Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

statd

lockd とともに動作し、ロック管理機能にクラッシュ機能と回復機能を提供します。statd デーモンは、NFS サーバーにロックを保持するクライアントを追跡します。サーバーがクラッシュした場合は、サーバーのリブート中に、サーバー側 statd がクライアント側 statd にコンタクトします。次にクライアント側 statd は、サーバー上のすべてのロックを再要求します。クライアントがクラッシュすると、クライアント側 statd はサーバー側 statd にそのことを伝えるので、サーバー上のロックはクリアされます。このデーモンにオプションはありません。詳細は、statd(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris 7 で、statd がクライアントを追跡する方法が改善されました。Solaris 7 より前のリリースの statd では、クライアントごとにそのクライアントの修飾されていないホスト名を使用して、/var/statmon/sm にファイルが作成されました。そのため、同じホスト名の 2 つのクライアントが異なるドメインに存在する場合や、クライアントが NFS サーバーと異なるドメインに存在する場合に、このファイルのネーミングが原因となり問題が発生していました。修飾されていないホスト名にはドメインや IP アドレスの情報がないため、このようなクライアントを区別する方法がありませんでした。これに対処するため、Solaris 7 の statd では、修飾されていないホスト名に対してクライアントの IP アドレスを使用して /var/statmon/sm にシンボリックリンクを作成します。このリンクは、次のようになります。


# ls -l /var/statmon/sm
lrwxrwxrwx   1 daemon          11 Apr 29 16:32 ipv4.192.9.200.1 -> myhost
lrwxrwxrwx   1 daemon          11 Apr 29 16:32 ipv6.fec0::56:a00:20ff:feb9:2734 -> v6host
--w-------   1 daemon          11 Apr 29 16:32 myhost
--w-------   1 daemon          11 Apr 29 16:32 v6host

この例では、クライアントのホスト名は myhost で、IP アドレスは 192.9.200.1 です。他のホストが myhost という名前を持ち、ファイルシステムをマウントしていると、myhost というホスト名に対するシンボリックリンクは 2 つ作成されます。