Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

NIS+ アクセス権

NIS+ オブジェクトのオブジェクト定義には、オブジェクトのアクセス権を指定します (オブジェクト定義は、niscat -o コマンドで確認できます)。

NIS+ オブジェクトは、UNIX ファイルが UNIX ユーザーに対するアクセス権を指定するのと同じ方法で、NIS+ 主体に対するアクセス権を指定します。アクセス権は、NIS+ 主体が NIS+ オブジェクトについて実行することが許されている動作の種類を表します。

NIS+ の動作はオブジェクトの種類によって異なりますが、読み取り、変更、作成、および削除の 4 つのクラスに分類されます。

NIS+ クライアントから NIS+ サーバーへのすべての通信は、実際には特定の NIS+ オブジェクトに対してこれらの動作のうちの 1 つを実行してほしいという要求です。たとえば、NIS+ 主体が他のマシンの IP アドレスを要求した場合、実際には、この種の情報を格納している hosts テーブルオブジェクトへの読み取り権を要求しています。主体が NIS+ 名前空間にディレクトリを追加するようサーバーに要求した場合、実際には、そのディレクトリの親オブジェクトに対して「変更」権を要求しています。

これらの権限は論理的には、ディレクトリ、テーブル、列とエントリのように下位に展開するものであることに注意してください。たとえば、新規にテーブルを作成するには、そのテーブルを格納する NIS+ ディレクトリオブジェクトに対する作成権が必要です。そのテーブルを作成した場合、そのデフォルト所有者になります。所有者として、自分自身にそのテーブルに対する作成権を与え、テーブルに新規のエントリを作成できます。テーブル内に新規のエントリを作成した場合、それらのエントリの所有者になります。所有者として、他のユーザーにテーブルレベルの作成権を与えることもできます。たとえば、テーブルのグループクラスにテーブルレベルの作成権を与えることができます。その場合、テーブルのグループのすべてのメンバーがテーブル内に新規のエントリを作成できます。新規のテーブルエントリを作成したグループの個々のメンバーは、そのエントリのデフォルト所有者になります。