IPQoS の管理

はじめに

IPQoS の管理』では、SolarisTM オペレーティング環境の IPQoS 機能を使用して、差別化サービスをネットワーク上で提供する方法について説明します。IPQoS を使用すると、さまざまなレベルのサービスをネットワークユーザーに提供できます。また、ネットワークトラフィックを管理することもできます。

対象読者

このマニュアルは、読者として、TCP/IP に関する詳細な知識を持つ熟練したシステム管理者を想定しています。主に、ネットワークのルーター管理を担当するか、その業務に精通している方を対象としています。また、サイトのネットワークトポロジ、ネットワーク使用に関する企業のポリシー、そしてできればネットワークセキュリティにも精通している必要があります。

内容の紹介

IPQoS の管理』には、次の章が含まれます。

第 1 章「IPQoS の紹介 (概要)」では、IPQoS 機能および IPQoS のベースとなる diffserv アーキテクチャに関する基本的な情報を提供します。

第 2 章「IPQoS 対応ネットワークの計画 (手順)」では、IPQoS 対応ネットワークトポロジの計画方法について説明します。この章では、予想される IPQoS システムを構築するためにサービス品質ポリシーを作成する際の計画手順についても説明します。

第 3 章「IPQoS 構成ファイルの作成 (手順)」では、サービス品質ポリシーに基づく IPQoS 構成ファイルの構築方法について説明します。

第 4 章「IPQoS の起動と保守(手順)」では、IPQoS の保守方法および追跡方法について説明します。

第 5 章「フローアカウンティングの使用と統計情報の収集 (手順)」では、IPQoS フローアカウンティングの構成方法、および kstat コマンドを使用した IPQoS 統計の表示方法について説明します。

第 6 章「IPQoS の詳細 (リファレンス)」では、IPQoS の各モジュールおよび IPQoS 構成ファイルに関する詳細な情報を提供します。

関連書籍

次の書籍は、差別化サービスアーキテクチャについて論じています。

Sun のオンラインマニュアル

docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system%

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

system% su

password:

AaBbCc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

sun% grep `^#define \
  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。