Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

代替構成を使用したメール配信の管理 (手順)

送受信されるメールの転送を容易にするため、sendmail の新しいデフォルトの構成は、デーモンとクライアントキューランナーを使用します。デーモンを無効にしている場合は、次の作業を行います。詳細は、新しい構成ファイル submit.cf を参照してください。

sendmail.cf の代替構成を使ってメール配信を管理する方法

sendmail のデフォルトの構成では、クライアントキューランナーは、ローカルの SMTP ポートのデーモンにメールを送信できなければなりません。デーモンが SMTP ポート上で待機していない場合、メールはキューに留まります。この問題を避けるには、次の作業を行います。デーモンとクライアントキューランナーについての詳細、およびこの代替構成を使用する必要性を理解するには、新しい構成ファイル submit.cf を参照してください。

この手順を実行すると、デーモンは、ローカルホストからの接続を受け付けるためだけに動作するようになります。

  1. スーパーユーザーになるか、またはそれと同等の役割になります。

    役割については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「特権付きアプリケーションの使用」を参照してください。

  2. sendmail を停止します。


    # /etc/init.d/sendmail stop
    
  3. 変更しようとする構成ファイルのコピーを作成します。必要に応じて、subsidiary.mc または main.mc をコピーします。この例では、subsidiary.mc ファイルを使用します。


    # cd /usr/lib/mail/cf
    # cp subsidiary.mc myhost.mc
    

    myhost

    .mc ファイルの新しい名前を指定

  4. 新しい構成ファイル (たとえば、myhost.mc) を編集します。

    MAILER() 行の前に次の行を追加します。


    # cat myhost.mc
    ..
    DAEMON_OPTIONS(`NAME=NoMTA4, Family=inet, Addr=127.0.0.1')dnl
    
    1. (省略可能) ホストで IPv6 ローカルホストアドレスが使用できる場合は、新しい構成ファイルを次のように編集します。

      MAILER() 行の前に次の 2 行を追加します。


      # cat myhost.mc
      ..
      DAEMON_OPTIONS(`NAME=NoMTA4, Family=inet, Addr=127.0.0.1')dnl
      DAEMON_OPTIONS(`NAME=NoMTA6, Family=inet6, Addr=::1')dnl
      
    2. (省略可能) ホストで IPv6 ローカルホストアドレスが使用可能かどうかを調べるには、次のコマンドを実行します。


      # /usr/sbin/ifconfig -a

      IPv6 を使用できる場合は、次のような出力が得られます。


      lo0: flags=2000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv6> mtu 8252 index 1
                    inet6 ::1/128
  5. m4 を使って構成ファイルを構築します。


    # /usr/ccs/bin/make myhost.cf
    
  6. オリジナルのコピーを作成した後、新しい構成ファイルをインストールします。


    # cp /etc/mail/sendmail.cf /etc/mail/sendmail.cf.save
    # cp myhost.cf /etc/mail/sendmail.cf
    
  7. sendmail サービスを再起動します。


    # /etc/init.d/sendmail start