Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

RBAC : スーパーユーザーモデルの置き換え

従来の UNIX システムでは、root ユーザー (スーパーユーザー) はすべての権限を持ちます。つまり、任意のファイルに対する読み取り権と書き込み権、すべてのプログラムの実行権、および任意のプロセスに終了シグナルを送信する権限があります。スーパーユーザーになるユーザーは、事実上、使用するサイトのファイアウォールを変更したり、監査トレールを変更したり、給与台帳などの機密レコードを読み取ったり、ネットワーク全体をシャットダウンしたりすることができます。

役割によるアクセス制御 (RBAC) は、スーパーユーザーモデルの権限をすべて与えるか、またはまったく与えないかの機能を置き換えます。RBAC では、基本的に最小限の特権以外は許可しません。つまり、そのユーザーに必要な特権だけを許可します。RBAC を使用すると、組織はスーパーユーザーの機能を分割して、それらを「役割」と呼ばれる特殊なユーザーアカウントに割り当てることができます。役割は、ジョブ要件に応じて、特定のユーザーに割り当てます。

役割は柔軟に設定できるため、さまざまなセキュリティポリシーに対応できます。RBAC には、簡単に設定できる次の 3 つの推奨される役割が用意されています。

これらの役割の実装は、必須ではありません。役割は、組織のセキュリティ要件に応じて設定する機能です。役割は、セキュリティ、ネットワーク、ファイアウォールの管理など、特定の目的の管理に合わせて設定できます。担当するシステムの修正権限だけを持つ管理ユーザーという役割と 1 人の強力な管理者という役割を作成することもできます。