Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

コマンド行にリファレンスを作成する

コマンド行にリファレンスを作成するための fnbind の構文は次のようになります。


fnbind -r [-s] [-v] newname [-O | -U] reftype {[-O | -U] | addresstype 
[-c|-x] addresscontents}+
表 25–17 fnbind コマンドオプション (リファレンス作成)

オプション 

説明 

newname

リファレンスを作成する新しい名前 

reftype

作成するリファレンスのタイプ。-O-U オプションを使用しない場合は、reftype の識別子として FN_ID_STRING を使用する

addresstype

作成するアドレスのタイプ。-O-U オプションを使用しない場合は、addresstype の識別子として FN_ID_STRING を使用する

addresscontents

作成するリファレンスのアドレス。-c あるいは -x オプションを使用しない場合、アドレスは XDR によって符号化された文字列として保存される

-s

複合名がすでに割り当てられている場合、割り当てを上書きする 

-v

割り当てに使用されたリファレンスに関する情報を表示する 

-c

アドレス内容を、XDR による符号化を行わずに保存する 

-x

アドレス内容を 16 進数で入力された文字列であると解釈し、そのまま保存する 

-r

指定タイプのリファレンスを作成し、コマンド行で指定された名前に割り当てる 

-O

タイプを指定する文字列を、ASN.1 の形式 (整数をいくつか並べてドットで区切ったもの) として解釈して保存する 

-U

タイプを指定する文字列を、DCE UUID として解釈して保存する 

たとえば、以下の例では、thisorgunit/service/calendar という名前が、「タイプ onc_calendar、アドレスタイプ onc_cal_str、アドレス staff@cygnus」というリファレンスに割り当てられます。


# fnbind -r thisorgunit/service/calendar onc_calendar 
onc_cal_str staff@cygnus

コマンド行で指定されたアドレスは、デフォルトでは XDR で符号化された後、リファレンスに保存されます。-c オプションが指定された場合は、XDR による符号化は行われず、そのままの形で保存されます。-x オプションが指定された場合は、16 進文字列として解釈されて保存されます (XDR による符号化は行われない)。

リファレンス (およびそのアドレス) のタイプの指定には、デフォルトでは FN_ID_STRING 識別子の形式が使用されます。-O オプションでは FN_ID_ISO_OID_STRING (ASN.1、10進数を並べてドットで区切る) の形式が、-U オプションでは FN_ID_DCE_UUID (DCE UUID、文字列を使用する) の形式が使用されます。


注 –

ASN.1 の詳細は、『ISO 8824: 1990, Information Technology — Open Systems Interconnection — Specification of Abstract Syntax Notation One (ASN.1)』を参照してください。DCE UUID の詳細は、『X/Open Preliminary Specification, October 1993, X/Open DCE: Remote Procedure Call (ISBN: 1-872630-95-2)』を参照してください。


以下の例では、thisorgunit/service/nx という名前に割り当てられるリファレンス (およびそのアドレス) の、タイプが OIDs の形式で、アドレスが 16 進の文字列で指定されています。


# fnbind -r thisorgunit/service/nx -O 1.2.99.6.2.1 
-O 1.2.99.6.2.3 -x ef12eab67290