新しいブート環境を作成するには、クリティカルなファイルシステムを他のスライスにコピーする必要があります。新しいブート環境を作成する前には、ディスクを準備する必要がある場合もあります。ディスクをチェックして、適切にフォーマットされていることを確認します。
スライスがファイルシステムをコピーできるだけの十分な大きさであることを確認します。
ブート環境間でコピーするのではなく、共有したいディレクトリが入っているファイルシステムを確認します。ディレクトリを共有したい場合、そのディレクトリを固有のスライスに配置して新しいブート環境を作成する必要があります。こうすることにより、ディレクトリは、将来のブート環境と共有可能なファイルシステムになります。 異なるファイルシステムを作成して共有する方法についての詳細は、「共有可能なファイルシステムのスライスを選択するための指針」を参照してください。
新しいブート環境を作成するには、まず、クリティカルなファイルシステムをコピーできる未使用のスライスが存在することを確認します。スライスが使用できないかあるいは最小限の要件を満たしていない場合は、新しいスライスをフォーマットする必要があります。メニューからスライスをフォーマットする手順については、「ブート環境を作成する (キャラクタインタフェース) 」の手順 6 を参照してください。
スライスを定義した後、ファイルシステムをディレクトリにコピーする前に、新しいブート環境上のファイルシステムを再構成できます。ファイルシステムを分割およびマージすることによってvfstab を簡単に編集でき、ファイルシステムを再構成することができます。ファイルシステムは、同じマウントポイントを指定して親ディレクトリにマージすることも、異なるマウントポイントを指定して親ディレクトリから分割することも可能です。
ファイルシステムを分割およびマージする手順については、次の節を参照してください。
非アクティブなブート環境でファイルシステムを構成した後は、自動コピーを開始します。クリティカルなファイルシステムは、指定された宛先ディレクトリにコピーされます。共有可能なファイルシステムは (それらの一部をコピーするように指定しない限り)、コピーされずに共有されます。ファイルシステムをアーカイブから非アクティブなブート環境にコピーする時、ファイルは新しく定義されたディレクトリにコピーされるので、アクティブなブート環境は変更されません。新しいブート環境の作成手順については、「新しいブート環境の作成」を参照してください。
次の図に、さまざまな方法で新しいブート環境を作成する例を示します。
図 30-1 に、クリティカルなファイルシステムのルート (/) を同じまたは別のディスク上のスライスにコピーして、新しいブート環境を作成する方法を示します。アクティブなブート環境は、既存のスライス上にルート (/) を持っています。新しいブート環境は、新しいスライス上にルート (/) の複製を持っています。ファイルシステム /swap および /export/home はアクティブなブート環境と非アクティブなブート環境で共有されます。
図 30-2 に、クリティカルなファイルシステムを同じまたは別のディスク上の複数のスライスに分割およびコピーして、新しいブート環境を作成する方法を示します。アクティブなブート環境は、既存のスライス上にルート (/) を持っています。このスライスでは、ルート (/) 内に、/usr、/var、および /opt ディレクトリがあります。新しいブート環境では、ルート (/) は分割され、/usr と /opt は別のスライスに配置されています。ファイルシステム /swap と /export/home は両方のブート環境で共有されます。
図 30-3 に、クリティカルなファイルシステムをマージし、同じまたは別のディスク上のスライスにコピーして、新しいブート環境を作成する方法を示します。アクティブなブート環境では、ルート (/)、 /usr、/var、および /opt がそれぞれ別のスライス上にあります。新しいブート環境では、/usr と /opt はルート (/) と同一のスライス上にマージされます。ファイルシステム /swap と /export/home は両方のブート環境で共有されます。