install_mu および backout_mu 実行時に画面に表示されるメッセージには、すべてのエラーが含まれているとは限りません。詳細ログファイルを調べて、インストールされなかったりバックアウトされなかったりしたパッチやパッケージについての、追加情報がないかどうか確認してください。
# more /var/sadm/install_data/log_file.mu_version_name.date_time |
上記の例で、引数の各部分の意味は次のとおりです。
log_file は、完了したプロセスのログファイル名。インストールの場合は、Maintenance_Update_log となる。バックアウトの場合は、MU_Backout_log となる
mu_version_name は、MU のバージョン。MU1 の場合は Solaris_9MU1 となる
date_time は、date +%y%m%d%H%M%S からコピーされた指定日時 (yyyymmddHHMMSS)
/var/sadm/install_data/log_file は最新の MU ログファイルへのシンボリックリンクです。
エラーメッセージにはエラーの内容だけが表示され、エラーコード番号は表示されません。ただし、install_mu または backout_mu を呼び出すスクリプトを書く際には異常終了時の戻り値が必要になるため、この章の説明ではエラーコード番号を記載しています。
signal detected.
install_mu (backout_mu) is terminating.
説明と対処方法 : (エラーコード 1) Control-C が押されて、install_mu (または、backout_mu) に割り込みが発生しました。プログラムを起動し直してください。install_mu を起動し直した場合は、割り込み発生以前に適用したパッチについてのエラーメッセージがログファイルに現れるようになります。これらのエラーメッセージは無視してください。
install_mu (backout_mu) is unable to find the INST_RELEASE file for the target file system. This file must be present for install_mu (backout_mu) to function correctly.
説明と対処方法 : (エラーコード 2) システム内に /var/sadm/system/admin/INST_RELEASE が見つかりません。システムが壊れています。システムを再インストールする必要があります。
ERROR: Cannot find $xcommand which is required for proper execution of install_mu (backout_mu).
説明と対処方法 : (エラーコード 3) install_mu および backout_mu を実行するには、特定のシステムユーティリティ (たとえば、awk、sed、grep) が /usr/bin ディレクトリおよび /usr/sbin ディレクトリに必要です。これらのユーティリティの 1 つがありません。システム管理者に問い合わせてください。
The -B and -d arguments are mutually exclusive.
説明と対処方法 : (エラーコード 4) -d オプションを使用すると、バックアウトデータは保存されません。-B オプションは、バックアウトデータを保存するディレクトリを指定します。これら 2 つのオプションは一緒に使用できません。どちらか 1 つのオプションだけで、install_mu を起動し直してください。
The -p parameter must be a directory. $uPATCHDIR is not a directory.
説明と対処方法 : (エラーコード 5) -p オプションに指定した引数が有効なディレクトリではありません。有効なディレクトリを -p オプションに指定して、install_mu (または、backout_mu) を起動し直してください。
The -B parameter must be a directory. $1 is not a directory.
説明と対処方法 : (エラーコード 6) -B オプションに指定した引数がディレクトリではありません。有効なディレクトリを -B オプションに指定して、install_mu (または、backout_mu) を起動し直してください。
Permissions on backout directory $BACKOUTDIR not adequate.
説明と対処方法 : (エラーコード 7) -B オプションに指定した引数が書き込み可能なディレクトリではありません。システム管理者に問い合わせてください。
Invalid option.
説明と対処方法 : (エラーコード 10) 指定したオプションを認識できません。表示された使用方法を読んで、install_mu (または、backout_mu) を起動し直してください。
Can't write to Log File: $LOGFILE
説明と対処方法 : (エラーコード 11) install_mu と backout_mu は、そのログを /var/sadm/install_dataディレクトリに書き込みます。 この install_data ディレクトリが書き込み可能かどうかを確認して install_mu (または、backout_mu) を起動し直してください。
SUNWcar (core architecture root) package does not exist in /var/sadm/pkg.
