Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)

lockd

このデーモンは NFS ファイルのレコードロックをサポートします。lockd デーモンは、ネットワークロックマネージャ (NLM) プロトコルについて、クライアントとサーバー間の RPC 接続を管理します。通常は、パラメータを指定しないで起動します。使用できるオプションは 3 つあります。lockd(1M) のマニュアルページを参照してください。これらのオプションは、コマンド行からも、/etc/default/nfs 内の任意の文字列を編集することによっても使用することができます。 /etc/default/nfs を変更すると、システムを再起動してもその変更は維持されます。 この機能は、Solaris 9 リリースでのみサポートされています。その他の Solaris リリースでこれらの変更を維持するには、/etc/init.d/nfs.client を変更します。

/etc/default/nfsLOCKD_GRACE_PERIOD=graceperiod パラメータを追加すると、クライアントがサーバーのリブート後にロックを再要求する秒数を選択できます。NFS サーバーはこの秒数の間、それまでのロックの再要求処理しか実行しません。サービスに対する他の要求は、この時間が経過するまで待たされます。このオプションは NFS サーバーの応答性に関係するため、NFS サーバーでしか変更できません。デフォルト値は 45 秒です。この値を小さくすることにより、NFS クライアントは、サーバーのリブート後に、より迅速に処理を再開できます。ただし、この値を小さくすると、クライアントがすべてのロックを復元できない可能性が増します。デーモンに -g graceperiod オプションを指定して開始すると、コマンド行から同じ動作を実行することができます。

/etc/default/nfsLOCKD_RETRANSMIT_TIMEOUT=timeout パラメータを追加すると、ロックの要求をリモートサーバーに再転送するまでの秒数を選択できます。このオプションは NFS クライアントのサービスに関係します。デフォルト値は 15 秒です。この値を小さくすると、トラフィックの多いネットワーク上の NFS クライアントに対する応答時間を改善できます。ただし、ロック要求が増えることによってサーバーの負荷が増す可能性があります。デーモンに -t timeout オプションを指定して開始すると、コマンド行から同じパラメータを使用できます。

/etc/default/nfsLOCKD_SERVERS=nthreads パラメータを追加すると、サーバーが同時に処理できる各接続ごとのスレッドの最大数を指定できます。 この値は、NFS サーバーに対して予想される負荷に基づいて決定してください。デフォルト値は 20 です。TCP を使用する各 NFS クライアントは、NFS サーバーとの間で 1 つの接続を使用するため、各クライアントは、サーバー上で、最大 20 のスレッドを同時に使用することができます。UDP を使用するすべての NFS クライアントは、NFS サーバーと 1 つの接続を共有します。その場合、UDP 接続が使用できるスレッドの数を増やさなければならないことがあるかもしれません。各 UDP クライアントには、少なくとも 2 つのスレッドを許可します。ただし、この数は、クライアントの負荷により違います。そのため、クライアントごとに 2 つのスレッドを許可しても、十分ではない場合があります。多くのスレッドを使用する場合の不利な点は、これらのスレッドを使用すると、NFS サーバー上で使用するメモリーの容量が増えるという点です。ただし、スレッドを使用しない場合は、nthreads の値を増やしても影響がありません。デーモンに nthreads オプションを指定して開始すると、コマンド行から同じパラメータを使用できます。