Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

コールドスタートファイルを使用してクライアントを初期設定する

ここでは、NIS+ クライアントを初期設定するために、別の NIS+ クライアント (できれば同じドメインから) のコールドスタートファイルを使用します。NIS+ クライアントを設定する方法としてはこれが最も安全です。これにより、クライアントは、信頼できるサーバーから確実に NIS+ 情報を得ることができます。これはホスト名やブロードキャストによる初期化では保証されません。

セキュリティについて

この作業は、クライアント上のスーパーユーザーとして実行しなければなりません。

前提条件

コールドスタートファイルに指定されたサーバーは、すでに構成されており、NIS+ を実行していなければなりません。

クライアントは、マスターサーバーで使用するのと同じ Diffie-Hellman キー長を使用する必要があります。nisauthconf(1M) を参照してください。

必要な情報

コピーするコールドスタートファイルの名前と位置が必要です。

NIS+ クライアントを初期設定する — 作業マップ

表 6–5 NIS+ クライアントを初期設定する

作業 

説明 

参照先 

コールドスタートファイル経由でクライアントを初期設定する 

nisinit コマンドを使って、NIS+ クライアントをコールドスタートファイル経由で初期設定する

コールドスタートファイルを使用して NIS+ クライアントを初期設定する方法

コールドスタートファイルを使用して NIS+ クライアントを初期設定する方法

  1. 他のクライアントのコールドスタートファイルをコピーします。

    他のクライアントのコールドスタートファイルを、新しいクライアントのディレクトリにコピーします。これを行うには、クライアント上のスーパーユーザーとしてではなく、自分のユーザー名でログインしている間に行う方が簡単です。クライアントを初期設定する前に、必ずスーパーユーザーになってください。

    ただし、NIS_COLD_START ファイルを /var/nis にコピーしないでください。初期設定中にこのファイルは上書きされます。次の例では、client1 のコールドスタートファイルを、初期設定されていない client2/tmp ディレクトリにコピーします。


    client2# exit
    client2% rcp client1:/var/nis/NIS_COLD_START /tmp
    client2% su
  2. コールドスタートファイルからクライアントを初期設定します。

    次に示すように、nisinit コマンドに -c-C のオプションを付けて実行します。


    client2# nisinit -c  -C /tmp/NIS_COLD_START 
    This machine is in the doc.com. NIS+ domain.
    Setting up NIS+ client ...
    All done.