Solaris のシステム管理 (上級編)

はじめに

本書『Solaris のシステム管理 (上級編) 』 は、 SolarisTM システム管理に関する重要な情報を提供するマニュアルの一部です。SPARCTM プラットフォームおよび IA プラットフォームにおけるシステム管理について説明します。

このマニュアルでは、システム管理者である読者が SunOSTM 5.9 オペレーティングシステムをすでにインストールしていて、ネットワークソフトウェアの設定を終了していることを想定しています。SunOS 5.9 オペレーティングシステムは Solaris 9 製品の一部で、Solaris 9 には Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) などの多くの機能が含まれています。また、SunOS 5.9 は、AT&T System V リリース 4 オペレーティングシステムに準拠しています。

システム管理者にとって重要な Solaris 9 リリースの新機能については、各章のはじめにある新機能に関する節を参照してください。


注 –

Solaris オペレーティング環境は、SPARC と IA という 2 種類のハードウェア、つまりプラットフォームで動作します。また、Solaris オペレーティング環境は、64 ビットのアドレス空間でも 32 ビットのアドレス空間でも動作します。このマニュアルで説明する情報は、章、節、注、箇条書き、図、表、例、またはコード例において特に明記しないかぎり、両方のプラットフォームおよびアドレス空間に該当します。


対象読者

このマニュアルは、Solaris 9 リリースを実行するシステムの管理者を対象にしています。このマニュアルを読むには、UNIX のシステム管理について 1 〜 2 年の経験が必要です。UNIX システム管理のトレーニングコースに参加することも役に立ちます。

『Solaris のシステム管理』の構成

システム管理マニュアルで説明している内容を次に示します。

マニュアル名 

内容 

Solaris のシステム管理 (基本編)

ユーザーアカウントとグループ、サーバーとクライアントの サポート、システムのシャットダウンとブート、リムーバブルメディア、ソウトウェアの管理 (パッケージとパッチ)、ディスクとデバイス、ファイルシステム、およびデータのバックアップと復元 

Solaris のシステム管理 (上級編)

印刷サービスの管理、端末とモデムの設定、システム資源の管理 (ディスク割り当て、アカウンティング、および crontab ファイルの管理)、システムプロセスの管理、 および Solaris ソフトウェアの障害追跡 

Solaris のシステム管理 (IP サービス)

TCP/IP ネットワークの管理、IPv4 から IPv6 への移行と IPv6 の管理、DHCP の管理、IP セキュリティの管理、モバイル IP の管理、および IP ネットワークマルチパスの管理 

Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)

DNS、NIS、および LDAP のネーミングとディレクトリサービスの管理 

Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : FNS、NIS+ 編)

FNS および NIS+ のネーミングとディレクトリサービスの管理 

Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

システム資源、リモートファイルシステム、メールサービス、SLP、および PPP の管理 

Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

監査、PAM、RBAC、および SEAM の管理 

Solaris オペレーティング環境の今回のリリースに含まれるオープンソースソフトウェアのライセンス規約、帰属、著作権の記載内容を見るためのデフォルトパスは、 /usr/share/src/freeware-name または /usr/sfw/share/src/freeware-name です。Solaris オペレーティング環境がデフォルト以外の場所にインストールされている場合は、所定のパスを修正して、インストールした場所にあるファイルにアクセスします。

Sun のオンラインマニュアル

docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system%

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

system% su

password:

AaBbCc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

sun% grep `^#define \
  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

一般規則

このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。

このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon、Pentium 4 の各プロセッサ、および AMD が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。