Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

第 3 段階 - NIS+ 名前空間を十分に稼働させる

  1. クライアントを NIS+ に移行します。

    一度に 1 つのワークグループのクライアントを移行して、1 つのサブネット内のワークグループをすべて移行してから、他のサブネットでの移行を行います。このように、1 つのサブネット内のクライアントをすべて移行したら、そのサブネット上の NIS サービスを削除することができます。各クライアントを移行したら、検査スクリプトを実行して、移行が正しく行われたことを確認します。この検査スクリプトは、ユーザーに対して、問題とその問題の報告に役立つサポート形態を通知します。実際に必要な手順は、サイトによって異なります。

    nisclient スクリプトを使用して、NIS クライアントを NIS+ クライアントに移行します。クライアントの DNS 構成を変更する必要がある場合は、独自のスクリプトを作成して、その処理を自動化しなければなりません。

    /usr/local のような共有の、マウントされるディレクトリがサイトにあれば、時間を節約することができます。このディレクトリにスクリプトを置いて、移行時に、このスクリプトをスーパーユーザーとして実行するよう依頼する電子メールをクライアントに送ることができます。

  2. クライアントの移行中、移行の状況を監視します。

    計画と突き合わせて進行状況を追跡し、計画段階では予測できなかった重大な問題がないかを監視します。状況を通知して、関係するグループがそれを追跡できるようにします。

  3. NIS サーバーを削除します。

    サブネット上のすべてのクライアントが NIS+ に移行されたら、NIS サーバーを削除します。特定のサブネットに、NIS サービスを必要とするクライアントがある場合は、NIS+ サーバーの NIS 互換モード機能を使用します。NIS サーバーをそのままにしないでください。

  4. NIS+ のパフォーマンスを評価します。

    実装が完了したら、NIS+ が正しく機能しているかどうかをテストします。

  5. NIS+ 環境を最適化します。

    性能の評価結果に基づいて、必要であれば NIS+ の環境を変更します。このような改善には、選択した複製サーバーを負荷の高いドメインに追加するような簡単なものや、ドメインのグループの NIS+ 情報の記憶領域を再編成したりすることが含まれます。

  6. 新しいドメインを整理します。

    移行の際に、処理の簡便化のため、古いドメインの名前を変更しなかった場合は、それらをここで新しい NIS+ の命名方式に合わせて変更します。たとえば、物理的な位置を表す名前を持つドメインをいくつか残し、その一方で組織的な階層へ移行した場合は、物理的な位置を表す名前を組織を表す名前に変更します。