Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

例 — CHAP 認証による構成

CHAP 認証の設定 での作業は、CHAP 認証の設定方法を示しています。手順では、例 — 専用回線リンクの構成で紹介した架空の LocalCorp 社の CHAP 事例を使用します。

LocalCorp 社は、ISP の専用回線を介してインターネットに接続できます。LocalCorp 社のテクニカルサポート部では、大量のネットワークトラフィックが発生するので、独立した私設ネットワークが必要になっています。部署のフィールドエンジニアは、問題解決のための情報を入手するために遠隔地からテクニカルサポートのネットワークに頻繁にアクセスする必要があります。私設ネットワークのデータベース内の機密情報を保護するには、リモートでの呼び出し側にログインの許可を与えるために、それらを認証する必要があります。

したがって、システム管理者は、ダイアルアップ PPP 構成に次の CHAP 認証シナリオを実装します。

図 30–4 例 — CHAP 認証シナリオ (私設ネットワークを呼び出す)

この図は、CHAP 認証のシナリオ例を示しています。この例については前後の文中で詳しく説明しています。

テクニカルサポート部のネットワークから外部世界にリンクするのは、リンクのダイアルインサーバー側の端に接続しているシリアル回線だけです。システム管理者は、各フィールドサービスエンジニアが所持する PPP 用ラップトップコンピュータを CHAP シークレットなどを組み込んだ CHAP セキュリティで構成します。ダイアルインサーバー上の CHAP シークレットデータベースには、テクニカルサポート内のネットワークに対する呼び出しが許されているすべてのマシンの CHAP 資格が含まれています。