この章では、ディスク管理の手順について説明します。Solaris システム上でディスクを管理する方法に精通している場合は、この章で説明する多くの内容を読み飛ばすことができます。
ディスク管理に関連した手順の詳細は、ディスクの管理 (作業マップ)を参照してください。
ディスク管理の概要については、第 31 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
システム上のディスクの確認 |
システム上のディスクの種類が分からない場合は、format ユーティリティを使用して確認する。 | |
ディスクのフォーマット |
format ユーティリティを使用して、ディスクがフォーマット済みかどうかを判断する。 | |
|
ほとんどの場合、ディスクはフォーマット済みである。フォーマットする必要があれば、format を使用する。 | |
スライス情報を表示する |
format ユーティリティを使用してスライス情報を表示する。 | |
ディスクラベルの作成 |
format ユーティリティを使用してディスクラベルを作成する。 | |
ディスクラベルの検査 |
prtvtoc コマンドを使用してディスクラベルを検査する。 | |
破損したディスクラベルの復元 |
システム障害または電源障害のために破損したディスクラベルの復元を試みる。 | |
format.dat のエントリの作成 |
サードパーティのディスクをサポートするために format.dat のエントリを作成する。 | |
SCSI ディスクを自動構成する |
特定のドライブタイプが /etc/format.dat ファイルに記載されていない場合でも、ディスクデバイスモードセンスページの SCSI-2 仕様を利用して 、SCSI ディスクを自動構成できる。 | |
欠陥ディスクセクターの検出 |
format ユーティリティを使用して欠陥ディスクセクターを調べる。 | |
欠陥ディスクセクターの修復 (必要な場合) |
format ユーティリティを使用して欠陥ディスクセクターを修復する。 |
format ユーティリティを使用して、システムに接続されているディスクの種類を調べます。また、format ユーティリティを使用して、ディスクがシステムに認識されるかどうかを検査することもできます。format ユーティリティの使用方法 については、第 35 章「format ユーティリティ (参照情報)」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティを使用して、システム上で認識されるディスクを確認します。
# format |
format ユーティリティは、AVAILABLE DISK SELECTIONS という見出しの下に、認識されるディスクのリストを表示します。
次の format 出力は、2 つのディスクを持つシステムのものです。
# format Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t1d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 1. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@3,0 Specify disk (enter its number): |
format の出力は、ディスクの物理デバイス名と論理デバイス名を括弧 <> 内の商品名に対応させています。このため、どの論理デバイス名がシステムに接続されたディスクを表しているかをすぐに識別できます。論理デバイス名と物理デバイス名については、第 29 章「デバイスへのアクセス (概要)」を参照してください。
次の例では、ワイルドカードを使用して、追加コントローラに接続されたディスクを表示します。
# format /dev/rdsk/c2* AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. /dev/rdsk/c2t0d0s0 <SUN2.1G cyl 2733 alt 2 hd 19 sec 80> /io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/QLGC,isp@2,10000/sd@0,0 1. /dev/rdsk/c2t1d0s0 <SUN2.1G cyl 2733 alt 2 hd 19 sec 80> /io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/QLGC,isp@2,10000/sd@1,0 2. /dev/rdsk/c2t2d0s0 <SUN2.1G cyl 2733 alt 2 hd 19 sec 80> /io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/QLGC,isp@2,10000/sd@2,0 3. /dev/rdsk/c2t3d0s0 <SUN2.1G cyl 2733 alt 2 hd 19 sec 80> /io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/QLGC,isp@2,10000/sd@3,0 4. /dev/rdsk/c2t5d0s0 <SUN2.1G cyl 2733 alt 2 hd 19 sec 80> /io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/QLGC,isp@2,10000/sd@5,0 Specify disk (enter its number): |
次の例では、SPARC システム上のディスクを表示します。
# format AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t3d0 <SUN2.1G cyl 2733 alt 2 hd 19 sec 80> /iommu@0,10000000/sbus@0,10001000/espdma@5,8400000/esp@5,8800000/sd@3,0 Specify disk (enter its number): |
format の出力は、ディスク 0 (ターゲット 3) が第 1 の SCSI ホストアダプタ (espdma@...) に接続されており、そのホストアダプタは第 1 の SBus デバイス (sbus@0...) に接続されていることを示しています。また、この出力は物理デバイス名と論理デバイス名をディスクの商品名 SUN2.1G に対応しています。
