ブート環境のファイルシステムを作成する場合のルールは、Solaris オペレーティング環境のファイルシステムを作成する場合と同じです。Solaris Live Upgrade では、クリティカルなファイルシステムに無効な構成を作成してしまうことを回避できません。たとえば、lucreate コマンドを用いて、ルート (/) と /kernel を別々のファイルシステムに作成することができますが、このようにルート (/) を分割するのは誤りです。
1 つのディレクトリを複数のマウントポイントに分割すると、ファイルシステム間でハードリンクが維持されなくなります。たとえば、/usr/stuff1/file が /usr/stuff2/file にハードリンクされている場合に /usr/stuff1 と /usr/stuff2 を別々のファイルシステムに分割すると、ファイル間のリンクは解除されます。lucreate から警告メッセージが表示され、解除されたハードリンクの代わりとなるシンボリックリンクが作成されます。
スーパーユーザーとしてログインします。
次のコマンドを入力します。
# lucreate [-A 'BE_description'] -m mountpoint:device:fs_type \ [[-m mountpoint:device:fs_type]] -n new_BE |
この例では、前述のコマンドによって ルート (/) ファイルシステムを新しいブート環境内の複数のディスクスライスに分割しています。ここでは、/usr、/var、および /opt をすべてルート (/) に置いている次のソースブート環境を想定してください。/dev/dsk/c0t0d0s0 /
新しいブート環境で、次に示すように別々のスライスにマウントすることによって、ファイルシステム /usr、/var、/opt を分割します。
/dev/dsk/c0t1d0s0 /
/dev/dsk/c0t1d0s1 /var
/dev/dsk/c0t1d0s7 /usr
/dev/dsk/c0t1d0s5 /opt
「Solaris 9 test Jan. 2001」という記述は、ブート環境名 second_disk に対応しています。
# lucreate -A 'Solaris 9 test Jan 2001' -c first_disk \ -m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs -m /usr:/dev/dsk/c0t1d0s7:ufs \ -m /var:/dev/dsk/c0t1d0s1:ufs -m /opt:/dev/dsk/c0t1d0s5:ufs \ -n second_disk |
新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 33 章「Solaris Live Upgrade を用いたアップグレード」を参照してください。