Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

NIS+ コマンドを使って複製サーバーを構成する方法

この例では、マスターサーバー名を master1、新しい複製サーバー名を replica2 とします。

  1. ドメインのマスターサーバーにログインします。

  2. rpc.nisd が稼働中であることを確認します。

  3. ドメインに複製サーバーを追加します。

    nismkdir コマンドに -s オプションを付けて実行します。次の例では、doc.com. ドメインに replica2 という名前の複製サーバーマシンを追加します。


    master1# nismkdir -s replica2 doc.com. 
    master1# nismkdir -s replica2 org_dir.doc.com. 
    master1# nismkdir -s replica2 groups_dir.doc.com.

    すでに存在するディレクトリオブジェクトに nismkdir コマンドを実行すると、ディレクトリは再作成されずに、与えられたフラグに基づいてディレクトリが変更されます。この場合、-s フラグはドメインに追加する複製サーバーを割り当てます。複製サーバーが追加されたことを確認するには、niscat -o コマンドを実行して、ディレクトリオブジェクトの定義を調べます。


    注意 – 注意 –

    nismkdir コマンドは必ずマスターサーバー上で実行してください。複製サーバー上で nismkdir コマンドを実行すると、マスターサーバーと複製サーバーとの間で通信上の問題が生じます。


    これで新しい複製サーバーの構成は完了です。次は、構成した複製サーバーに NIS+ データセットをロードします。NIS+ データセットのロードには、2 通りの方法があります。

    • nisping」。何もしなければ、マスターサーバーによって nisping コマンドが実行され、該当する名前空間データが新たに構成された複製サーバーにロードされます。名前空間が大きい場合は、データのロードに時間がかかることがあります。データのロード中は、ネーミング情報の要求は遅延することがあります。詳細は、nisping を使ってデータを複製サーバーにロードするを参照してください。

    • 「バックアップと復元」。nisping によるデータ転送に割り込みをかけ、NIS+ のバックアップ機能と復元機能を使って、名前空間データを新たに構成した複製サーバーにロードできます (nisrestore を使ってデータを複製サーバーにロードするを参照)。他の方法に比べて格段に早く効率的なので、こちらの方法をお勧めします。