次の例では、IA システム上のディスクを確認する方法を示します。
# format AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0d0 <DEFAULT cyl 615 alt 2 hd 64 sec 63> /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@0/cmdk@0,0 1. c0d1 <DEFAULT cyl 522 alt 2 hd 32 sec 63> /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@0/cmdk@1,0 2. c1d0 <DEFAULT cyl 817 alt 2 hd 256 sec 63> /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0 Specify disk (enter its number): |
format の出力は、ディスク 0 が最初の PCI ホストアダプタ (pci-ide@7..) に接続され、このアダプタが ATA デバイス (ata...) に接続されていることを示しています。IA システム上での format の出力には、ディスクは商品名では表示されません。
format ユーティリティでディスクが認識されなかった場合は、次の表を参照してください。
ディスクの状態 |
参照先 |
---|---|
ディスクを新しく追加したが、再構成ブートを実行しなかった | |
Sun 以外のディスク | |
電源障害など、システムの問題によってラベルが破損した |
ディスクラベルを作成する方法を参照。 |
ディスクがシステムに正しく接続されていない |
ディスクのハードウェアマニュアルを参照して、ディスクをシステムに接続する。 |
ディスクはメーカーまたは再販業者によってフォーマットされています。通常は再フォーマットしなくてもドライブを取り付けることができます。
次の作業の前にディスクをフォーマットしておかなければなりません。
データの書き込み。ただし、ほとんどのディスクはフォーマット済みです。
Solaris インストールプログラムを使用して行うシステムのインストール
フォーマットは、ディスク上のデータを上書きする、破壊的なプロセスです。このため、通常はメーカーや再販業者のみがディスクをフォーマットします。ディスクに欠陥があるために問題が再発していると思われる場合は、format ユーティリティを使用して表面解析を実行できますが、データを破壊しないコマンドだけを使用するように注意してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
# format |
画面に表示されるリストから、チェックするディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number): 0 |
ディスクがフォーマット済みかを調べます。選択したディスクがフォーマット済みであれば、次のメッセージが表示されます。
[disk formatted]
次の例は、ディスク c0t3d0 がフォーマット済みであることを示しています。
# format AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t1d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 1. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@3,0 Specify disk (enter its number): 0 selecting c0t1d0 [disk formatted] |
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティを起動します。
# format |
画面に表示されるリストから、フォーマットするディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number): 0 |
システムディスクは選択しないでください。システムディスクをフォーマットすると、オペレーティングシステムや、システムディスク上のデータがすべて削除されます。
ディスクのフォーマットを開始するには、format> プロンプトで format と入力します。y と入力してコマンドを確認します。
format> format Ready to format. Formatting cannot be interrupted and takes 26 minutes (estimated). Continue? y |
フォーマットが正常に行われたことを、次のメッセージによって確認します。
Beginning format. The current time Tue ABC xx xx:xx:xx xxxx Formatting... done Verifying media... pass 0 - pattern = 0xc6dec6de 2035/12/18 pass 1 - pattern = 0x6db6db6d 2035/12/18 Total of 0 defective blocks repaired. |
次の例は、ディスク c0t3d0 のフォーマット方法を示します。
