Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

SLP プロキシ登録による通知

サービス通知は、サービス URL を特定する行、オプションのスコープ行、一連の属性の定義から構成されます。SLP デーモンはファイルからプロキシ通知を読み、その通知を登録し、SA クライアントと同じようにそれらを保持します。次のリストは、プロキシ登録ファイルの例を示します。

この例では、LPR プロトコルをサポートするレガシープリンタと ftp サーバーが通知されています。行番号は説明のために付け加えたもので、実際のファイルには記述されていません。


 1#Advertise legacy printer. 
 2
 3service:lpr://bizserver/mainspool,en,65535
 4scope=eng,corp
 5make-model=Laserwriter II
 6location-description=B16-2345
 7color-supported=monochromatic
 8fonts-supported=Courier,Times,Helvetica 9 10
 9
10#Advertise FTP server
11
12ftp://archive/usr/src/public,en,65535,src-server
13content=Source code for projects
14

注 –

プロキシ登録ファイルは、ASCII でない文字のエスケープに、構成ファイルと同じ取り決めを使用します。プロキシ登録ファイルのフォーマットについては、RFC 2614 を参照してください。


表 21–1 SLP プロキシ登録ファイルの説明

行番号 

説明 

1 と 10 

シャープ記号 (#) で始まるコメント行で、ファイルの動作には影響しない。コメント行の最後まですべての文字が無視される 

2、9、14 

通知の区切りを示す空行 

3、12 

3 つの必須フィールドと 1 つのオプションフィールドがコンマで区切られたサービス URL

  • 一般的な URL または service: URL が通知される。service: URL の指定方法の仕様については、RFC 2609 を参照

  • 通知の言語を指定する。前述の例では、フィールドは英語 en を指定している。この言語は RFC 1766 の言語タグである

  • 登録の有効期限を秒単位で規定する。有効期限は符号なしの 16 ビット整数に限定される。有効期限が最大値 65535 より小さい場合、slpd は通知をタイムアウトする。有効期限が 65535 の場合、slpd は定期的に通知を更新し、slpd が存在するかぎり有効期限は永続するとされる

  • サービスタイプフィールド (省略可) – サービスタイプの定義に使用する。サービス URL が定義されている場合は、URL が通知されるサービスタイプを変更できる。前述のプロキシ登録ファイルの例では、12 行目に一般的な FTP URL が含まれている。オプションのタイプフィールドを使用して、この URL をサービスタイプ名 src-server で通知できる。デフォルトでは service 接頭辞はタイプ名には付かない

スコープの指定 

オプション行はトークン scope と等号、およびコンマで区切られたスコープ名のリストで構成される。このスコープ名は、net.slp.useScopes 構成プロパティで定義されている。ホストに構成されたスコープだけが、このスコープリストに表示される。スコープ行がない場合は、slpd が構成されているすべてのスコープに登録が行われている。スコープ行は URL 行のすぐ後になければならない。その他の場所にある場合、スコープ名は属性として認識される

5–8 

属性の定義 

オプションのスコープ行の後は、サービス通知の大部分は属性と値リストのペアの行で構成される。各ペアは属性タグ、等号、コンマで区切られた属性値のリスト (属性が単一値の場合は単一値) で構成される。前述のプロキシ登録ファイルの例では、8 行目が複数の値を持つ属性リストを示している。これ以外の値リストはすべて単一値を持っている。属性名および値のフォーマットは、ネットワークを通過する SLP メッセージと同じである