この節では、以下の場所に格納されているフラッシュアーカイブを、Solaris Live Upgrade を使用してインストールする手順を説明します。
HTTP サーバー
FTP サーバー - このパスは、コマンド行だけから使用します。
ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー
ローカルファイル
ローカルテープ
ローカルデバイス (DVD または CD)
アーカイブ記憶域に関連するパスの構文例については、archive_location プロファイルキーワードを参照してください。
フラッシュアーカイブをインストールすると、新しいブート環境上に存在する共有ファイル以外のすべてのファイルが上書きされます。
フラッシュ のインストール機能を使用するには、マスターシステムをインストールし、フラッシュアーカイブを作成しておく必要があります。フラッシュ の詳細は、第 16 章「フラッシュインストール機能」を参照してください。
新しいブート環境にアップグレードを行なったりフラッシュアーカイブを使ってインストールを行う場合、そのデバイスは物理スライスでなければなりません。Solaris ボリュームマネージャメタデバイスか Veritas ファイルシステム (VxFS) ボリュームにマウントされているファイルシステムがそのブート環境にあると、アップグレードまたはアーカイブのインストールは失敗します。そのようなブート環境でアップグレードやアーカイブのインストールを行う場合は、すべてのスライスが物理ディスクスライスになるようにブート環境を手動で変更する必要があります。lucreate コマンドを使って別のブート環境を作成することも、メタデバイスやボリュームを削除することもできます。
lucreate コマンドを使って別のブート環境を作成する場合は、ブート環境のコピーを物理ディスクスライスに格納します。たとえば、現在のブート環境のディスク構成が次のようになっているとします。
/ |
/dev/md/dsk/d10 にマウントされている |
/usr |
/dev/md/dsk/d20 にマウントされている |
/var |
/dev/dsk/c0t3d0s0 にマウントされている |
空きスライス |
c0t4d0s0 |
空きスライス |
c0t4d0s3 |
空きスライス |
c0t4d0s4 |
この場合、次の lucreate コマンドを使ってブート環境を物理ディスクスライスにコピーします。これで、ブート環境は、アップグレードやアーカイブを用いたインストールを行える状態になります。この例では、現在のブート環境の名前が currentBE、新しいブート環境の名前が nextBE であるとします。
# lucreate -s currentBE -n nextBE -m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs \ -m /usr:/dev/dsk/c0t4d0s3:ufs -m /var:/dev/dsk/c0t4d0s4:ufs |
これで、新しいブート環境に対してアップグレードやアーカイブを用いたインストールを行い、それをアクティブ化し、さらに手動で再ミラー化またはカプセル化することができます。
メタデバイスやボリュームを手動で削除する場合は、次のようにします。
ブート環境を手動でマウントします。
/etc/vfstab ファイルを編集して、すべてのメタデバイスやボリュームを物理ディスクスライスイに変更します。
Solaris ボリュームマネージャまたは Veritas ソフトウェアを使ってメタデバイスまたはボリュームを削除します。
ブート環境をマウント解除します。
Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Flash」を選択します。
「Flash an Inactive Boot Environment」メニューが表示されます。
フラッシュアーカイブをインストールするブート環境の名前と、インストールメディアの場所を入力します。
Name of Boot Environment: solaris_9 Package media: /net/install-svr/export/s9/latest |
アーカイブを追加するために F1 を押します。
「Archive Selection」サブメニューに、空のリスト、単一のアーカイブの名前、または複数のアーカイブの一覧が表示されます。
リストにアーカイブを追加することも、リストからアーカイブを削除することもできます。次に、空のリストの例を示します。
Location - Retrieval Method <No Archives added> - Select ADD to add archives |
変更を加えずにリストをインストールする場合は、手順 4 へ進んでください。
フラッシュアーカイブのリストが空であるか、あるいはインストールしたくないアーカイブが含まれている場合は、手順 a へ進みます。
アーカイブを追加または削除することができます。
「Select Retrieval Method」メニューで、フラッシュアーカイブの場所を選択します。
選択された媒体 |
プロンプト |
---|---|
HTTP |
フラッシュアーカイブにアクセスするための URL とプロキシ情報を指定してください。 |
NFS |
フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムのパスを指定してください。アーカイブのファイル名も指定できます。 |
ローカルファイル |
フラッシュアーカイブを含むローカルファイルシステムのパスを指定してください。 |
ローカルテープ |
フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定してください。 |
ローカルデバイス |
フラッシュアーカイブを含むローカルデバイスとパス、ファイルシステムのタイプを指定してください。 |
次のような「Retrieval」サブメニューが表示されます。表示は選択されたメディアによって異なります。
NFS Location: |
次の例のように、アーカイブのパスを入力します。
NFS Location: host:/path/to archive.flar |
F3 を押してリストにアーカイブを追加します。
インストールしたいアーカイブがリストに含まれた時点で F6 を押して終了します。
F3 を押して 1 つまたは複数のアーカイブをインストールします。
フラッシュアーカイブがブート環境にインストールされます。ブート環境上のファイルは、共有可能ファイルを除きすべて上書きされます。
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。ブート環境のアクティブ化 (キャラクタインタフェース)を参照してください。
スーパーユーザーとしてログインします。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -a archive |
-f |
オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。 |
-n BE_name |
アーカイブを使用してインストールするブート環境の名前を指定します。 |
-s os_image_path |
オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。 |
-a archive |
フラッシュアーカイブへのパス (ローカルファイルシステムでそのアーカイブが利用できる場合)。 -s オプションと -a オプションを使用して指定するオペレーティングシステムイメージのバージョンは、同じでなければなりません。 |