# format Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t1d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 1. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@3,0 Specify disk (enter its number):1 Selecting c0t3d0 [disk formatted] format> format Ready to format. Formatting cannot be interrupted and takes 23 minutes (estimated). Continue? yes Beginning format. The current time is Thu Dec 6 09:54:40 2001 Formatting ... done Verifying media... pass 0 - pattern = 0xc6dec6de 2035/12/18 pass 1 - pattern = 0x6db6db6d 2035/12/18 Total of 0 defective blocks repaired. format> |
format ユーティリティを使用すると、ディスクに適切なディスクスライスがあるかどうかをチェックできます。使用したいスライスがディスクに入っていないことが判明した場合は、format ユーティリティを使用してスライスを作成し直し、ディスクにラベルを付けます。ディスクスライスの作成方法については、SPARC: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法または IA: ディスクスライスとディスクラベルを作成する方法を参照してください。
format ユーティリティでは、スライスではなくパーティションという用語を使用します。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティを起動します。
# format |
画面に表示されたリストから、スライス情報を表示するディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number):1 |
パーティションメニューを選択します。
format> partition |
現在のディスクドライブのスライス情報を表示します。
partition> print |
format ユーティリティを終了します。
partition> q format> q # |
特定のスライスのタグとサイズについてスライス情報が表示されることを確認します。
画面の出力に、スライスサイズが割り当てられていないことが示された場合は、ディスクにスライスがないものと思われます。
次の例では、ディスク /dev/rdsk/c0t3d0 のスライス情報を表示します。
# format Searching for disks...done Specify disk (enter its number):1 Selecting c0t3d0 format> partition partition> print Current partition table (original): Total disk cylinders available: 2036 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 300 148.15MB (301/0/0) 303408 1 swap wu 301 - 524 110.25MB (224/0/0) 225792 2 backup wm 0 - 2035 1002.09MB (2036/0/0) 2052288 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 525 - 2035 743.70MB (1511/0/0) 1523088 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 partition> q format> q # |
これらの例に表示されるスライス情報についての説明は、第 31 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。
次の例では、ディスク /dev/dsk/c0t0d0 のスライス情報を表示します。
# format Searching for disks...done Specify disk (enter its number): 0 selecting c0t0d0 [disk formatted] format> partition partition> print Current partition table (original): Total disk cylinders available: 817 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 unassigned wm 3 - 816 6.26GB (814/0/0) 13128192 1 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wm 0 - 816 6.28GB (817/0/0) 13176576 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 8 boot wu 0 - 0 7.88MB (1/0/0) 16128 9 alternates wu 1 - 2 15.75MB (2/0/0) 32256 partition> q format> q |
一般に、ディスクにラベルを付ける操作は、システムのインストール時、または新しいディスクスライスを作成するときに行います。電源障害などが原因でディスクラベルが破損した場合は、ディスクラベルを作成し直さなければならないことがあります。
format ユーティリティは、ラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。format ユーティリティがラベルの付いていないディスクを自動構成できる場合、次のような メッセージが表示されます。
c1t0d0: configured with capacity of 404.65MB
複数のディスクに同じディスクラベルを付ける方法については、prtvtoc と fmthard コマンドを使用して複数のディスクにラベルを付けるを参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティを起動します。
# format |
画面に表示されるリストから、ラベルを作成したいディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number):1 |
次のいずれかを選択します。
Label it now? プロンプトで y と入力して、ディスクにラベルを付けます。
Disk not labeled. Label it now? y |
これでディスクラベルが作成されました。手順 10 に進んで format ユーティリティを終了します。
format> プロンプトで type と入力します。
