Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

NFS の用語

ここでは、NFS サービスを使用するために必要な基本用語について説明します。NFS サービスの詳細は、第 16 章「リモートファイルシステムへのアクセス (リファレンス)」で説明します。

NFS サーバーとクライアント

クライアントとサーバーという用語は、コンピュータがファイルシステムを共有するときの役割を示すものです。ネットワークを介してファイルシステムを提供するコンピュータは、サーバーの役割を果たします。そのファイルシステムにアクセスしているコンピュータをクライアントと呼びます。NFS を使用することによって、どのコンピュータからも他のコンピュータのファイルシステムにアクセスでき、同時に自分のファイルシステムへのアクセスも可能になります。ネットワーク上では 1 台のコンピュータがクライアントかサーバー、またはその両方の役割として動作することができます。

クライアントは、サーバーの共有ファイルシステムをマウントすることによってサーバーのファイルにアクセスします。クライアントがリモートファイルシステムをマウントしたとき、ファイルシステムがコピーされるのではありません。マウントプロセスでは一連のリモート手続き呼び出しによって、クライアントからサーバーのディスク上にあるファイルシステムに透過的にアクセスできるようになります。マウントはローカルマウントのように行われます。ユーザーはファイルシステムがローカルにあるのと同じようにコマンドを入力します。ファイルシステムをマウントする方法については、ファイルシステムのマウント を参照してください。

サーバーのファイルシステムは、NFS オペレーションによって共有すると、クライアントからアクセスできるようになります。NFS ファイルシステムは、autofs を使用すると自動的にマウントできます。share コマンドと autofs に関連する作業については、ファイルシステムの自動共有autofs 管理作業の概要 を参照してください。

NFS ファイルシステム

NFS サービスで共有できるオブジェクトは、ファイル階層の全体、またはその一部です。ファイルを 1 つだけ共有することもできます。すでに共有しているファイル階層と重複するファイル階層は共有できません。モデムやプリンタなどの周辺機器も共有できません。

多くの UNIX システム環境で共有されるファイル階層構造は、1 つのファイルシステム、またはその一部です。しかし NFS サポートは複数のオペレーティングシステムにまたがって動作しますが、ファイルシステムという考え方は UNIX 以外の環境では通用しません。したがって、ファイルシステムという語は、NFS でマウントし共有したファイルまたはファイル階層構造を指します。