この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。アーカイブはローカルシステムに存在します。-s および -a オプションで指定するオペレーティングシステムバージョンは、どちらも Solaris 9 リリースです。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。
# luupgrade -f -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solaris9/OS_image \ -a /net/server/archive/solaris9 |
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
ここでは、プロファイルを使用してフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。
プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。
スーパーユーザーとしてログインします。
プロファイルを作成します。
Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なキーワードのリストについては、表 33–2を参照してください。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -j profile_path |
-f |
オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。 |
-n BE_name |
アップグレードするブート環境の名前を指定します。 |
-s os_image_path |
オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。 |
-j profile_path |
フラッシュインストール用に構成されたプロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。 |
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成するを参照してください。
# luupgrade -f -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ -j /var/tmp/profile |
ここでは、プロファイルファイルではなく、archive_location キーワードをコマンド行で使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。プロファイルファイルを使用せずに、アーカイブを取得できます。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -J 'profile' |
-f |
オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからアップグレードすることを示します。 |
-n BE_name |
アップグレードするブート環境の名前を指定します。 |
-s os_image_path |
オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。 |
-J 'profile' |
archive_location プロファイルキーワードを指定します。キーワードの値については、archive_location プロファイルキーワードを参照してください。 |
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-J オプションと archive_location キーワードを使用して、アーカイブを取得します。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。
# luupgrade -f -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ -J 'archive_location http://example.com/myflash.flar' |
新しいブート環境にアップグレードを行なったりフラッシュアーカイブを使ってインストールを行う場合、そのデバイスは物理スライスでなければなりません。Solaris ボリュームマネージャメタデバイスか Veritas ファイルシステム (VxFS) ボリュームにマウントされているファイルシステムがそのブート環境にあると、アップグレードまたはアーカイブのインストールは失敗します。そのようなブート環境でアップグレードやアーカイブのインストールを行う場合は、すべてのスライスが物理ディスクスライスになるようにブート環境を手動で変更する必要があります。lucreate コマンドを使って別のブート環境を作成することも、メタデバイスやボリュームを削除することもできます。
lucreate コマンドを使って別のブート環境を作成する場合は、ブート環境のコピーを物理ディスクスライスに格納します。たとえば、現在のブート環境のディスク構成が次のようになっているとします。
/ |
/dev/md/dsk/d10 にマウントされている |
/usr |
/dev/md/dsk/d20 にマウントされている |
/var |
/dev/dsk/c0t3d0s0 にマウントされている |
空きスライス |
c0t4d0s0 |
空きスライス |
c0t4d0s3 |
空きスライス |
c0t4d0s4 |
この場合、次の lucreate コマンドを使ってブート環境を物理ディスクスライスにコピーします。これで、ブート環境は、アップグレードやアーカイブを用いたインストールを行える状態になります。この例では、現在のブート環境の名前が currentBE、新しいブート環境の名前が nextBE であるとします。
# lucreate -s currentBE -n nextBE -m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs \ -m /usr:/dev/dsk/c0t4d0s3:ufs -m /var:/dev/dsk/c0t4d0s4:ufs |
これで、新しいブート環境に対してアップグレードやアーカイブを用いたインストールを行い、それをアクティブ化し、さらに手動で再ミラー化またはカプセル化することができます。
メタデバイスやボリュームを手動で削除する場合は、次のようにします。
ブート環境を手動でマウントします。
/etc/vfstab ファイルを編集して、すべてのメタデバイスやボリュームを物理ディスクスライスイに変更します。
Solaris ボリュームマネージャまたは Veritas ソフトウェアを使ってメタデバイスまたはボリュームを削除します。
ブート環境をマウント解除します。
Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Flash」を選択します。
「Flash an Inactive Boot Environment」メニューが表示されます。
フラッシュアーカイブをインストールするブート環境の名前と、インストールメディアの場所を入力します。
Name of Boot Environment: solaris_9 Package media: /net/install-svr/export/s9/latest |
アーカイブを追加するために F1 を押します。
「Archive Selection」サブメニューに、空のリスト、単一のアーカイブの名前、または複数のアーカイブの一覧が表示されます。
リストにアーカイブを追加することも、リストからアーカイブを削除することもできます。次に、空のリストの例を示します。
