Solaris のシステム管理 (上級編)

古いファイルまたは使用されていないファイルの検索と削除

非常に負荷がかかったファイルシステムを整理する作業として、最近使用されていないファイルの特定と削除があります。使用されていないファイルは ls または find コマンドを使用して見つけることができます。詳細は、ls(1)find(1) のマニュアルページを参照してください。

ディスク容量を節約するその他の方法としては、/var/tmp または /var/spool 内にあるような一時ファイルを空にしたり、core ファイルやクラッシュダンプファイルを削除したりするなどが含まれます。クラッシュダンプファイルの詳細は、第 28 章「システムクラッシュ情報の管理 (手順)」を参照してください。

最新ファイルのリストを表示する方法

次のように ls -t コマンドを使用して、最も新しく作成または変更されたファイルから順番にファイルのリストを表示します。


$ ls -t [directory]

-t

最新タイムスタンプのファイルを最初にしてソートする 

directory

検索するディレクトリを指定します。 

例 — 最新ファイルのリストを表示する

次の例は、ls -tl コマンドを使用して、 /var/adm ディレクトリ内で作成または変更された最新のファイルを検索する方法を示しています。 sulog が最も新しく作成または変更されたファイルです。


$ ls -tl /var/adm
total 134
-rw-------   1 root     root         315 Sep 24 14:00 sulog
-r--r--r--   1 root     other     350700 Sep 22 11:04 lastlog
-rw-r--r--   1 root     bin         4464 Sep 22 11:04 utmpx
-rw-r--r--   1 adm      adm        20088 Sep 22 11:04 wtmpx
-rw-r--r--   1 root     other          0 Sep 19 03:10 messages
-rw-r--r--   1 root     other          0 Sep 12 03:10 messages.0
-rw-r--r--   1 root     root       11510 Sep 10 16:13 messages.1
-rw-r--r--   1 root     root           0 Sep 10 16:12 vold.log
drwxr-xr-x   2 root     sys          512 Sep 10 15:33 sm.bin
drwxrwxr-x   5 adm      adm          512 Sep 10 15:19 acct
drwxrwxr-x   2 adm      sys          512 Sep 10 15:19 sa
-rw-------   1 uucp     bin            0 Sep 10 15:17 aculog
-rw-rw-rw-   1 root     bin            0 Sep 10 15:17 spellhist
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Sep 10 15:17 log
drwxr-xr-x   2 adm      adm          512 Sep 10 15:17 passwd

古いファイルと使用されていないファイルを見つけて削除する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように入力して、指定した日数の間アクセスのないファイルを見つけて、ファイルにそれらのリストを書き込みます。


    # find directory -type f [-atime +nnn] [-mtime +nnn] -print > filename
    

    directory

    ファイルを検索するディレクトリを指定する。このディレクトリの下にあるディレクトリも検索する。 

    -atime + nnn

    指定した日数 (nnn) の間アクセスのないファイルを見つける 

    -mtime + nnn

    指定した日数 (nnn) の間変更のないファイルを見つける 

    filename

    使用されないファイルリストを書き込むファイルを指定する

  3. 上の手順でリストに書き込んだ使用されていないファイルを削除します。


    # rm `cat filename`
    

    filename は、前の手順で作成した、使用されていないファイルのリストが入っているファイル

例 — 古いファイルと使用されていないファイルを見つけて削除する

次の例は、/var/adm ディレクトリとサブディレクトリ中の過去 60 日にわたってアクセスされていないファイルを示しています。/var/tmp/deadfiles ファイルには、使用されていないファイルのリストが含まれます。rm コマンドは、これらの使用されていないファイルを削除します。


# find /var/adm -type f -atime +60 -print > /var/tmp/deadfiles &
# more /var/tmp/deadfiles
/var/adm/aculog
/var/adm/spellhist
/var/adm/wtmpx
/var/adm/sa/sa13
/var/adm/sa/sa27
/var/adm/sa/sa11
/var/adm/sa/sa23
/var/adm/sulog
/var/adm/vold.log
/var/adm/messages.1
/var/adm/messages.2
/var/adm/messages.3
# rm `cat /var/tmp/deadfiles`
#

一時ディレクトリを一度にクリアする方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 整理するディレクトリに移動します。


    # cd directory
    

    注意 – 注意 –

    手順 3 を実行する前に、正しいディレクトリにいることを確認してください。手順 3 はカレントディレクトリ内のすべてのファイルを削除します。


  3. カレントディレクトリ内のファイルとサブディレクトリを削除します。


    # rm -r *
    
  4. 不要な一時サブディレクトリやファイル、または古いサブディレクトリやファイルがある他のディレクトリに移動して、手順 3 を繰り返してサブディレクトリやファイルを削除します。

例 — 一時ディレクトリを一度にクリアする

次の例は、どのように mywork ディレクトリを整理するかを示し、すべてのファイルとサブディレクトリが削除されたことを確認する方法を示しています。


# cd mywork
# ls
filea.000
fileb.000
filec.001
# rm -r *
# ls
#

core ファイルを見つけて削除する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. core ファイルを検索したいディレクトリに移動します。

  3. 次のように入力して、ディレクトリとサブディレクトリ内のすべての core ファイルを見つけて削除します。


    # find . -name core -exec rm {} \;
    

例 — core ファイルを見つけて削除する

次の例は、どのように find コマンドを使用して jones のユーザーアカウントから core ファイルを見つけて削除するかを示します。


# cd /home/jones
# find . -name core -exec rm {} \;

クラッシュダンプファイルを削除する方法

クラッシュダンプファイルは非常に大きくなる可能性があります。したがって、必要以上に長期間保存しないでください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 次のように入力して、クラッシュダンプファイルが格納されているディレクトリに移動します。


    # cd /var/crash/system
    

    system は、クラッシュダンプファイルを作成したシステムのことです。


    注意 – 注意 –

    手順 3 を実行する前に、正しいディレクトリにいることを確認してください。手順 3 はカレントディレクトリ内のすべてのファイルを削除します。


  3. クラッシュダンプファイルを削除します。


    # rm *
    
  4. クラッシュダンプファイルが削除されていることを確認します。


    # ls
    

例 — クラッシュダンプファイルを削除する

次の例は、システム venus からどのようにクラッシュダンプファイルを削除するかと、クラッシュダンプファイルが削除されているかを確認する方法を示します。


# cd /var/crash/venus
# rm *
# ls
#