説明と対処方法 : (エラーコード 12) /var/sadm/pkg/SUNWcar ディレクトリがシステムに存在しません。システムが壊れています。システム管理者に問い合わせてください。
install_mu (backout_mu) only supports the sparc architecture. install_mu (backout_mu) has detected ARCH= $LPROC
説明と対処方法 : (エラーコード 13) SPARCアーキテクチャ以外のシステム上で install_mu (または backout_mu) を実行しました。SPARC プラットフォーム上で、install_mu (または backout_mu) を起動し直してください。
-p parameter does not point to a directory containing a .order file. Looked in $uPATCHDIR and in $uPATCHDIR/MU/sparc/Patches.
説明と対処方法 : (エラーコード 14) install_mu は指定されたディレクトリで .order ファイルを見つけることができませんでした。.order はパッチインストール順序を決めるために必要なファイルです。install_mu は、$path_you_specified および $path_you_specified/MU/sparc/Patches 内を検索しました。.order ファイルが存在することを確認して、install_mu を起動し直してください。
install_mu cannot locate patch order (.order) file. Paths searched: ./sparc/Patches, MU/sparc/Patches, ./$uPATCHDIR/MU/sparc/Patches.
説明と対処方法 : (エラーコード 15) パッチディレクトリを特定する -p オプションが install_mu (または、backout_mu) に指定されていないので、install_mu (または、backout_mu) はパッチディレクトリを見つけることができません。-p オプションを指定して、install_mu (または、backout_mu) を起動し直してください。
You must be root to execute this script.
説明と対処方法 : (エラーコード 16) install_mu (または、backout_mu) を実行するには、root 権限が必要です。これは、root ユーザーだけがパッチを適用および削除できるからです。root としてプログラムを起動し直してください。
install_mu (backout_mu) can only patch version 2.9 systems. Target system is version $TrgOSVers.
説明と対処方法 : (エラーコード 17) Solaris 9 が稼働していないシステムにパッチを適用しようとしてinstall_mu を実行しました。または、Solaris 9 が稼働していないシステムからパッチをバックアウトしようとして backout_mu を実行しました。install_mu および backout_mu は、Solaris 9 が稼働しているシステム上で実行してください。
Not enough disk space to apply entire patch set.
説明と対処方法 : (エラーコード22) install_mu がシステムを解析した結果、1 つまたは複数のファイルシステムで、パッチセット全体をインストールするのに十分なディスク容量がないことが判明しました。不足していると報告されたファイルシステムの空きディスク容量を増やして、install_mu を起動し直してください。MU1 を適用するのに十分なディスク容量があるとわかっている場合は、-f オプションを指定して install_mu を起動し直してください。
Not enough disk space to save patch backout data.
説明と対処方法 : (エラーコード 23) install_mu がシステムを解析した結果、パッチのバックアウトデータを保存するのに十分なディスク容量がバックアウトディレクトリにないことが判明しました。十分なディスク容量を持つバックアウトディレクトリを選択して、install_mu を起動し直してください。バックアウトディレクトリに十分なディスク容量があるとわかっている場合は、-f オプションを指定して install_mu を起動し直してください。
Dry run disk space check failed.
説明と対処方法 : (エラーコード 24) install_mu は特別なオプションを指定して pkgadd を呼び出し、十分なディスク容量があるかどうかを検査します。/ または /var のディスク容量が極端に少ないか、システムが壊れている可能性があるため、pkgadd が異常終了しました。システム管理者に問い合わせてください。
The -f and -D options are mutually exclusive.
説明と対処方法 : (エラーコード 25) install_mu に-f オプションを指定すると、ディスク容量の事前計算を省略します。-D オプションを指定すると、その事前計算だけを行います。どちらか一方のオプションを選択してください。
Cannot find state file. Looked for a file of the form /var/sadm/install_data/.mu_state.{ $root_or_usr.date_time}.
説明と対処方法 : (エラーコード 27) backout_mu は、バックアウトするパッチを調べるために、install_mu によってインストールされたパッチのリストが入っているファイルを必要とします。このファイルがない場合、backout_mu は機能しません。