラスにメソッドが定義されなかったことが考えられます。指定されたクラスにメソッドが定義されている場合には、定義内でスペルミスまたは入力ミスにより別のメソッドが指定されている可能性があります。

対処方法:

指定されたクラスのメソッドを定義します。メソッド名とクラス名が正しく入力されているかを確認します。


NO_SUCH_PRINCIPAL

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは主体 (ユーザーアカウント) の名前に置換されています。

原因:

指定されたユーザーアカウントが見つかりません。ユーザー名の入力にスペルミスがあったか、あるいはそのユーザーにユーザーアカウントが設定されていません。

対処方法:

ログイン時にユーザー名を正しく入力します。そのユーザーにユーザーアカウントが設定されていることを確認します。


NO_SUCH_QUALIFIER1

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは未定義の修飾子の名前に置換されています。

原因:

新しい修飾子が指定されましたが、この修飾子は拡張スキーマの一部として定義されていません。特定のクラスのプロパティまたはメソッドに有効な修飾子として認識されるように、この修飾子を CIM スキーマまたは拡張スキーマの一部として定義する必要があります。

対処方法:

この修飾子を拡張スキーマの一部として定義するか、あるいは標準の CIM 修飾子を使用します。標準の CIM 修飾子と CIM スキーマの修飾子の使用法については、http://www.dmtf.org の DMTF CIM Specification を参照してください。


NO_SUCH_QUALIFIER2

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、修飾子が変更する、クラス、プロパティ、またはメソッドの名前に置換されます。

  • {1} は、見つからない修飾子の名前に置換されます。

原因:

特定のクラスのプロパティまたはメソッドを変更するために新しい修飾子が指定されましたが、その修飾子は拡張スキーマの一部として定義されていません。特定のクラスのプロパティまたはメソッドに有効な修飾子として認識されるように、この修飾子を CIM スキーマまたは拡張スキーマの一部として定義する必要があります。

対処方法:

この修飾子を拡張スキーマの一部として定義するか、あるいは標準の CIM 修飾子を使用します。標準の CIM 修飾子と CIM スキーマの修飾子の使用法については、http://www.dmtf.org の DMTF CIM Specification を参照してください。


NO_SUCH_ROLE

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは役割名に置換されています。

原因:

指定された役割が見つからないか、役割 ID ではありません。

対処方法:

入力した役割が存在するかどうか確認してください。役割が必要な場合は、担当のシステム管理者にお問い合わせください。


NO_SUCH_SESSION

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはセッション識別子に置換されています。

原因:

セッションが閉じているか、すぐあとに使用されます。

対処方法:

セッションを閉じないでください。


NOT_HELLO

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、hello メッセージ (CIM Object Manager に送信される最初のメッセージ) 内のデータが壊れている場合に表示されます。

対処方法:

このエラーメッセージに対しての解決方法はありません。Solaris WBEM Services のセキュリティ機能についての詳細は、『Solaris WBEM Services 管理ガイド』の「セキュリティの管理 (手順)」を参照してください。


NOT_INSTANCE_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、InstanceProvider インタフェースを定義しようとするインスタンス名に置換されます。

  • {1} は、InstanceProvider インタフェースを実装していない Java プロバイダクラスの名前に置換されます。指定されたクラスのインスタンスをすべて列挙するには、InstanceProvider インタフェースを実装する必要があります。

原因:

CLASSPATH 環境変数で指定されている Java プロバイダクラスのパスに、InstanceProvider インタフェースが実装されていません。

対処方法:

プロバイダが正しくプロバイダ実装を登録していることを確認します。


NOT_METHOD_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、MethodProvider インタフェースを定義しようとするメソッド名に置換されます。MethodProvider インタフェースが定義されると、指定されたメソッドがプログラム内で実装され、実行されます。

  • {1} は、MethodProvider インタフェースを実装していない Java プロバイダクラスの名前に置換されます。

原因:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが MethodProvider インタフェースを実装していません。

対処方法:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが MethodProvider インタフェースを実装していることを確認します。プロバイダを宣言するには、クラス定義に public Solaris implements MethodProvider を使用します。


NOT_PROPERTY_PROVIDER

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、PropertyProvider インタフェースを定義しようとするメソッド名に置換されます。PropertyProvider インタフェースは、指定されたプロパティの値の取得に使用されます。

  • {1}は、PropertyProvider インタフェースを実装していない Java プロバイダクラスの名前に置換されます。

原因:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが PropertyProvider インタフェースを実装していません。

対処方法:

クラスパスに存在する Java プロバイダクラスが PropertyProvider インタフェースを実装していることを確認します。プロバイダを宣言するには、クラス定義に public Solaris implements PropertyProvider を使用します。


NOT_RESPONSE

説明:

