Solaris 9 インストールガイド

第 15 章 Solaris suninstall プログラムの使用

この章では、Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている Solaris suninstall プログラムを使用して Solaris ソフトウェアをインストールまたはアップグレードする方法について説明します。

Solaris suninstall プログラム

Solaris suninstall プログラムは CLI で実行できます。Solaris suninstall プログラムには、ローカルまたはリモートの CD-ROM ドライブまたはネットワーク接続、キーボード、およびモニターが必要です。Solaris suninstall プログラムは tip コマンドで実行できます。詳細は、tip(1) のマニュアルページを参照してください。


注 -

テキストを操作するとき、Control-U を使用するとページを上に移動し、Control-D を使用するとページを下に移動します。


Solaris suninstall プログラムによるインストールまたはアップグレード

Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている Solaris suninstall プログラムを使用すると、Solaris オペレーティング環境をシステムにインストールまたはアップグレードできます。Solaris suninstall プログラムでは、追加ソフトウェアをインストールできません。

次の CD を用意してください

作業マップ: Solaris suninstall プログラムを実行する

表 15-1 作業マップ: Solaris suninstall プログラムを実行する

作業 

説明 

参照先 

必要な情報を収集する 

チェックリストに従ってワークシートに記入しながら、Solaris ソフトウェアのインストールに必要なすべての情報を収集します。 

第 6 章「インストールやアップグレードの前に収集すべき情報」

(アップグレードのみ) システムをアップグレードするための準備をする 

システムのバックアップをとります。 

Solaris のシステム管理 (基本編)

(省略可能) システム構成情報を事前設定する 

sysidcfg ファイルまたはネームサービスを使用して、システムのインストール情報 (locale など) を事前設定します。システム情報をあらかじめ設定すると、インストール時に情報入力を求めるプロンプトは表示されません。

第 7 章「システム構成情報の事前設定」

(省略可能) ネットワークからインストールするためのシステムを設定する 

リモートの Solaris 9 SOFTWARE イメージからシステムをインストールする場合、インストールサーバーまたはブートサーバーからブートおよびインストールするようにシステムを設定する必要があります。 

第 12 章「CD メディアを使用してネットワークからインストールするための準備」

インストールまたはアップグレードを行う 

システムをブートし、プロンプトに従って Solaris ソフトウェアをインストールまたはアップグレードします。 

「Solaris suninstall プログラムを使用してインストールまたはアップグレードするには」

(アップグレードのみ) アップグレード後に必要な作業を行う 

アップグレードで失われたローカル変更がある場合は、それを復元します。 

「Solaris suninstall プログラムによるアップグレード後に必要な作業」

Solaris suninstall プログラムを使用してインストールまたはアップグレードするには

  1. CD-ROM ドライブとネットイメージのどちらを使用してソフトウェアをインストールするかを決定します。

    • CD-ROM ドライブを使用する場合、Solaris 9 SOFTWARE 1 of 2 CD を挿入します。

    • ネットインストールイメージを使用する場合、次の例のように、インストールメディアが入っているディレクトリに移動します。必要に応じて、ネットワーク管理者に場所をたずねてください。次にコマンド例を示します。


      % cd /net/install-svr/export/s9/sparc
      

  2. システムをブートします。

    • 新しく購入したばかり (未使用) のシステムの場合は、システムの電源を入れます。

    • 既存システムのインストールまたはアップグレードを行う場合は、システムをシャットダウンします。

      • ローカル CD からブートする場合は、次のように入力します。


        ok boot cdrom
        
      • ネットワーク上のインストールサーバーからブートする場合は、次のように入力します。


        ok boot net
        

    Solaris suninstall プログラムが始まります。

  3. システム構成の質問に答えます。

    すべてのシステム構成情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。

    システム構成情報の事前設定を行なっていない場合は、「インストール用のワークシート」または 「アップグレード用のワークシート」を参照して、システム構成の質問に答えます。

  4. 画面に示される手順に従って、Solaris ソフトウェアをシステムにインストールします。

    Solaris ソフトウェアのインストールが終了すると、システムは自動的にリブートするか、または手動でリブートするようにプロンプトが表示されます。

    インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。

    • /var/sadm/system/logs

    • /var/sadm/install/logs

  5. アップグレードを行なった場合は、保存されなかったローカル変更があればそれを復元します。詳細は、「Solaris suninstall プログラムによるアップグレード後に必要な作業」を参照してください。

  6. (省略可能) 追加のソフトウェアをインストールする方法は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

Solaris suninstall プログラムによるアップグレード後に必要な作業

アップグレードを行うと、Solaris suninstall プログラムは、既存システムに対して行なったローカルなソフトウェア変更と新しい Solaris ソフトウェアをマージします。ただし場合によっては、マージが行われないことがあります。したがって、システムのアップグレードが終了したら、保存されなかったローカル変更を復元しなければならない場合があります。


注意 - 注意 -

保存されなかったローカル変更を復元しないと、システムがブートされないことがあります。


アップグレード後にローカル変更を復元する方法

  1. 次のファイルの内容を確認して、Solaris suninstall プログラムによって保存されなかったローカル変更を復元する必要があるかどうかを判断します。

    /a/var/sadm/system/data/upgrade_cleanup

  2. 保存されなかったローカル変更があれば、復元します。

  3. リブートします。


    # reboot