format> type |
Available Drive Types メニューが表示されます。
ディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[12]: 12 |
または、0 を選択して SCSI-2 ディスクを自動構成します。詳細は、SCSI ドライブを自動構成する方法を参照してください。
ディスクにラベルを付けます。ディスクにラベルが付いていない場合は、次のメッセージが表示されます。
Disk not labeled. Label it now? y |
ディスクラベルが付いている場合は、次のメッセージが表示されます。
Ready to label disk, continue? y |
ディスクラベルを検査します。
format> verify |
format ユーティリティを終了します。
partition> q format> q # |
次の例では、1.05G バイトのディスクを自動構成してラベルを付ける方法を示します。
# format c1t0d0: configured with capacity of 1002.09MB AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 1. c1t0d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 Specify disk (enter its number): 1 Disk not labeled. Label it now? yes format> verify # |
ディスクラベル情報の検査には、prtvtoc コマンドを使用します。ディスクラベルの説明と prtvtoc コマンドで表示される情報については、第 31 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
ディスクラベル情報を表示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/device-name |
device-name には、検査する raw ディスクデバイスを指定してください。
次の例は、ディスク /dev/rdsk/c0t0d0s0 のディスクラベル情報を示しています。
# prtvtoc /dev/rdsk/c0t1d0s0 * /dev/rdsk/c0t1d0s0 partition map * * Dimensions: * 512 bytes/sector * 72 sectors/track * 14 tracks/cylinder * 1008 sectors/cylinder * 2038 cylinders * 2036 accessible cylinders * * Flags: * 1: unmountable * 10: read-only * * First Sector Last * Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory 0 2 00 0 303408 303407 / 1 3 01 303408 225792 529199 2 5 00 0 2052288 2052287 6 4 00 529200 1523088 2052287 /usr |
電源障害やシステム障害が原因で、ディスクが認識されなくなることがあります。このような場合に、必ずしもスライス情報やディスクのデータを作成し直したり、復元しなければならないとは限りません。
破損したディスクラベルを復元する作業の最初の手順は、正しいジオメトリとディスクタイプ情報を使用してディスクにラベルを付けることです。この作業は、通常のディスクラベル作成方法 (自動構成またはディスクタイプの手動指定) で実行できます。
format ユーティリティでディスクタイプが認識されたら、次の手順はバックアップラベルを検索 してディスクにラベルを付けることです。バックアップラベルを使用してディスクにラベルを付けると、ディスクタイプとジオメトリだけでなく、正しいパーティション情報を使用してディスクラベルが作成されます。
システムをシングルユーザーモードにします。
必要であれば、シングルユーザーモードでローカル CD-ROM またはネットワークからシステムをブートして、ディスクにアクセスします。
システムをブートする方法については、第 13 章「SPARC: システムのブート (手順)」または第 14 章「IA: システムのブート (手順)」を参照してください。
# format |
この時点で、format はラベルが付いていない SCSI ディスクを自動構成しようとします。ラベルが付いておらず破損したディスクを自動構成できない場合は、次のメッセージが表示されます。
cwtxdy: configured with capacity of abcMB |
次に、システム上のディスクのリストが表示されます。
画面に表示されたリストから、復元したいディスクの番号を入力します。
Specify disk (enter its number): 1 |
次のいずれかを選択して、ディスクラベルの作成方法を決定します。
バックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. Backup label contents: Volume name = <> ascii name = <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> pcyl = 2038 ncyl = 2036 acyl = 2 nhead = 14 nsect = 72 Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 300 148.15MB (301/0/0) 303408 1 swap wu 301 - 524 110.25MB (224/0/0) 225792 2 backup wm 0 - 2035 1002.09MB (2036/0/0) 2052288 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 usr wm 525 - 2035 743.70MB (1511/0/0) 1523088 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 |
