Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

NIS+ サーバーの設定

初期設定が終了したら、どのクライアントマシンも次の NIS+ サーバーに変更できます。


注 –

NIS+ マスタールートサーバーは 1 つしか持てません。ルート NIS+ サーバーは特殊な NIS+ サーバーです。この節ではルートマスターサーバーの構成方法は説明しません。詳細は、NIS+ ルートサーバーの設定を参照してください。


サーバーを構成する場合、次の 3 つの設定があります。

サーバーとその複製は、NIS 互換についての設定が同じでなければなりません。設定が異なる場合、ネットワーク情報を受信するために NIS 互換の設定を必要とするクライアントは、必要なサーバーまたは複製サーバーを使用できなければ、この情報を受信できません。

この例では、マシン client1 がサーバーに変更されます。この手順では、NIS+ スクリプトの代わりに NIS+ コマンド rpc.nisd を使用します。

rpc.nisd を実行するための前提条件

rpc.nisd を実行するには、次の条件が必要です。

必要な情報

サーバーに変換するクライアントのスーパーユーザーパスワードが必要です。

クライアントを NIS+ サーバーとして構成する方法

クライアントをサーバーとして構成するには、次の手順のどれかを実行します。この手順では、サーバーと同じ名前のディレクトリを作成し、サーバーの初期設定ファイルを作成します。これらは /var/nis に置かれます。


注 –

同じドメイン内のすべてのサーバーは、NIS 互換の設定が同じでなければなりません。たとえば、マスターサーバーが NIS 互換である場合、その複製も NIS 互換でなければなりません。


NIS と互換性のない NIS+ サーバーを構成する方法

  1. NIS と互換性のないサーバーを構成するには、次のコマンドを入力します。


    client1# rpc.nisd

NIS と互換性のある NIS+ サーバーを構成する方法

  1. サーバーの /etc/init.d/rpc ファイルを編集して、文字列 -EMULYP=”-Y” を含む行のコメントアウトを解除して有効にします。

    コメントアウトを解除するには、行の先頭から # を削除します。

  2. スーパーユーザーとして、次のように入力します。


    client1# rpc.nisd -Y

NIS との互換性と DNS 転送機能を備えた NIS+ サーバーを構成する方法

次の手順を実行して、DNS 転送機能と NIS+ との互換性の両方の機能を備えた NIS+ サーバーを構成します。SunOS 4.x クライアントをサポートするには、両方の機能が必要です。

  1. サーバーの /etc/init.d/rpc ファイルを編集します。文字列 -EMULYP=”-Y” を含む行のコメントアウトを解除 (行の先頭から # を削除) して有効にします。

    コメントアウトを解除するには、行の先頭から # を削除します。

  2. 上の行の引用符で囲まれた中に次のように -B を追加します。

    次のようになります。

    -EMULYP=”-Y -B”

  3. 次のコマンドをスーパーユーザーとして入力します。


    client1# rpc.nisd -Y -B

    これで、このサーバーはドメインのマスターまたは複製として指定できます。

サーバーの追加作成

これまでのクライアントをサーバーに変更する手順を、必要なクライアントマシンごとに繰り返します。

この章で説明する NIS+ サンプルドメインは、3 台のクライアントをサーバーに変更すると想定しています。そして、サーバーの 1 台をルート複製サーバーに、もう 1 台を新しいサブドメインのマスターに、そして 3 台目を新しいサブドメインのマスターの複製に構成します。