Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

制御エントリ

データファイルで制御エントリの行だけは標準 RR 書式に従わない行です。制御エントリには、$INCLUDE()$ORIGIN() の 2 つのタイプがあります。

$INCLUDE

インクルード行は 1 列目の $INCLUDE で始まり、その後にファイル名 ($INCLUDE ファイル) が続きます。次の例に示すように、この機能は異なるタイプのデータを複数のファイルに分けるのに特に便利です。


$INCLUDE /etc/named/data/mailboxes

この行は、/etc/named/data/mailboxes ファイルを読み込む要求として解釈されます。$INCLUDE コマンドでは、異なるゾーンまたはツリーにデータは読み込まれません。このコマンドを使用しても、あるゾーンのデータが別々のファイルに格納されるだけです。たとえば、メールボックスのデータはこの機能を使ってホストデータとは別に保存できます。

$INCLUDE の文とファイルは必要に応じて必要な数だけ使用できます。

$ORIGIN()

$ORIGIN コマンドによって、データファイル内の起点を変更できます。この行は 1 列目から始まり、ドメイン名が続きます。これによって、相対ドメイン名 (たとえば、完全指定されていないドメイン名) の現在の起点を指定の名前に変更します。これは、1 つのデータファイルに複数のドメインを入れるのに便利です。


注 -

1 つのデータファイルに複数のゾーンを入れるために $ORIGIN() を使うことはできません。


$ORIGIN コマンドは、必要に応じて必要な数だけデータファイルで使用できます。$ORIGIN() 文がない場合、DNS データファイルのデフォルトの起点は、named.conf ファイルの master または slave の各行の 2 番目のフィールドに指定されているドメイン名となります。