Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル

tcp_ecn_permitted

説明

ECN (Explicit Congestion Notification、明示的輻輳通知) のサポートを制御します。

このパラメータが 0 に設定されていると、TCP は、TCP が ECN 機構をサポートしていることに関して、接続先にネゴシエーションを行いません。

接続開始時にこのパラメータが 1 に設定されていると、TCP は、TCP が ECN 機構をサポートしていることを接続先に通知しません。

ただし、新しい着信接続要求を受けた際に接続先が SYN セグメントで ECN 機構をサポートしていることを示した場合は、TCP は接続先に対し、ECN 機構をサポートしていることを通知します。

このパラメータを 2 に設定すると、TCP は接続を受け付けた時点で ECN 機構に関して接続先とネゴシエーションを行います。さらに、TCP は自発的な送信接続を行う際に、送信する SYN セグメント内で、ECN 機構をサポートしていることを示します。

ECN に関する詳細は RFC 3168 を参照してください。

デフォルト

1 (受動的に有効にする)

範囲

0 (無効)、1 (受動的に有効にする)、2 (自発的に有効にする)

動的か

はい

どのような場合に変更するか

ECN は TCP による輻輳制御処理に役立ちます。 しかし、既存の TCP 実装やファイアウォール、NAT、等のネットワークデバイスがこの機構により混乱する場合もあります。 混乱するデバイスは IETF 標準に準拠していません。

これらのデバイスを考慮し、このパラメータのデフォルト値は 1 に設定されています。まれに、受動的に有効にした場合でも問題が生じる場合があります。 必要がある場合にのみ、パラメータを 0 に設定してください。

コミットレベル

変更の可能性あり