Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

オブジェクトとエントリの所有権の変更

nischown コマンドは、1 つ以上のオブジェクトまたはエントリの所有者を変更します。このコマンドを使用するには、オブジェクトまたはエントリに対する変更権が必要です。テーブルの列の所有者はテーブルの所有者であるため、nischown コマンドでは列の所有者を変更できません。列の所有者を変更するには、テーブルの所有者を変更する必要があります。

nischown コマンドを使用してオブジェクトの所有者を変更する

オブジェクトの所有者を変更するには、次のように入力します。


nischown new-owner object

引数の意味は、それぞれ以下のとおりです。

オブジェクト名と新規所有者名にドメイン名を必ず追加します。

次の例は、doc.com. ドメイン内の hosts テーブルの所有者を、ホームドメインが doc.com. でユーザー名 lincoln であるユーザーに変更するものです。


client% nischown lincoln.doc.com. hosts.org_dir.doc.com.  

nischown コマンドを使用してテーブルエントリの所有者を変更する

テーブルエントリの所有者を変更する構文は、エントリを特定するのにインデックス付きエントリを使います。次に例を示します。この構文の詳細については、オブジェクトとテーブルエントリの構文を参照してください。


nischown new-owner [column=value,...],  tablename 

引数の意味は、それぞれ以下のとおりです。

所有者名とテーブル名にドメイン名を必ず追加します。

次の例は、doc.com. ドメインのホストテーブル内のエントリの所有者を、ホームドメインが doc.com. であるユーザー takeda に変更するものです。そのエントリの name 列の値は virginia です。


client% nischown takeda.doc.com. '[name=virginia],hosts.org_dir.doc.com.'