Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

NIS スレーブサーバーの設定

ネットワークは 1 つ以上のスレーブサーバーを持つことができます。スレーブサーバーを持つことで、マスターサーバーが利用できない場合にも NIS サービスを継続して利用できます。

スレーブサーバーを準備する

ypinit を実際に実行してスレーブサーバーを作成する前に、domainname コマンドを NIS スレーブサーバーごとに実行してドメイン名がマスターサーバーと一致していることを確認します。


注 –

ドメイン名は大文字と小文字を区別します。


ネットワークが正しく機能していることを確認してから、NIS スレーブサーバーを構成してください。特に、rcp を使用して NIS マスターサーバーから NIS スレーブサーバーにファイルを送れるかどうかを確認してください。

スレーブサーバーを設定する

次の手順はスレーブサーバーの設定方法を示しています。

スレーブサーバーを設定する方法
  1. スーパーユーザーになります。

  2. スレーブサーバーで /etc/hosts ファイルまたは /etc/inet/ipnodes ファイルを編集して、他のすべての NIS サーバーの名前と IP アドレスを追加します。

  3. スレーブサーバー上の /var/yp にディレクトリを変更します。


    注 –

    まず、新しいスレーブサーバーを NIS クライアントとして構成して、最初にマスターサーバーから NIS マップを入手できるようにします。詳細については、NIS クライアントの設定を参照してください。


  4. 次のように入力して、スレーブサーバーにするマシンをクライアントとして初期設定します。

    # /usr/sbin/ypinit -c

    ypinit コマンドによって、NIS サーバーのリストを求めるプロンプトが表示されます。作業中のローカルマシン (スレーブ) の名前を入力してからマスターサーバーを入力し、その後にドメイン内の他の NIS スレーブサーバーをネットワーク的に近いものから遠いものの順に入力します。

  5. 次のように入力して、ypbindが実行されているかどうか確認します。

    # ps -ef | grep ypbind

    リストが表示されたら、ypbind は実行されています。

  6. ypbind が実行中である場合は停止します。

    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstop

  7. 次のように入力して ypbind を再起動します。

    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstart

  8. 次のように入力して、このマシンをスレーブサーバーとして初期設定します。

    # /usr/sbin/ypinit -s master

    master は、既存の NIS マスターサーバーのマシン名です。

    この節で説明した手順を、NIS スレーブサーバーとして構成するマシンごとに繰り返します。

次の手順は、スレーブサーバーで NIS サービスを開始する方法を示しています。

スレーブサーバーで NIS を開始する方法
  1. スーパーユーザーになります。

  2. 既存の yp プロセスをすべて停止します。

    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstop

  3. スレーブサーバーで ypserve を起動して、ypbind を実行します。

    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstart

    この方法とは別に、スレーブサーバーをリブートしてデーモンを自動的に開始することもできます。