Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

NIS ドメインに新しいユーザーを追加する

NIS ユーザーを追加する方法
  1. NIS マスターサーバーでスーパーユーザーになります。

  2. useradd コマンドで新しいユーザーのログイン ID を作成します。

    # useradd userID

    userID は新しいユーザーのログイン ID です。このコマンドは、NIS マスターサーバー上の /etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルにエントリを作成します。

  3. 新しいユーザーの初期パスワードを作成します。

    新しいユーザーがログインするための初期パスワードを作成するには、passwd コマンドを実行します。

    # passwd userID

    userID は新しいユーザーのログイン ID です。このユーザーに割り当てるパスワードを入力するようにプロンプトが表示されます。

    この手順が必要になるのは、useradd コマンドで作成されたパスワードエントリがロックされ、新しいユーザーがログインできないからです。初期パスワードを指定することで、このパスワードエントリのロックが解除されます。

  4. 必要に応じて、マスターサーバーの passwd マップ入力ファイルに新しいエントリをコピーします。

    マスターサーバー上のマップソースファイルは、/etc 以外のディレクトリにあります。新しい行を /etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルから マスターサーバー上の passwd マップ入力ファイルにコピーします。詳細については、パスワードファイルと名前空間のセキュリティを参照してください。

    たとえば、新しいユーザー brown を追加する場合、/etc/passwd ファイルから passwd 入力ファイルにコピーする行は次のようになります。


    brown:x:123:10:User brown:/home/brown:/bin/csh:

    /etc/shadow からコピーされる brown 行は次のようになります。


    brown:W12345GkHic:6445::::::
  5. パスワード入力ファイルが格納されているディレクトリが Makefile で正しく指定されていることを確認します。

  6. 必要に応じて、/etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルから新しいユーザーのエントリを削除します。

    セキュリティの関係上、NIS マスターサーバーの /etc/passwd ファイルと /etc/shadow ファイルでユーザーエントリを保持することは望ましくありません。他のディレクトリに存在する NIS マップソースファイルに新しいユーザーのエントリをコピーした後、マスターサーバー上で userdel コマンドを使用して新しいユーザーを削除します。

    たとえば、マスターサーバーの /etc ファイルから新しいユーザー brown を削 除するには次のように入力します。

    # userdel brown

    userdel の詳細については、userdel(1M) のマニュアルページを参照してください。

  7. NIS の passwd マップを更新します。

    マスターサーバー上の passwd 入力ファイルを更新した後、ソースファイルが存在するディレクトリで make を実行して passwd マップを更新します。


    # userdel brown   
    # cd /var/yp   
    #  /usr/ccs/bin/make passwd
    

  8. 新しいユーザーのログイン ID に割り当てられた初期パスワードを新しいユーザーに通知します。

    ログイン後、新しいユーザーはいつでも passwd を実行して別のパスワードに変更できます。