Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

NIS+ スクリプトのコマンド行の要約

表 4–2 に、NIS+ ドメインのサンプルを作成するときの、NIS+ スクリプトとコマンドの汎用的な手順を示します。このあとの節ではこれらのコマンド行について詳しく説明します。NIS+ のドメイン、サーバー、およびクライアントの作成に必要な作業に習熟した後、表 4–2 はコマンド行のクイックリファレンスガイドとして使用してください。 表 4–2 は、NIS+ 名前空間サンプルを作成するために実際に入力するコマンドと変数をまとめたものです。

表 4–2 NIS+ ドメインの構成に使うコマンド行のまとめ

作業 

対象マシン 

コマンド名 

/usr/lib/nis をルートのパスに追加する。C シェルまたは Bourne シェルを使用

ルートマスターサーバーとクライアントマシン。スーパーユーザーとして行う 

setenv PATH $PATH:/usr/lib/nis

または 

PATH=$PATH:/usr/lib/nis; export PATH

オプションで DES 認証を使用する場合には、Diffie-Hellman キー長を選択する 

サーバーとクライアントマシン。スーパーユーザーとして行う 

nisauthconf -dhkey-length-alg-type des

NIS (YP) との互換性があるか、または互換性がないルートマスターサーバーを作成する 

ルートマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nisserver -r-dnewdomain.

または 

nisserver -Y-r-d newdomain.

ファイルまたは NIS マップからルートマスターサーバーテーブルを生成する 

ルートマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nispopulate -F-p /files -d newdomain.

または 

nispopulate -Y-d newdomain. -h NISservername -a NIS_server_ipaddress -y NIS_domain

NIS+ 管理グループにユーザーを追加する 

ルートマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nisgrpadm -a admin. domain.name.domain.

NIS+ データベースのチェックポイントを実行する 

ルートマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nisping -C domain.

新しいクライアントマシンを初期設定する 

クライアントマシン。スーパーユーザーとして行う 

nisclient -i-d domain. -h master1

ユーザーを NIS+ クライアントとして初期設定する 

クライアントマシン。ユーザーとして行う 

nisclient -u

rpc.nisd デーモンを起動 - NIS (および DNS) との互換性なし、またはありでクライアントをサーバーにするために必要

クライアントマシン。スーパーユーザーとして行う 

rpc.nisd

または 

rpc.nisd -Y

または 

rpc.nisd -Y -B

サーバーをルート複製サーバーにする 

ルートマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nisserver -R -d domain. -h clientname

サーバーを非ルートマスターサーバーにする 

ルートマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nisserver -M -d newsubdomain.domain. -h clientmachine

ファイルまたは NIS マップから新しいマスターサーバーテーブルを生成する 

新しいサブドメインマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nispopulate -F -p /subdomaindirectory -d newsubdomain.domain.

または 

nispopulate -Y -d newsubdomain.domain.-h NISservername -a NIS_server_ipaddress -y NIS_domain

クライアントをマスターサーバーの複製にする 

サブドメインマスターサーバー。スーパーユーザーとして行う 

nisserver -R -d subdomain.domain. -h clientname

サブドメインの新しいクライアントを初期設定する。クライアントは、サブドメインの複製またはそのほかのサーバーにできる 

新しいサブドメインクライアントマシン。スーパーユーザーとして行う  

nisclient -i -d newsubdomain .domain. -h subdomainmaster

ユーザーを NIS+ クライアントとして初期設定する 

クライアントマシン。ユーザーとして行う 

nisclient -u


注 –

実際にコマンドを実行させずに、NIS+ スクリプトがどんなコマンドを呼び出すかを表示するには、-x オプションを使います。-x オプションによって、あたかも実際にスクリプトを実行しているかのように、それらのコマンド名とそれぞれのおおよその出力を画面に表示できます。最初に -x を指定してスクリプトを実行すれば、結果を先に見ることができます。詳細は各スクリプトのマニュアルページを参照してください。