このエラーメッセージは、パラメータを使用しません。

原因:

このエラーメッセージは、CIM Object Manager からの最初の応答メッセージにあるデータが壊れている場合に表示されます。

対処方法:

このエラーメッセージに対しての解決方法はありません。Solaris WBEM Services のセキュリティ機能についての詳細は、『Solaris WBEM Services 管理ガイド』の「セキュリティの管理 (手順)」を参照してください。


PROPERTY_OVERRIDDEN

説明:

このエラーメッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、パラメータ {1} によって示されるプロパティをオーバーライドしようとするプロパティ名に置換されます。

  • {1} は、すでにオーバーライドされているプロパティ名に置換されます。

  • {2} は、パラメータ {1} で示されるプロパティをオーバーライドしたプロパティ名に置換されます。

原因:

別のプロパティによってすでにオーバーライドされているプロパティをオーバーライドしようとするプロパティが指定されました。いったんオーバーライドしたプロパティを再度オーバーライドすることはできません。

対処方法:

オーバーライドする別のプロパティを指定します。


QUALIFIER_UNOVERRIDABLE

説明:

このエラーメッセージは、次の 2 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、DisableOverride フレーバが設定されている修飾子の名前に置換されます。

  • {1} は、{0} によって無効になるように設定されている修飾子の名前に置換されます。

原因:

オーバーライドされた修飾子には、DisableOverride フレーバが設定されています。

対処方法:

この修飾子の特性を、EnableOverride または Override=True に設定し直します。


REF_REQUIRED

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはクラス名に置換されています。

原因:

関連を持つようにあるクラスが定義されましたが、参照が指定されていません。CIM では、関連は 1 つまたは複数の参照を含む必要があります。

対処方法:

参照を追加するか、関連修飾子を削除します。


SCOPE_ERROR

説明:

このエラーメッセージは、次の 3 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定された修飾子が変更するクラス名に置換されます。

  • {1} は、指定された修飾子の名前に置換されます。

  • {2} は、修飾子が変更する属性の種類に置換されます。

原因:

修飾子の種類の定義に準拠しない方法で修飾子が指定されました。[READ] 修飾子のスコープは、プロパティを変更するように [READ] 修飾子に指示する定義です。[READ] 修飾子がそのスコープの指示以外の方法で使用されると (たとえばメソッドを変更するように指定されるなど)、SCOPE_ERROR メッセージが返されます。


注 -

CIM は、CIM 修飾子が変更できる CIM 要素の種類を定義しています。修飾子の使用方法についてのこの定義は、修飾子のスコープと呼ばれます。ほとんどの修飾子は、プロパティまたはメソッド、あるいはこの両方の変更を指示するスコープを持ちます。また、ほとんどの修飾子は、パラメータ、クラス、関連、インジケーション、またはスキーマの変更を指示するスコープを持ちます。


対処方法:

指定された修飾子のスコープを確認します。CIM 修飾子の標準の定義については、http://www.dmtf.org の DMTF CIM Specification を参照してください。別の修飾子を使用するか、あるいは CIM 定義に従って修飾子を使用するようにプログラムを変更します。


TYPE_ERROR

説明:

このエラーメッセージは、次の 5 つのパラメータを使用します。

  • {0} は、指定された要素 (プロパティ、メソッド、修飾子など) の名前に置換されます。

  • {1} は、指定された要素が属するクラス名に置換されます。

  • {2} は、要素に定義されたデータ型に置換されます。

  • {3} は、割り当てられた値のデータ型に置換されます。

  • {4} は、割り当てられた実際の値に置換されます。

原因:

プロパティまたはメソッドのパラメータ値と、定義されたそのデータ型が一致しません。

対処方法:

プロパティまたはメソッドの値を、定義されたそのデータ型に一致させます。


UNKNOWNHOST

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータはホスト名に置換されています。

原因:

指定されたホストが呼び出されました。指定されたホストが使用できないか、あるいはこのホストが置かれていません。ホスト名にスペルミスがあるか、このホストコンピュータが別のドメインに移されたか、あるいはドメインに属するホスト名のリストに登録されていないか、システム状況が原因でそのホストが一時的に使用できない可能性があります。

対処方法:

ホスト名のスペルに入力ミスがないか確認します。ping コマンドを使用して、そのホストコンピュータが応答していること、そのホストのシステム状況を確認します。また、そのホストが指定されたドメインに属していることを確認します。


VER_ERROR

説明:

このエラーメッセージはパラメータ {0} を使用しますが、このパラメータは動作中のCIM Object Manager のバージョン番号に置換されています。

原因:

CIM Object Manager は、接続しようとしているクライアントのバージョンをサポートしていません。

対処方法:

サポートされているバージョンをインストールします。