Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

nisrestore を使用して NIS+ 名前空間を復元する

nisrestore コマンドによって、nisbackup を使用して作成したバックアップファイル内に格納されたデータと一致する NIS+ ディレクトリオブジェクトが再現されます。このコマンドを使用すると、NIS+ サーバーの復元、壊れたディレクトリオブジェクトの置換、または新しい NIS+ サーバーに NIS+ データを読み込めます。

nisrestore を実行するための前提条件

nisrestore を使用するには、nisrestore から NIS+ データを受け取るマシンは、NIS+ サーバーとして設定されている必要があります (NIS+ サーバーの設定の詳細については、第 4 章「スクリプトを使用した NIS+ の設定」を参照)。つまり、次の設定が行われていなければなりません。


注意 – 注意 –

上記の 3 つの前提条件への追加条件として、マシン上で rpc.nisd デーモンを実行しないでください。rpc.nisd デーモンを実行する場合は、rpc.nisd を消去してから nisrestore を実行してください。


nisrestore の構文

nisrestore コマンドでは、次の構文を使用します。


nisrestore [-fv][-a][-t] backupdir [directory_objects]

引数の意味は、それぞれ以下のとおりです。

nisrestore コマンドには、以下のオプションを指定できます。

表 21–2 nisbackup コマンドのオプション

オプション 

種類 

-a

すべて。バックアップディレクトリ内に入っている NIS+ ディレクトリオブジェクトをすべて復元する 

-f

サーバーが、ディレクトリオブジェクトのサーバーリストに記載されているかどうかを検査せずに、強制的に復元を行う。このオプションは、ルートマスターサーバーを復元する時、または「オブジェクトを検出できません」といった種類のエラーを受け取った場合に使用する必要がある 

-v

冗長モード。このモードは、追加情報を出力する 

-t

このオプションを使用すると、バックアップディレクトリ内に格納された NIS+ ディレクトリオブジェクトがすべて表示される。オブジェクトの復元は行われない 

nisrestore を使用する

NIS+ バックアップファイルから NIS+ データを復元するには、nisrestore コマンドを使用します。

たとえば、org_dir.doc.com. ディレクトリオブジェクトを replica1 サーバーに復元する場合は、スーパーユーザーになって replica1 にログインします。で説明した前提条件が満たされていることを確認してから、以下のように nisrestore を実行します。


replica1# nisrestore /var/master1_bakup org_dir.doc.com. 

nisrestore には、以下の項目が適用されます。


master1# nisrestore -f -a /var/master1_bakup