Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

ファイルの所有権の変更

この節では、ファイルの所有権とグループ所有権の変更方法について説明します。

デフォルトでは、所有者は chown コマンドを使用して、ファイルやディレクトリの所有者を変更できません。ただし、次の行をシステムの /etc/system ファイルに追加して、システムをリブートすると、所有者は chown コマンドを使用できるようになります。


set rstchown = 0

詳細は、chown(1) のマニュアルページを参照してください。

またデフォルトでは、所有者は chgrp コマンドを使用しても、ファイルのグループをその所有者が属するグループ以外には変更できません。たとえば、ファイルの所有者が staffsysadm グループだけに属する場合、所有者は、ファイルのグループを staff または sysadm グループ以外には変更できません。

ただし、次の行をシステムの /etc/system ファイルに追加して、システムをリブートすると、所有者は、ファイルのグループを、所有者が属していないグループにも変更できるようになります。


set rstchown = 0

詳細は、chgrp(1) のマニュアルページを参照してください。

また、NFS マウントされているファイルシステム上で所有権およびグループを変更するときは、他にも制約があることに注意してください。

ファイルの所有者を変更する方法

次の手順でファイルの所有権を変更します。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

  2. chown コマンドを使用してファイルの所有者を変更します。


    # chown new-owner  filename
    

    new-owner

    ファイルまたはディレクトリの新しい所有者のユーザー名または UID を指定する 

    filename

    ファイルまたはディレクトリを指定する 

  3. ファイルの所有者が変更されていることを確認します。


    # ls -l filename
    

例 — ファイルの所有者を変更する

次の例では、myfile の所有権をユーザー rimmer に変更します。


# chown rimmer myfile
# ls -l myfile
-rw-r--r--   1 rimmer   scifi   112640 May 24 10:49 myfile

ファイルのグループ所有権を変更する方法

次の手順を使用して、ファイルのグループ所有権を変更します。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

  2. chgrp コマンドを使用して、ファイルのグループ所有者を変更します。


    # chgrp group filename
    

    group

    ファイルまたはディレクトリの新しいグループ名または GID を指定する 

    filename

    ファイルまたはディレクトリを指定する 

    グループの設定については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「ユーザーアカウントとグループの管理 (概要)」を参照してください。

  3. ファイルの所有者が変更されていることを確認します。


    # ls -l filename
    

例 — ファイルのグループ所有権を変更する

次の例では、myself の所有権をグループ scifi に変更します。


# chgrp scifi myfile
# ls -l myfile
-rwxrw-- 1 rimmer scifi 12985 Nov 12 16:28 myfile