format ユーティリティがバックアップラベルを検出することができ、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行して、ディスクにバックアップラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label |
これで、ディスクラベルが復元されました。手順 12 へ進みます。
format でディスクを自動構成できなかった場合は、type コマンドを使用してディスクタイプを指定します。
format> type |
Available Drives Type メニューが表示されます。
0 を選択してディスクを自動構成するか、またはディスクタイプの候補のリストからディスクタイプを選択します。
Specify disk type (enter its number)[12]: 12 |
ディスクが正常に自動構成された場合は、ディスクラベルを作成するかどうか尋ねるプロンプトが表示されたときに no と応答します。
Disk not labeled. Label it now? no |
verify コマンドを使用してバックアップラベルを検索します。
format> verify Warning: Could not read primary label. Warning: Check the current partitioning and 'label' the disk or use the 'backup' command. . . . |
format ユーティリティがバックアップラベルを検出することができ、その内容が適切な場合は、backup コマンドを実行して、ディスクにバックアップラベルを付けます。
format> backup Disk has a primary label, still continue? y Searching for backup labels...found. Restoring primary label |
これで、ディスクラベルが復元されました。
format ユーティリティを終了します。
format> q |
fsck コマンドを使用して、復元されたディスク上のファイルシステムを確認します。
fsck コマンドの使用方法については、第 42 章「UFS ファイルシステムの整合性チェック (手順)」を参照してください。
Solaris 環境では、Sun 製品以外の多数のディスクがサポートされます。ただし、ディスクを認識させるためには、デバイスドライバか、format.dat エントリのいずれか 1 つ、またはその両方を用意しなければならない場合があります。ディスク追加時のその他のオプションを、次に示します。
SCSI ディスクを追加する場合、format ユーティリティの自動構成機能の使用を試みることができます。詳細は、SCSI ディスクドライブの自動構成を参照してください。
PCI、SCSI、または USB ディスクのホットプラグを試みることもできます。詳細は、第 26 章「デバイスの管理 (手順)」を参照してください。
Sun 以外のディスクが標準の SunOS 互換デバイスドライバで機能するように設計されている場合は、適切な format.dat エントリを作成するだけで、ディスクは format ユーティリティに認識されるはずです。それ以外の場合は、そのディスクをサポートするために Sun 以外のデバイスドライバをロードする必要があります。
Sun の format ユーティリティが Sun 以外の製品のどのディスクドライバでも正常に機能するとは限りません。ディスクドライバに Solaris の format ユーティリティとの互換性がない場合は、ディスクドライブのベンダーが独自のフォーマットプログラムを提供しているはずです。
ここでは、ソフトウェアサポートのいずれかが不足している場合に必要な作業について説明します。一般に、format ユーティリティを起動し、ディスクタイプが認識されないなどという場合に、不足しているソフトウェアサポートがあることがわかります。
この節の説明にしたがって不足しているソフトウェアを用意してから、第 33 章「SPARC: ディスクの追加 (手順)」または第 34 章「IA: ディスクの追加 (手順)」で説明されている、システムディスクまたは二次ディスクを構成する手順を参照してください。
認識されないディスクは、そのディスクのジオメトリと運用パラメータに関する正確な情報がなければフォーマットできません。この情報は、/etc/format.dat ファイル内で指定します。
SCSI-2 ドライブには format.dat のエントリは不要です。再構成ブート時にドライブに電源が投入されていれば、format ユーティリティは SCSI-2 ドライブを自動的に構成します。SCSI ディスクドライブを自動構成する手順については、SCSI ドライブを自動構成する方法を参照してください。
ディスクが認識されない場合は、テキストエディタを使用して format.dat にディスクのエントリを作成します。作業を始める前に、ディスクとそのコントローラに関連するすべての技術仕様を収集する必要があります。この情報はディスクと一緒に提供されているはずです。提供されない場合は、ディスクメーカーまたは購入先に問い合わせてください。
/etc/format.dat ファイルのコピーを作成します。
# cp /etc/format.dat /etc/format.dat.gen |
第 35 章「format ユーティリティ (参照情報)」で説明する format.dat 情報を使用して、/etc/format.dat ファイルに、Sun 以外の製品のディスクのエントリを入力します。
ディスクのハードウェア製品マニュアルを参照して、必要な情報を収集してください。
/etc/format.dat ファイルに特定のドライブタイプが含まれていない場合でも、format ユーティリティは SCSI ディスクドライブを自動的に構成します。この機能によって、ディスクデバイスモード検知に関するSCSI-2 仕様に準拠しているディスクドライブで、フォーマット、スライス作成、およびラベル作成を行うことができます。
ディスクの追加に関するその他のオプションを、次に示します。
SCSI ディスクを追加する場合、format ユーティリティの自動構成機能の使用を試みることができます。詳細は、SCSI ディスクドライブの自動構成を参照してください。
PCI、SCSI、または USB ディスクのホットプラグを試みることもできます。詳細は、第 26 章「デバイスの管理 (手順)」を参照してください。
