Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

例 — ローカルシステムとリモートシステム間でファイルをコピーする (rcp)

次に、rcp を使用してローカルシステムとリモートシステム間でファイルをコピーする使用例を示します。

rcp を使用してリモートファイルをローカルシステムにコピーする

次の例では、rcp はファイル letter.doc をリモートシステム pluto/home/jones ディレクトリから、ローカルシステム earth 上の作業用ディレクトリ (/home/smith) にコピーします。


earth(/home/smith): rcp pluto:/home/jones/letter.doc .

この例では、リモートログインをしないで rcp 操作を実行しています。コマンド行の最後にある「.」記号は、リモートシステムではなく、ローカルシステムを表します。

コピー先ディレクトリもローカルユーザーのホームディレクトリなので、「~」 記号で指定することもできます。


earth(home/smith): rcp pluto:/home/jones/letter.doc ~

rloginrcp を使用してリモートファイルをローカルシステムにコピーする

次の例では、rlogin コマンドの実行後に rcp 操作が実行され、リモートシステムからローカルシステムにファイルをコピーしています。操作の流れは前述の例と同じですが、リモートログインによりパスが変更になります。


earth(/home/smith): rlogin pluto
.
.
. 
pluto(/home/jones): rcp letter.doc ~

コマンド行の最後に「.」記号を使用するのは、この例では不適切です。リモートログインが行われているので、「.」記号はリモートシステムを指し、実際には rcp に重複したファイルを作成させることになります。ただし、「~」は、リモートシステムにログインするときにも現在のユーザーのホームディレクトリを指します。

rcp を使用してローカルファイルをリモートシステムにコピーする

次の例で、rcp はファイル notice.doc をローカルシステム earth のホームディレクトリ (/home/smith) からリモートシステム pluto/home/jones ディレクトリにコピーします。


earth(/home/smith): rcp notice.doc pluto:/home/jones

リモートファイル名が指定されていないので、ファイル notice.doc/home/jones ディレクトリに同じ名前でコピーされます。

次の例では、前の例と同じように rcp 操作が行われますが、rcp はローカルシステム上の別の作業用ディレクトリ (/tmp) で入力されます。現在のユーザーのホームディレクトリを指すために「~」記号が使われているので注意してください。


earth(/tmp): rcp ~/notice.doc pluto:/home/jones

rloginrcp を使用してローカルファイルをリモートシステムにコピーする

次の例では、rlogin コマンドの実行後に rcp 操作が実行され、ローカルファイルをリモートディレクトリにコピーしています。操作の流れは前に示した例と同じですが、リモートログインによりパスが変更になります。


earth(/home/smith): rlogin pluto
.
.
.
pluto(/home/jones): rcp ~/notice.doc .

現在のユーザーのホームディレクトリはローカルシステム上にありますが、「~」記号によりそのディレクトリが表されます。ユーザーはリモートシステムにログインしているので、「.」記号はリモートシステム上の作業用ディレクトリを表します。次の構文を使用しても同じ操作を実行します。


pluto(/home/jones): rcp earth:/home/smith/notice.doc /home/jones