Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

ポリシーの管理

この節では、SEAM ツールを使用してポリシーを管理する手順について説明します。対応するコマンド行がある場合は、その例も示します。

ポリシーの管理 (作業マップ)

作業 

説明 

参照先 

ポリシーの一覧の表示 

「Policies」タブをクリックして、ポリシーの一覧を表示する 

ポリシーの一覧を表示する方法

ポリシーの属性の表示 

「Policy List」からポリシーを選択し、「Modify」ボタンをクリックして、ポリシーの属性を表示する 

ポリシーの属性を表示する方法

新しいポリシーの作成 

「Policy List」パネルの「Create New」ボタンをクリックして、新しいポリシーを作成する 

新しいポリシーを作成する方法

ポリシーの複製 

複製するポリシーを「Policy List」ポリシーから選択し、「Duplicate」ボタンをクリックして、ポリシーを複製する 

ポリシーを複製する方法

ポリシーの変更 

変更するポリシーを「Policy List」ポリシーから選択し、「Modify」ボタンをクリックして、ポリシーを変更する 

ポリシー名は変更できない。ポリシー名を変更するときは、ポリシーを複製し、新しい名前を指定して保存してから、古いポリシーを削除する必要がある 

ポリシーを変更する方法

ポリシーの削除 

削除するポリシーを「Policy List」ポリシーから選択し、「Delete」ボタンをクリックして、ポリシーを削除する 

ポリシーを削除する方法

ポリシーの一覧を表示する方法

対応するコマンド行の例は、この手順のあとに示します。

  1. 必要に応じて、SEAM ツールを起動します。

    詳細は、SEAM ツールを起動する方法を参照してください。

  2. 「Policies」タブをクリックします。

    ポリシーの一覧が表示されます。

    「SEAM Administration Tool」ウィンドウに、ポリシーの一覧、一覧用フィルタ、「Modify」「Create New」「Delete」「Duplicate」のボタンが表示されています。
  3. 特定のポリシーを表示するか、ポリシーの部分リストを表示します。

    「Filter」フィールドにフィルタ文字列を入力して、Return キーを押します。フィルタが正常終了すると、フィルタに一致するポリシーの一覧が表示されます。

    フィルタ文字列は、1 文字以上の文字列である必要があります。フィルタメカニズムでは大文字と小文字が区別されるため、大文字と小文字を正しく指定する必要があります。たとえば、フィルタ文字列に ge と入力すると、ポリシー名に文字列 ge を含むポリシー (georgeedge など) だけが表示されます。

    すべてのポリシーを表示するには、「Clear Filter」をクリックします。

例 — ポリシーの一覧の表示 (コマンド行)

次の例では、kadminlist_policies コマンドを使用して、*user* と一致するすべてのポリシーを表示します。list_policies コマンドでは、ワイルドカードを使用できます。


kadmin: list_policies *user*
testuser
enguser
kadmin: quit

ポリシーの属性を表示する方法

対応するコマンド行の例は、この手順のあとに示します。

  1. 必要に応じて、SEAM ツールを起動します。

    詳細は、SEAM ツールを起動する方法を参照してください。

  2. 「Policies」タブをクリックします。

  3. 表示するポリシーを一覧から選択して、「Modify」をクリックします。

    「Policy Details」パネルが表示されます。

  4. 表示を終了する場合は、「Cancel」をクリックします。

例 — ポリシーの属性の表示

次の例は、test ポリシーを表示したときの「Policy Details」パネルです。

「SEAM Administration Tool」ウィンドウに、「enguser」ポリシーの詳細が表示されています。「Save」「Previous」「Done」「Cancel」ボタンもあります。

例 — ポリシーの属性の表示 (コマンド行)

次の例では、kadminget_policy コマンドを使用して、enguser ポリシーの属性を表示します。


kadmin: get_policy enguser
Policy: enguser
Maximum password life: 2592000
Minimum password life: 0
Minimum password length: 8
Minimum number of password character classes: 2
Number of old keys kept: 3
Reference count: 0
kadmin: quit

参照数は、このポリシーを使用する主体の数です。

新しいポリシーを作成する方法

対応するコマンド行の例は、この手順のあとに示します。

  1. 必要に応じて、SEAM ツールを起動します。

    詳細は、SEAM ツールを起動する方法を参照してください。

  2. 「Policies」タブをクリックします。

  3. 「New」をクリックします。

    「Policy Details」パネルが表示されます。

  4. 「Policy Name」フィールドにポリシー名を指定します。

    ポリシー名は必須です。

  5. ポリシーの属性の値を指定します。

    「Help」メニューから「Context-Sensitive Help」を選択すると、このウィンドウの属性に関する情報が表示されます。ポリシーのすべての属性の説明については、表 11–5 を参照してください。