Location - Retrieval Method <No Archives added> - Select ADD to add archives |
変更を加えずにリストをインストールする場合は、手順 4 へ進んでください。
フラッシュアーカイブのリストが空であるか、あるいはインストールしたくないアーカイブが含まれている場合は、手順 a へ進みます。
アーカイブを追加または削除することができます。
「Select Retrieval Method」メニューで、フラッシュアーカイブの場所を選択します。
選択された媒体 |
プロンプト |
---|---|
HTTP |
フラッシュアーカイブにアクセスするための URL とプロキシ情報を指定してください。 |
NFS |
フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムのパスを指定してください。アーカイブのファイル名も指定できます。 |
ローカルファイル |
フラッシュアーカイブを含むローカルファイルシステムのパスを指定してください。 |
ローカルテープ |
フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定してください。 |
ローカルデバイス |
フラッシュアーカイブを含むローカルデバイスとパス、ファイルシステムのタイプを指定してください。 |
次のような「Retrieval」サブメニューが表示されます。表示は選択されたメディアによって異なります。
NFS Location: |
次の例のように、アーカイブのパスを入力します。
NFS Location: host:/path/to archive.flar |
F3 を押してリストにアーカイブを追加します。
インストールしたいアーカイブがリストに含まれた時点で F6 を押して終了します。
F3 を押して 1 つまたは複数のアーカイブをインストールします。
フラッシュアーカイブがブート環境にインストールされます。ブート環境上のファイルは、共有可能ファイルを除きすべて上書きされます。
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。ブート環境のアクティブ化 (キャラクタインタフェース)を参照してください。
スーパーユーザーとしてログインします。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -a archive |
-f |
オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。 |
-n BE_name |
アーカイブを使用してインストールするブート環境の名前を指定します。 |
-s os_image_path |
オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。 |
-a archive |
フラッシュアーカイブへのパス (ローカルファイルシステムでそのアーカイブが利用できる場合)。 -s オプションと -a オプションを使用して指定するオペレーティングシステムイメージのバージョンは、同じでなければなりません。 |
この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。アーカイブはローカルシステムに存在します。-s および -a オプションで指定するオペレーティングシステムバージョンは、どちらも Solaris 9 リリースです。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。
# luupgrade -f -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solaris9/OS_image \ -a /net/server/archive/solaris9 |
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
ここでは、プロファイルを使用してフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。
プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。
スーパーユーザーとしてログインします。
プロファイルを作成します。
Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なキーワードのリストについては、表 33–2を参照してください。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -j profile_path |
-f |
オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからインストールすることを示します。 |
-n BE_name |
アップグレードするブート環境の名前を指定します。 |
-s os_image_path |
オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。 |
-j profile_path |
フラッシュインストール用に構成されたプロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。 |
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成するを参照してください。
# luupgrade -f -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ -j /var/tmp/profile |
ここでは、プロファイルファイルではなく、archive_location キーワードをコマンド行で使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。プロファイルファイルを使用せずに、アーカイブを取得できます。
次のコマンドを入力します。
# luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -J 'profile' |
-f |
オペレーティングシステムをフラッシュアーカイブからアップグレードすることを示します。 |
-n BE_name |
アップグレードするブート環境の名前を指定します。 |
-s os_image_path |
オペレーティングシステムイメージを含むディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。 |
-J 'profile' |
archive_location プロファイルキーワードを指定します。キーワードの値については、archive_location プロファイルキーワードを参照してください。 |
このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。
この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-J オプションと archive_location キーワードを使用して、アーカイブを取得します。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。
# luupgrade -f -n second_disk \ -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ -J 'archive_location http://example.com/myflash.flar' |