IPv6 の管理

6to4 派生のアドレス指定

ネイティブ IPv6 ルーターの場合と同様に、/etc/inet/ndpd.conf の中の 6to4 プレフィックスから派生したサブネットプレフィックスを通知する必要があります。次の図は、6to4 サイトのプレフィックスの構成を示しています。各部の説明は、6to4 プレフィックスの書式6to4 通知の例を参照してください。

図 4–4 サイトプレフィックスの構成

この図は 6to4 サイトプレフィックスの書式を示すとともに、サイトプレフィックスの例を示しています。ここに挙げられている表は、図内の情報について説明しています。

次の図は、ndpd.conf ファイルに指定する 6to4 サイトのサブネットプレフィックスの構成を示しています。

図 4–5 サブネットプレフィックスの構成

この図は 6to4 プレフィックスの書式を示すとともに、プレフィックスの例を示しています。以下の段落では、この図内の情報について説明しています。

6to4 プレフィックスの書式

上記の図に示した書式には以下の要素が含まれます。

構成要素 

長さ 

定義 

プレフィックス 

16 ビット 

6to4 プレフィックス 2002 (0x2002) 

IPv4 アドレス 

32 ビット 

6to4 インタフェースですでに設定されている一意の IPv4 アドレス。通知のために、ドット付きの 10 進表記ではなく 16 進表記の IPv4 アドレスを指定する 

Subnet ID 

16 ビット 

サブネット ID。これは、6to4 サイトにおけるリンクで一意となる値でなければならない 

6to4 通知の例

上記図の例では以下の値を使用しています。

通知の要素 

対応する値 

6to4 プレフィックス 

2002  

IPv4 アドレス 

8192:56bb。これは IPv4 アドレス 129.146.87.188 に対応するもの 

Subnet ID 

/64 

プレフィックスの長さ 

ホストにおける 6to4 派生のアドレス指定

ルーター通知によって 6to4 派生のプレフィックスを受信する際、IPv6 ホストはインタフェース上の 6to4 派生アドレスを自動的に設定し直します。このアドレスの書式は以下のとおりです。


prefix:IPv4 address:subnet ID:host ID/64

6to4 インタフェースを持つホストで ifconfig –a を実行すると、以下のような結果となります。


qfe1:3: flags=2180841<UP,RUNNING,MULTICAST,ADDRCONF,ROUTER,IPv6>
 mtu 1500 index 7
        inet6 2002:8192:56bb:9258:a00:20ff:fea9:4521/64 

6to4 派生アドレスは、ifconfig の出力結果の中で inet6 のあとに続きます。

アドレスの構成要素 

対応する値 

Prefix

2002。これは 6to4 プレフィックス 

IPv4 value

8192:56bb。これは、6to4 ルーターで設定されている 6to4 擬似インタフェースに対する 16 進表記による IPv4 アドレス 

subnet ID

9258。これは、このホストの所属先であるサブネットのアドレス 

MAC address

a00:20ff:fea9:4521。これは、現在 6to4 に設定されているホストインタフェースのリンク層アドレス