  6. 「Save」をクリックしてポリシーを保存するか、「Done」をクリックします。

例 — 新しいポリシーの作成

次の例では、build11 という新しいポリシーを作成します。「Minimum Password Classes」は、3 に設定されています。

「SEAM Administration Tool」ウィンドウに、「build11」ポリシーの詳細が表示されています。「Save」「Previous」「Done」「Cancel」ボタンもあります。

例 — 新しいポリシーの作成 (コマンド行)

次の例では、kadminadd_policy コマンドを使用して、build11 ポリシーを作成します。このポリシーのパスワードには、3 種類以上の文字クラスが必要です。


$ kadmin
kadmin: add_policy -minclasses 3 build11
kadmin: quit

ポリシーを複製する方法

この手順では、既存のポリシーの一部またはすべてを使用して、新しいポリシーを作成する方法について説明します。この手順に対応するコマンド行はありません。

  1. 必要に応じて、SEAM ツールを起動します。

    詳細は、SEAM ツールを起動する方法を参照してください。

  2. 「Policies」タブをクリックします。

  3. 複製するポリシーを一覧から選択して、 「Duplicate」をクリックします。

    「Policy Details」パネルが表示されます。選択したフィールドのすべての属性が複製されます。ただし、「Policy Name」フィールドは空で表示されます。

  4. 複製するポリシー名を「Policy Name」フィールドに指定します。

    ポリシー名は必須です。選択したポリシーをそのまま複製するには、「Save」をクリックして 手順 6 に進みます

  5. ポリシーの属性に別の値を指定します。

    「Help」メニューから「Context-Sensitive Help」を選択すると、このウィンドウの属性に関する情報が表示されます。ポリシーのすべての属性の説明については、表 11–5 を参照してください。

  6. 「Save」をクリックしてポリシーを保存するか、「Done」をクリックします。

ポリシーを変更する方法

対応するコマンド行の例は、この手順のあとに示します。

  1. 必要に応じて、SEAM ツールを起動します。

    詳細は、SEAM ツールを起動する方法を参照してください。

  2. 「Policies」タブをクリックします。

  3. 変更するポリシーを一覧から選択して「Modify」をクリックします。

    「Policy Details」パネルが表示されます。

  4. ポリシーの属性を変更します。

    「Help」メニューから「Context-Sensitive Help」を選択すると、このウィンドウの属性に関する情報が表示されます。ポリシーのすべての属性の説明については、表 11–5 を参照してください。


    注 –

    ポリシー名は変更できません。ポリシー名を変更するときは、ポリシーを複製し、新しい名前を指定して保存してから、古いポリシーを削除する必要があります。


  5. 「Save」をクリックしてポリシーを保存するか、「Done」をクリックします。

例 — ポリシーの変更 (コマンド行)

次の例では、kadminmodify_policy コマンドを使用して、build11 ポリシーの最小パスワード長を 5 文字に変更します。


$ kadmin
kadmin: modify_policy -minlength 5 build11
kadmin: quit

ポリシーを削除する方法

対応するコマンド行の例は、この手順のあとに示します。

  1. 必要に応じて、SEAM ツールを起動します。

    詳細は、SEAM ツールを起動する方法を参照してください。

  2. 「Policies」タブをクリックします。


    注 –

    ポリシーを削除する前に、現在使用しているすべての主体からそのポリシーを取り消す必要があります。ポリシーを取り消すには、その主体の「Policy」属性を変更する必要があります。任意の主体が使用しているポリシーは、削除できません。


  3. 削除するポリシーを一覧から選択して、 「Delete」をクリックします。

    削除を確定すると、ポリシーが削除されます。

例 — ポリシーの削除 (コマンド行)

次の例では、kadmindelete_policy コマンドを使用して、build11 ポリシーを削除します。


kadmin: delete_policy build11 
Are you sure you want to delete the policy "build11"? (yes/no): yes
kadmin: quit

ポリシーを削除する前に、現在使用しているすべての主体からそのポリシーを取り消す必要があります。ポリシーを取り消すには、関係する主体に対して kadminmodify_principal -policy コマンドを使用する必要があります。そのポリシーが主体に使用されている場合は、delete_policy コマンドは失敗します。