自動構成を使用して SCSI ドライブを構成する場合、次の手順を実行します。
システムをシャットダウンする。
SCSI ディスクドライブをシステムに接続する。
ディスクドライブの電源をオンにする。
再構成用ブートを実行する。
format ユーティリティを使用して SCSI ディスクドライブを自動構成する。
再構成ブートを実行した後に、format ユーティリティを呼び出します。format ユーティリティはディスクを構成しようとし、成功すると、ディスクが構成されたことを示すメッセージを表示します。SCSI ディスクドライブを自動構成する手順については、SCSI ドライブを自動構成する方法を参照してください。
1.3G バイトのSCSI ディスクドライブに関して、format ユーティリティが表示するパーティションテーブルの例を、次に示します。
Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 96 64.41MB (97/0/0) 1 swap wu 97 - 289 128.16MB (193/0/0) 2 backup wu 0 - 1964 1.27GB (1965/0/0) 6 usr wm 290 - 1964 1.09GB (1675/0/0) |
SCSI 自動構成機能の使用方法の詳細は、第 35 章「format ユーティリティ (参照情報)」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
システムのブート時に読み込まれる /reconfigure ファイルを作成します。
# touch /reconfigure |
システムをシャットダウンします。
# shutdown -i0 -gn -y |
-i0 |
システムを init レベル 0 (電源切断) にする。 |
-gn |
ログインしているユーザーに、n 秒後にシステムのシャットダウンを開始することを通知する。 |
-y |
ユーザーの介入なしでコマンドを実行するように指定する。 |
システムのシャットダウン後に、ok というプロンプトが表示されます。
システムとすべての外部周辺デバイスの電源を切ります。
追加しようとするディスクに、システム上の他のデバイスとは異なるターゲット番号が設定されているかどうかを確認します。
通常は、ディスクの裏側にそのための小型のスイッチが付いています。
ディスクがシステムに正しく接続されているかどうかを確認します。
インストールについての詳細は、ディスクのハードウェアインストールガイドを参照してください。
すべての外部周辺デバイスの電源を入れます。
システムの電源を入れます。
システムがブートし、ログインプロンプトが表示されます。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けて、再度ログインします。
format ユーティリティを起動して、自動構成するディスクを選択します。
# format Searching for disks...done c1t0d0: configured with capacity of 1002.09MB AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t1d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 1. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@3,0 Specify disk (enter its number): 1 |
プロンプトで y と入力してディスクにラベルを付けます。
y と入力すると、SCSI 自動構成機能により、ディスクラベルの生成およびディスクへの書き込みが実行されます。
Disk not labeled. Label it now? y |
ディスクラベルを検査します。
format> verify |
format> q |
システム上のディスクに欠陥セクターが存在する場合は、次の手順にしたがって修復できます。欠陥セクターを発見するのは次のような場合です。
ディスク上で表面解析を実行した場合
format ユーティリティの解析機能については、analyze メニューを参照してください。
システムの実行中にレポートされる欠陥領域は正確ではない場合があります。システムは一度に多数のセクターでディスク処理を実行するので、通常は、どのセクターが所定のエラーの原因かを正確に突き止めるのは困難です。正確なセクターを検出するには、表面解析を使用して欠陥セクターを調べる方法を参照してください。
システムの実行中に、ディスクドライバからディスクの特定部分に関して多数のエラーメッセージが表示される場合
ディスクエラーに関連するメッセージは次のように出力されます。
WARNING: /io-unit@f,e0200000/sbi@0,0/QLGC,isp@1,10000/sd@3,0 (sd33): Error for command 'read' Error Level: Retryable Requested Block 126, Error Block: 179 Sense Key: Media Error Vendor 'name': ASC = 0x11 (unrecovered read error), ASCQ = 0x0, FRU = 0x0 |
上記のコンソールメッセージは、ブロック 179 が不良であることを示しています。format ユーティリティの repair コマンドを使用して欠陥ブロックを配置し直すか、修復オプションを有効にして analyze コマンドを実行してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
欠陥セクターの存在するスライス内のファイルシステムをマウント解除します。
# umount /dev/dsk/device-name |
詳細は、mount(1M) のマニュアルページを参照してください。
format ユーティリティを起動します。
# format |
調べるディスクを選択します。
Specify disk (enter its number):1 selecting c0t2d0: [disk formatted] Warning: Current Disk has mounted partitions. |
analyze メニューを選択します。
