メールサーバーはローカルユーザーにメールサービスを提供するだけなので、設定には特別な手順は必要ありません。ユーザーはパスワードファイルか名前空間にエントリが必要です。またユーザーはメール配信用のローカルのホームディレクトリが必要です (~/.forward ファイルを確認するため)。このため、ホームディレクトリサーバーがしばしばメールサーバーとして設定されます。メールサーバーについては、第 26 章「メールサービス (リファレンス)」 の 「ハードウェアコンポーネント」 でさらに詳しく説明します。
メールサーバーは、メールクライアント宛てにメールを経路指定します。メールサーバーに必要な唯一のリソースは、クライアントメールボックスのための十分なスプール空間です。
クライアントが自分のメールボックスにアクセスできるには、/var/mail ディレクトリがリモートマウントに使用可能であるか、あるいは POP (Post Office Protocol) または IMAP (Internet Message Access Protocol) のようなサービスがサーバーから使用可能でなければなりません。以下では、/var/mail ディレクトリを使ってメールサーバーを設定する方法を示します。このマニュアルでは、POP または IMAP の構成方法については説明しません。
次の作業のために、/var/mail ディレクトリがエクスポートされていることを /etc/dfs/dfstab ファイルで確認します。
メールサーバーのスーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。
sendmail を停止します。
# /etc/init.d/sendmail stop |
/var/mail ディレクトリをリモートアクセスに使用できるかどうかを確認します。
# share |
/var/mail ディレクトリが表示された場合は、手順 5 に進みます。
/var/mail ディレクトリが表示されない場合、あるいはリストが表示されない場合は、該当する手順に進みます。
(省略可能) リストが表示されない場合は、NFS サービスを起動します。
「ファイルシステム自動共有を設定する方法」 の手順に従って、 /var/mail ディレクトリを使用して NFS サービスを起動します。
(省略可能) /var/mail ディレクトリがリストに含まれていない場合は、/var/mail ディレクトリを /etc/dfs/dfstab に追加します。
/etc/dfs/dfstab ファイルに次のコマンド行を追加します。
share -F nfs -o rw /var/mail |
ファイルシステムをマウントできるようにします。
# shareall |
ネームサービスが起動されていることを確認します。
(省略可能) NIS を実行している場合は、次のコマンドを使用します。
# ypwhich |
詳細は、ypwhich(1) のマニュアルページを参照してください。
(省略可能) NIS+ を実行している場合は、次のコマンドを使用します。
# nisls |
詳細は、nisls(1) のマニュアルページを参照してください。
(省略可能) DNS を実行している場合は、次のコマンドを使用します。
# nslookup hostname |
hostname |
ホスト名を指定 |
詳細は、nslookup(1M) のマニュアルページを参照してください。
(省略可能) LDAP を実行している場合は、次のコマンドを使用します。
# ldaplist |
詳細は、ldaplist(1) のマニュアルページを参照してください。
sendmail を再起動します。
# /etc/init.d/sendmail start |
mail.local プログラムは、メッセージがはじめて配信されたときに /var/mail ディレクトリでメールボックスを自動的に作成します。メールクライアントの個々のメールボックスを作成する必要はありません。