Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

メール交換 (MX)

例 5-33 に、メール交換 MX リソースレコードの構文を示します。


例 5-33 MX レコードの書式


name [optional TTL] class	MX preference-value mailer-exchanger

MX リソースレコードは、あるドメインまたはドメイン内の特定のマシンにメールを配信するマシンを指定するために使用します。対象としている名前に対して複数の MX リソースレコードが作成される場合もあります。例 5-34では、Seismo.CSS.GOV (完全指定のドメイン名) は、Munnari.OZ.AU にメールを配信するメールゲートウェイです。ネットワーク上の他のマシンは、Munnari に直接メールを配信できません。SeismoMunnari は、専用接続を持っている場合も、異なるトランスポート媒体を使用している場合もあります。preference-value フィールドでは、メールプログラムが従う順序を指定します。このフィールドは、単一のマシンにメールを配信する方法が複数ある場合に指定します。値が 0 (ゼロ) は最優先であることを意味します。同じ名前に対して複数の MX リソースレコードがある場合、そのレコードの優先値 (preference-value) は同じであることも、同じでないこともあります。

メールを配信するために、MX レコードでワイルドカードであるアスタリスク ( *) を名前に使うこともできます。あるドメイン宛のメールがすべてリレー経由で配信されるサーバーがネットワーク上にはよくあります。例 5-34では、foo.com ドメイン内のホスト宛のメールはすべて RELAY.CS.NET を経由して送られます。これを指定するには、ワイルドカードを用いて MX リソースレコードを作成し、*.foo.com のメール交換が RELAY.CS.NET. により行われることを指定します。アスタリスクは foo.com のどのホストまたはサブドメインにも一致します。ただし、foo.com 自体には一致しません。


例 5-34 MX リソースレコードの例


;name	 	[TTL]	class		MX	 preference mailer-exchanger
Munnari.OZ.AU.	IN		MX	 0	Seismo.CSS.GOV.
foo.com.		IN		MX	 10	RELAY.CS.NET.
*.foo.com.	IN		MX	 20	RELAY.CS.NET.