Solaris 9 インストールガイド

付録 D Solaris Update リリースへのアップグレード

この付録では、Solaris オペレーティング環境の Update リリースにアップグレードする前にパッチをチェックする手順について説明します。

Solaris Update リリースへのアップグレード

すでに Solaris 9 オペレーティング環境を実行していて、システムに個別のパッチがインストールされている場合、Solaris 9 Update リリースへのアップグレードを行うと、パッチは次のようになります。

パッチアナライザを使用すれば、Solaris 9 Update リリースにアップグレードしたときに、これらのパッチのうちどれが削除されるかを確認することができます。パッチアナライザは次のような方法で使用できます。

パッチ解析結果の見方については、パッチアナライザの出力の確認方法を参照してください。

analyze_patches スクリプトを実行する方法


注 –

analyze_patches スクリプトを実行するには、NFS またはローカルにマウントされたメディア上にあるスクリプトを使用して、インストールされた既存のシステム、および Solaris 9 DVD、Solaris 9 SOFTWARE CD CD、またはネットワーク上のイメージにアクセスできる必要があります。


  1. Misc ディレクトリに移動します。

    • SPARC: イメージが、ローカルにマウントされた媒体上にある場合は、次のように入力します。


      # cd /cdrom/sol_9_Update_sparc/s0/Solaris_9/Misc
      

      このコマンドにおいて、Update は実際の Update 識別子を表します (例 : u1)。

    • IA: イメージが、ローカルにマウントされた媒体上にある場合は、次のように入力します。


      # cd /cdrom/sol_9_Update_ia/s2/Solaris_9/Misc
      

      このコマンドにおいて、Update は実際の Update 識別子を表します (例 : u1)。

    • イメージが NFS ファイルシステムにある場合は、次のように入力します。


      # cd /NFS_mount_directory/Solaris_9/Misc
      
  2. analyze_patches スクリプトを実行します。


    # ./analyze_patches [[-R rootdir]] [[-N netdir]] [[-D databasedir]]

    -R rootdir

    rootdir には、インストールされてるシステムのルートを指定します。デフォルトで / に設定されます。

    -N netdir

    netdir は、インストールする OS イメージのルートへのパスです。デフォルトは /cdrom/cdrom0 です。netdir は、solaris_9 ディレクトリを含むディレクトリへのパスです。patch_analyzer を NFS マウントポイントから実行する場合は、このオプションが必要です。

    -D databasedir

    スクリプトを OS イメージの Misc ディレクトリ以外のディレクトリから起動すると、パッチ解析に使用するデータベースを検索できません。したがって、-D オプションでこのデータベースへのパスを指定します。このデータベースがないと、スクリプトは正しく動作しません。このデータベースは、OS イメージの Solaris_9/Misc/database にあります。

パッチアナライザの出力の確認方法

解析を実行したら、次の手順で出力を検討します。

  1. パッチアナライザの出力を確認します。

    パッチアナライザからは、ほかのパッチによって削除、ダウングレード、置き換えられ削除されるパッチのリストが出力されます。パッチの置き換えは、パッチアップグレードと同等のものです。置き換えられるパッチは削除され、新しいパッチによってその修正が適用されます。次のようなメッセージが表示されます。


    Patch 105644-03 will be removed.
    Patch 105925 will be downgraded from -02 to -01.
    Patch 105776-01 will be accumulated/obsoleted by patch 105181-05.

    パッチアナライザからリストが出力されない場合は、システムにすでにインストールされているパッチに対する処理は何も行われません。

  2. パッチの置き換えや削除が適切かどうかを判断します。

    • 適切な場合は、システムをアップグレードします。

    • 適切でない場合は、システムのアップグレードを中止します。

      Update リリースでは、アップグレードのかわりに Solaris 9 Maintenance Update リリースを用いて、パッチだけをシステムに適用できます。


      注 –

      Solaris 9 Maintenance Update は Web から入手できます。パッチの適用手順については、『Solaris 9 Maintenance Update ご使用にあたって』を参照してください。


analyze_patches スクリプトを実行する方法


注 –

analyze_patches スクリプトを実行するには、NFS またはローカルにマウントされたメディア上にあるスクリプトを使用して、インストールされた既存のシステム、および Solaris 9 DVD、Solaris 9 SOFTWARE CD CD、またはネットワーク上のイメージにアクセスできる必要があります。


  1. Misc ディレクトリに移動します。

    • SPARC: イメージが、ローカルにマウントされた媒体上にある場合は、次のように入力します。


      # cd /cdrom/sol_9_Update_sparc/s0/Solaris_9/Misc
      

      このコマンドにおいて、Update は実際の Update 識別子を表します (例 : u1)。

    • IA: イメージが、ローカルにマウントされた媒体上にある場合は、次のように入力します。


      # cd /cdrom/sol_9_Update_ia/s2/Solaris_9/Misc
      

      このコマンドにおいて、Update は実際の Update 識別子を表します (例 : u1)。

    • イメージが NFS ファイルシステムにある場合は、次のように入力します。


      # cd /NFS_mount_directory/Solaris_9/Misc
      
  2. analyze_patches スクリプトを実行します。


    # ./analyze_patches [[-R rootdir]] [[-N netdir]] [[-D databasedir]]

    -R rootdir

    rootdir には、インストールされてるシステムのルートを指定します。デフォルトで / に設定されます。

    -N netdir

    netdir は、インストールする OS イメージのルートへのパスです。デフォルトは /cdrom/cdrom0 です。netdir は、solaris_9 ディレクトリを含むディレクトリへのパスです。patch_analyzer を NFS マウントポイントから実行する場合は、このオプションが必要です。

    -D databasedir

    スクリプトを OS イメージの Misc ディレクトリ以外のディレクトリから起動すると、パッチ解析に使用するデータベースを検索できません。したがって、-D オプションでこのデータベースへのパスを指定します。このデータベースがないと、スクリプトは正しく動作しません。このデータベースは、OS イメージの Solaris_9/Misc/database にあります。

パッチアナライザの出力の確認方法

解析を実行したら、次の手順で出力を検討します。

  1. パッチアナライザの出力を確認します。

    パッチアナライザからは、ほかのパッチによって削除、ダウングレード、置き換えられ削除されるパッチのリストが出力されます。パッチの置き換えは、パッチアップグレードと同等のものです。置き換えられるパッチは削除され、新しいパッチによってその修正が適用されます。次のようなメッセージが表示されます。


    Patch 105644-03 will be removed.
    Patch 105925 will be downgraded from -02 to -01.
    Patch 105776-01 will be accumulated/obsoleted by patch 105181-05.

    パッチアナライザからリストが出力されない場合は、システムにすでにインストールされているパッチに対する処理は何も行われません。

  2. パッチの置き換えや削除が適切かどうかを判断します。

    • 適切な場合は、システムをアップグレードします。

    • 適切でない場合は、システムのアップグレードを中止します。

      Update リリースでは、アップグレードのかわりに Solaris 9 Maintenance Update リリースを用いて、パッチだけをシステムに適用できます。


      注 –

      Solaris 9 Maintenance Update は Web から入手できます。パッチの適用手順については、『Solaris 9 Maintenance Update ご使用にあたって』を参照してください。