Solaris のシステム管理 (上級編)

Solaris プリンタマネージャの起動

Solaris プリンタマネージャを使用してプリンタを設定するには、CDE ワークスペースメニューから「プリンタ管理 (Printer Administration)」を選択して Solaris プリンタマネージャを起動するか、コマンド行から Solaris プリンタマネージャを起動します。詳細については、次の節を参照してください。

Solaris プリンタマネージャを起動する方法

  1. 次の前提条件を満たしていることを確認します。Solaris プリンタマネージャを使用するには、次の条件を満たす必要があります。

    • ビットマップディスプレイモニターがある。Solaris プリンタマネージャは、Sun ワークステーションの標準ディスプレイモニターなど、ビットマップ画面のコンソールを使用するシステムでだけ使用できます。

    • CDE 環境のような X Window System を実行しているか、xhost 環境が動作するシステムでリモート表示機能を使用している。

    • 接続されたプリンタやネットワークプリンタをインストールする場合は、プリンタサーバーにスーパーユーザーとしてログインしている。プリンタへのアクセスを追加する場合は、印刷クライアントにスーパーユーザーとしてログインしている。

    • LDAP、NIS、NIS+、または NIS+ (xfn) データベースを管理するのに必要なアクセス特権を持っている。

      • ネームサービスが LDAP の場合は、次の事項が必要になります。

        • プリンタの管理者の識別名 (DN) とディレクトリのパスワード

        • 管理ドメインにサービスを提供する LDAP サーバーの IP アドレスまたは名前。通常は、自動的に表示されて選択されます。

          LDAP を使用したプリンタ情報の管理については、LDAP によるプリンタ情報の管理を参照してください。

      • ネームサービスが NIS の場合は、NIS マスターの root パスワードが必要です。

      • ネームサービスが NIS+ の場合は、次の手順を実行しなければならない場合があります。

        1. NIS+ マスターにスーパーユーザーとしてログインします。

        2. 次に示すようにプリンタテーブルを所有するグループを確認します。


          # niscat -o printers.org_dir.domain_name.com
                      .
                      .
                      .
                   Group		: "admin.domain_name.com"
        3. 必要なら、printers.org_dir.<domain> ファイルの更新を許可された NIS+ admin グループに、Solaris プリンタマネージャを実行するシステムを追加します。


          # nisgrpadm -a admin.domain_name.com host_name
          
        4. Solaris プリンタマネージャを実行するシステムにスーパーユーザーとしてログインします。NIS+ 構成によっては、/usr/bin/keylogin コマンドも実行しなければならない場合があります。詳細については、keylogin(1) を参照してください。

      • ネームサービスが NIS+ (xfn) の場合は、次の手順を実行しなければならない場合があります。

        1. NIS+ マスターにスーパーユーザーとしてログインします。

        2. フェデレーテッド・ネーミングテーブルを所有するグループを確認します。


          # niscat -o fns.ctx_dir.domain_name.com
                      .
                      .
                      .
                   Group		: "admin.domain_name.com"
        3. 必要なら、fns.ctx_dir. <domain> ファイルの更新を許可された NIS+ admin グループに、Solaris プリンタマネージャを実行するシステムを追加します。


          # nisgrpadm -a admin.domain_name.com host_name
          
        4. Solaris プリンタマネージャを実行するシステムにスーパーユーザーとしてログインします。NIS+ 構成によっては、/usr/bin/keylogin コマンドも実行しなければならない場合があります。詳細については、keylogin(1) を参照してください。

    • SUNWppm パッケージをインストールします。


      # pkginfo | grep SUNWppm
      system      SUNWppm        Solaris Print Manager
  2. 次のいずれかの方法で、Solaris プリンタマネージャを起動します。

    • CDE のワークスペースメニューの「ツール (Tools)」オプションから「プリンタ管理 (Printer Administrator)」を選択します。

    • CDE フロントパネルから「アプリケーション (Applications)」メニューを選択し、アプリケーション (Application Manager) の「システム管理 (System_Admin)」ウィンドウで「プリンタ管理 (Printer Administrator)」アイコンをクリックします。

    • コマンド行から、次のように入力します。


      # /usr/sadm/admin/bin/printmgr &        
      

    Solaris プリンタマネージャのメインウィンドウ上に「ネームサービスを選択 (Select Naming Service)」ウィンドウが重なって表示されます。

    リモートシステムから Solaris プリンタマネージャを使用したい場合は、次のように行います。

    ローカルシステムで xhost コマンドを使用し、リモートシステム表示用のアクセスを与えるには、次のように入力します。


    # xhost +remote-system
    

    次に、リモートシステムにログインして、DISPLAY 環境変数を設定し、Solaris プリンタマネージャを起動します。


    # DISPLAY=local-system:display_number
    # export DISPLAY
    # /usr/sadm/admin/bin/printmgr &
    

    注 –

    CDE メニューやコマンド行から Solaris プリンタマネージャを起動できない場合は、次の確認をしてください。

    1. ローカルシステムやリモートシステムの Xserver プロセスに接続する権限がスーパーユーザー (root) にない可能性があります。その場合は、次のように入力します。


      $ xhost +hostname
      $ su
      (Enter root's password)
      # /usr/sadm/admin/bin/printmgr &
      

      Solaris プリンタマネージャを再起動する前に、ローカルシステムまたはリモートシステムの名前で hostname を置き換えます。

    2. ローカルシステムまたはリモートシステムに SUNWppm パッケージがインストールされていることを確認します。


      $ pkginfo | grep SUNWppm
      

  3. ネットワークで使用されているネームサービスを「ネームサービスを選択 (Select Naming Service)」ウィンドウから選択します。選択肢には NIS+ (xfn)、NIS+、NIS、files があります。

  4. ドメイン名が正しいことを確認します。

    ネームサービスが正常に読み込まれると、Solaris プリンタマネージャのメインウィンドウが表示されます。