新しいブート環境にアップグレードを行なったりフラッシュアーカイブを使ってインストールを行う場合、そのデバイスは物理スライスでなければなりません。Solaris ボリュームマネージャメタデバイスか Veritas ファイルシステム (VxFS) ボリュームにマウントされているファイルシステムがそのブート環境にあると、アップグレードまたはフラッシュアーカイブのインストールは失敗します。そのようなブート環境でアップグレードやフラッシュアーカイブのインストールを行う場合は、すべてのスライスが物理ディスクスライスになるようにブート環境を手動で変更する必要があります。lucreate コマンドを使って別のブート環境を作成することも、メタデバイスやボリュームを削除することもできます。
lucreate コマンドを使って別のブート環境を作成する場合は、ブート環境のコピーを物理ディスクスライスに格納します。たとえば、現在のブート環境のディスク構成賀次のようになっているとします。
ルート (/) |
/dev/md/dsk/d10 にマウントされている |
/usr |
/dev/md/dsk/d20 にマウントされている |
/var |
/dev/dsk/c0t3d0s0 にマウントされている |
空きスライス |
c0t4d0s0 |
空きスライス |
c0t4d0s3 |
空きスライス |
c0t4d0s4 |
この場合、次の lucreate コマンドを使ってブート環境を物理ディスクスライスにコピーします。これで、ブート環境は、アップグレードやフラッシュアーカイブを用いたインストールを行える状態になります。この例では、現在のブート環境の名前が currentBE、新しいブート環境の名前が nextBE であるとします。
# lucreate -s currentBE -n nextBE -m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs \ -m /usr:/dev/dsk/c0t4d0s3:ufs -m /var:/dev/dsk/c0t4d0s4:ufs |
これで、新しいブート環境に対してアップグレードやフラッシュアーカイブを用いたインストールを行い、それをアクティブ化し、さらに手動で再ミラー化またはカプセル化することができます。
メタデバイスやボリュームを手動で削除する場合は、次のようにします。
ブート環境を手動でマウントします。
/etc/vfstab ファイルを編集して、すべてのメタデバイスやボリュームを物理ディスクスライスイに変更します。
Solaris ボリュームマネージャまたは Veritas ソフトウェアを使ってメタデバイスまたはボリュームを削除します。
ブート環境をマウント解除します。