Solaris SLP の実装では、SLP の SA、UA、DA、SA サーバー、スコープなどのアーキテクチャ部品 (表 18-1 を参照) の一部が slpd にマップされ、一部がアプリケーションプロセスにマップされます。SLP デーモン (slpd) は、特定のオフホストの SLP 相互作用を構成して、次のことを実行します。
ネットワーク上のすべての DA に対し、ディレクトリエージェントの受動的検出と能動的検出を使用する
ローカルホスト上の UA と SA が使用するために DA の更新テーブルを保持する
レガシーサービス通知に対してプロキシ SA サーバーとして機能する (プロキシ登録)
net.slpisDA プロパティを設定し、slpd が DA として機能するように構成することもできます。第 20 章「SLP の管理 (手順)」を参照してください。
SLP デーモンについては、slpd(1M)のマニュアルページを参照してください。
slpd の他に、C/C++ クライアントライブラリと Java クライアントライブラリ (libslp.so および slp.jar) が、UA クライアントと SA クライアントに SLP のフレームワークへのアクセスを提供します。クライアントライブラリは、次の機能を提供します。
サービス通知の登録と登録解除が可能なネットワークサービスを提供するソフトウェア
サービス通知にクエリーを発行することによってサービスを要求できるクライアントソフトウェア
登録と要求に使用できる SLP スコープのリスト
slpd とクライアントライブラリ (前述のサービスを提供する) 間のプロセス間通信を可能にするには、特別な構成は必要ありません。ただし、ライブラリが機能するように、先に slpd プロセスを実行してからクライアントライブラリをロードする必要があります。
次の図で、サービスプロバイダプログラム内の SLP クライアントライブラリは、SA の機能を使用します。サービスプロバイダプログラムは SLP クライアントライブラリを使用して、サービスを slpd に登録または登録解除します。サービスクライアントプログラムの SLP クライアントライブラリは、UA の機能を使用します。サービスクライアントプログラムは SLP クライアントライブラリを使用して、要求を出します。SLP クライアントライブラリは、SA に要求をマルチキャストするか、DA に要求をユニキャストします。この通信はアプリケーションから見て透過です。ただし、ユニキャスト方式の要求発行はより高速になります。クライアントライブラリの動作は、SLP のさまざまな構成プロパティの設定によって影響を受けます。第 20 章「SLP の管理 (手順)」 を参照してください。slpd プロセスは、マルチキャスト要求への応答、DA への登録など、SA の全機能を処理します。
SLP の詳細は、次の文書を参照してください。
『Service Location Protocol for Enterprise Networks』Kempf、James、Pete St. Pierre 著、John Wiley & Sons, Inc. 発行 (ISBN 番号 :0-47-3158-7)
『Authentication Management Infrastructure Administration Guide』(パート番号 :805-1139-03)
『Service Location Protocol, Version 2, RFC 2608』、Guttman、Erik、Chareles Perkins、John Veizades、Michael Day 著、Internet Engineering Task Force (IETF) 発行。[ http://www.ietf.org/rfc/rfc2608.txt]
『An API for Service Location, RFC 2614』Kempf, James, Erik Guttman 著、Internet Engineering Task Force (IETF) 発行。[http://www.ietf.org/rfc/rfc2614.txt]