format> analyze |
analyze> プロンプトで setup と入力して、検索手順に使用する解析パラメータを設定します。
次のパラメータを使用してください。
analyze> setup Analyze entire disk [yes]? n Enter starting block number [0, 0/0/0]: 12330 Enter ending block number [2052287, 2035/13/71]: 12360 Loop continuously [no]? y Repair defective blocks [yes]? n Stop after first error [no]? n Use random bit patterns [no]? n Enter number of blocks per transfer [126, 0/1/54]: 1 Verify media after formatting [yes]? y Enable extended messages [no]? n Restore defect list [yes]? y Create defect label [yes]? y |
read コマンドを使用して欠陥を見つけます。
analyze> read Ready to analyze (won't harm SunOS). This takes a long time, but is interruptible with Control-C. Continue? y pass 0 2035/12/1825/7/24 pass 1 Block 12354 (18/4/18), Corrected media error (hard data ecc) 25/7/24 ^C Total of 1 defective blocks repaired. |
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
format ユーティリティを起動します。
# format |
欠陥セクターの存在するディスクを選択します。
Specify disk (enter its number): 1 selecting c0t3d0 [disk formatted] format> |
repair コマンドを選択します。
format> repair |
欠陥ブロック番号を入力します。
Enter absolute block number of defect: 12354 Ready to repair defect, continue? y Repairing block 12354 (18/4/18)...ok. format> |
format を使って欠陥セクターを調べる方法については、表面解析を使用して欠陥セクターを調べる方法を参照してください。
次のヒントに従って、ディスクの管理効率を高めることができます。
format -M と入力して、ATA および SCSI デバイス用の拡張および診断メッセージを有効にします。
次の例では、Inquiry: の下の一連の数字は、その右側に表示されている inquiry データの 16 進値を表わします。
# format -M Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t1d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@1,0 1. c0t3d0 <SUN1.05 cyl 2036 alt 2 hd 14 sec 72> /iommu@f,e0000000/sbus@f,e0001000/espdma@f,400000/esp@f,800000/sd@3,0 Specify disk (enter its number): 0 selecting c0t3d0 [disk formatted] format> inquiry Inquiry: 00 00 02 02 8f 00 00 12 53 45 41 47 41 54 45 20 ........NAME.... 53 54 31 31 32 30 30 4e 20 53 55 4e 31 2e 30 35 ST11200N SUN1.05 38 33 35 38 30 30 30 33 30 32 30 39 00 00 00 00 835800030209.... 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 ................ 00 43 6f 70 79 72 69 67 68 74 20 28 63 29 20 31 .Copyright (c) 1 39 39 32 20 53 65 61 67 61 74 65 20 41 6c 6c 20 992 NAME All 72 69 67 68 74 73 20 72 65 73 65 72 76 65 64 20 rights reserved 30 30 30 000 Vendor: name Product: ST11200N SUN1.05 Revision: 8358 format> |
prtvtoc コマンドと fmthard コマンドを使用して、同じディスクジオメトリを持つ複数のディスクにラベルを付けます。
この for ループをスクリプト内で使用して、1 台のディスクからディスクラベルをコピーし、複数のディスク上で複製します。
# for i in x y z > do > prtvtoc /dev/rdsk/cwtxdysz | fmthard -s - /dev/rdsk/cwt${i}d0s2 > done |
この例では、ディスクラベルがディスク c2t0d0s0 から他の 4 台のディスクにコピーされます。
# for i in 1 2 3 5 > do > prtvtoc /dev/rdsk/c2t0d0s0 | fmthard -s - /dev/rdsk/c2t${i}d0s2 > done fmthard: New volume table of contents now in place. fmthard: New volume table of contents now in place. fmthard: New volume table of contents now in place. fmthard: New volume table of contents now in place. # |