Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

ログインできない

LDAP クライアントは、ログイン時に pam(3) モジュールを使用してユーザーを認証します。UNIXTM 標準の PAM モジュールでは、パスワードをサーバーから読み込みクライアント側で検査します。この動作は、次のいずれかの理由で失敗する場合があります。

  1. /etc/nsswitch.conf ファイル内の passwd サービスが ldap を使用しない

  2. プロキシエージェントが、サーバーリスト上のユーザーの userPassword 属性を読み取ることができない。プロキシエージェントが比較のためにパスワードをクライアントに返すので、少なくともプロキシエージェントはパスワードを読めなければならない。pam_ldap に関しては、パスワードへの読み取りアクセスを必要としない

  3. プロキシエージェントが適切なパスワードを保持していない

  4. 該当するエントリに shadowAccount オブジェクトクラスが定義されていない

  5. ユーザーの定義済みパスワードが存在しない

    ldapaddent を使用する場合、 -p オプションを使用してパスワードをユーザーエントリに確実に追加する必要があります。ldapaddent-p オプションなしで実行した場合、ldapaddent を使用して /etc/shadow ファイルを追加しない限り、ユーザーのパスワードはディレクトリに格納されません。

  6. どの LDAP サーバーにもアクセスできない

    サーバーの状態を確認します。

    # /usr/lib/ldap/ldap_cachemgr -g

  7. pam_conf の構成が不正である

  8. LDAP 名前空間でユーザーが定義されていない

  9. pam_unixNS_LDAP_CREDENTIAL_LEVEL anonymous に設定されており、匿名ユーザーが userPassword 属性を使用できない

  10. パスワードが crypt 形式で格納されていない