Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

WebNFS セキュリティネゴシエーション機能のしくみ

Solaris 8 リリースから、WebNFS クライアントが WebNFS サーバーと、選択されたセキュリティメカニズムについてネゴシエーションできるようにする新しいプロトコルがあります。この新しいプロトコルは、セキュリティネゴシエーションマルチコンポーネントルックアップを使用しています。これは、WebNFS プロトコルの以前のバージョンで使用されていたマルチコンポーネントルックアップの拡張版です。

WebNFS クライアントは、公共ファイルハンドルを使って通常のマルチコンポーネントルックアップ要求を行うことにより、このプロセスを開始します。このクライアントには、サーバーがどのようにしてこのパスを保護しているかについての知識がないため、デフォルトのセキュリティメカニズムが使用されます。デフォルトのセキュリティメカニズムでは不十分な場合は、サーバーは AUTH_TOOWEAK エラーを返します。このメッセージは、そのデフォルトメカニズムが有効ではなく、クライアントはより強力なメカニズムを使用する必要があることを意味しています。

クライアントは、AUTH_TOOWEAK エラーを受信すると、サーバーに対してどのセキュリティメカニズムが必要か決定するように要求します。この要求が成功すると、サーバーは、指定されたパスに必要なセキュリティメカニズムの配列を返します。このセキュリティメカニズムの配列のサイズによっては、クライアントは完全な配列を得るためにさらに要求を出さなければならない場合があります。サーバーが WebNFS セキュリティネゴシエーションをサポートしていない場合は、この要求は失敗します。

要求が成功すると、WebNFS クライアントは、クライアントがサポートしている最初のセキュリティメカニズムを配列から選択します。その後、クライアントは、選択したセキュリティメカニズムを使用して、通常のマルチコンポーネントルックアップ要求を発行し、ファイルハンドルを獲得します。この後に続くすべての NFS 要求は、選択されたセキュリティメカニズムとファイルハンドルを使って出されます。