Solaris のシステム管理 (上級編)

バッファー動作をチェックする方法 (sar -b)

sar -b コマンドを使用すると、バッファー動作の統計情報が表示されます。

バッファーは、i ノード、シリンダグループブロック、間接ブロックなどのメタデータをキャッシュするために使用されます。


$ sar -b
00:00:00 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s
01:00:00       0       0     100       0       0      55       0       0

次の表は、-b オプションを指定したときに表示されるバッファー動作を示します。

表 24–8 sar -b コマンドからの出力

フィールド名 

説明 

bread/s

ディスクからバッファーキャッシュに投入された 1 秒当りの平均読み取り数 

lread/s

バッファーキャッシュからの 1 秒当りの平均論理読み取り数 

%rcache

バッファーキャッシュ内で見つかった論理読み込み数の小数部 (lread/s に対する bread/s の比を 100% から差し引いた値)

bwrit/s

バッファーキャッシュからディスクに書き込まれた 1 秒当りの平均物理ブロック数 (512 ブロック) 

lwrit/s

バッファーキャッシュへの 1 秒当りの平均論理書き込み数 

%wcache

バッファーキャッシュ内で見つかった論理書き込み数の小数部 (lwrit/s に対する bwrit/s の比を 100% から差し引いた値)

pread/s

キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当りの平均物理読み取り数 

pwrit/s

キャラクタ型デバイスインタフェースを使用する 1 秒当りの平均物理書き込み要求数 

最も重要なエントリは、キャッシュヒット率 %rcache%wcache です。この 2 つのエントリは、システムバッファーリングの効率を測定します。%rcache が 90% 未満の場合や、%wcache が 65% 未満の場合は、バッファー領域を大きくすればパフォーマンスを改善できる可能性があります。

例 — バッファー動作をチェックする

次のsar -b 出力の例は、すべてのデータは許容範囲に収まっているので、%rcache バッファーと %wcache バッファーが処理速度低下の原因ではないことを示します。すべてのデータは許容範囲に収まっています。


$ sar -b
SunOS venus 5.9 Generic sun4u    06/24/2001

00:00:00 bread/s lread/s %rcache bwrit/s lwrit/s %wcache pread/s pwrit/s
01:00:00       0       0     100       0       0      55       0       0
02:00:02       0       0     100       0       0      55       0       0
03:00:00       0       0     100       0       0      72       0       0
04:00:00       0       0     100       0       0      56       0       0
05:00:01       0       0     100       0       0      55       0       0
06:00:00       0       0     100       0       0      55       0       0

Average        0       0      94       0       0      64       0       0